証言 ブラジル発



マリア・エリウダ・ドス・サントス

 サンパウロでの、エドュカドーラ(路上の教育者)。ブラジル弁護士会の人権保護委員会から、人権を守るために際だった活動をした人に贈る「フランツ・カストロ・ホルツ賞」が贈られている。

 警官たちは毎日午後四時頃検問をおこない幾ばくかの金を所持している少年たちをトラックまで連行し、釈放の代償として金を巻き上げました。金を払えないと殴られ、“つけ”が出来ました。少年たちは警官に払う金を稼ぐために、窃盗せざるを得ませんでした。私たちはこのことを何度も告発し、証拠写真を撮ったこともあります。写真の警官を逮捕することを何度も要求しましたが、とりあってもらえませんでした。少年たちに窃盗を教えたのは警官なのです。少年たちが盗んだ品を警官に渡しているのを、私は何度か目撃しています。


ブルーノ神父

 ブラジルの開放の神学系神父の中心的存在。アマゾン地方での少女誘拐問題などにも、積極的な活動をおこなっている。

 鉱山開発プロジェクトによって出来た町では、少女たちが騙されて連れていかれました。ボアチ(酒場)で夜の仕事をさせられて逃げ出すのですが、警官に捕まって連れ戻されたり、売春を強要されて拒んだ少女が殺されるという状態が続いています。アウタミラというアマゾンのジャングルの町では、地方の有力者が信者になっている黒ミサ的な儀式のいけにえとして8人の子どもが誘拐されて殺されました。


18才の少年

 サンパウロの路上にて

 いったん路上生活をしていた子どもという刻印を押された以上は、世間では相手になどしてくれない。家族を養えるだけの給料をもらえる仕事が出来るなら、仕事の種類までは選ばない。どんな仕事でもやれる。けれどもそのような事はもう考えたりもしないし夢というものは自分にとって無いと言ってもいい。希望などない。こうして生活をしていたら、必ず自分もいつか警官に殺されるだろう。


16才の少女

 ベレン市のブルーノ神父のプロジェクトにて

 9才の時から路上で暮らしていましたが、12才の時にメイドの仕事だと騙されて、鉱山の町に連れて行かれました。ボアチ(酒場)の経営者が力づくで私に客を取るように仕向け、いつも逃げたら殺すと脅されていました。近くの漁師に助けられて、ジャリー川を渡ってやっと逃げてきました。今はバスターミナルで寝起きして、夜の仕事もしています。
詩を書くのが好きです。


(プラッサ編集会)



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