7月定例会 7.20中野・報告=下之坊修子・津田正夫

動きはじめた市民テレビ 

−東京・名古屋・大阪で今ー

 7月の例会は20日に中野商工会館で開催された。参加者は33名で、市民テレビをめぐって活発な討論を行った。東京・名古屋・大阪・ニューヨークからも参加者があり、じっくり交流することができた。以下は、追谷さんのレポートである。

  テーマは「動き始めた市民テレビ」で、自分達で問題を掘り起こして自分達でテレビ番組を作っていこうという全国的な動きについての報告であった。報告は下之坊修子さん(大阪・ビデオ工房AKAME/写真左)・津田正夫さん(名古屋・元NHKプロデュ−サー/写真右)だった。

 

 下之坊さん製作のビデオ「私たちのメディア−ケーブルテレビ・CS放送の可能性」には、特に西日本において市民がどうやって番組を創りケーブルテレビに売りこみ(持ちこみ)、放送していくかといういくつかの例が紹介されていた。

 

 市民が番組を作ろうとした時、機材の不足・場所の不足がある。技術の不足ももちろんある。しかし作ろうという思いがあれば何とか出来ていくものである。その地域に住んでいる人たちを巻き込んで作っていくと、以外にもその人達が共有して持っていた何がしかの思いが表現されたものが出来たりする。また技術の不足についても例えば、この例会にもNHKや民放さらには独立系で作品を作ってい人がたくさん集まっていて、何なら自分達が技術的なことを教えてもいいという話もでていた。市民ネットワークを作ってどんどん互いに人材を活用していけばいいのである。

 

 また作り手である市民の問題意識とそれを放送しようとする側の意識がかみ合わない場合もある。例えばビデオ工房AKAMEは女性問題に関わってきたが放送する側がその問題を理解してくれていない場合もあり、また、番組というのはこうなんだと、ある種の型にはめてくるようなところもある。これでは、新しい発想や問題意識や手法が育たないのではないか。

 

 東京の「民衆のメディア連絡会」の原点は、ニューヨークのパブリックアクセスである「ペーパータイガー」が湾岸戦争当時、それを批判する放送を行っていた事にあり、「つくる、見せる、(社会を)変える」という方針でやっている。新しい作り手も育ってきている。

 社会においても学校教育においてもメディアリテラシーが言われているが基本は小さい時からどんどん映像を作る訓練をすることである。映像メディアが、来るべき市民の時代の、市民のための武器になりうることを予感させる例会であった。

                     (99年8月24日 追谷信介)

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