●11月例会報告a東海臨界事故とメディア

テレビ局に缶ヅメ。でも原子力政策批判のコメントはさせてもらえなかった。

11月22日(月)午後7時より中野商工会館で「国内初の臨界事故―マスコミは何を伝えなかったか―」が開かれ22名が参加した。講師は原子力資料情報室の伴英幸さん。

 はじめに原子力資料情報室の説明をして、東海での事故の後に資料室のホームページへのクリック数が一ヶ月40万件に達したという。またその3割は海外からだという。次に臨界事故のはじめての経験を

 1.臨界の発生とその継続

 2.大量かつ重度の労働者被爆

 3.周辺住民の避難

 4.広域的な損害賠償請求

 5.自衛隊が動いたという5つをあげた。

 そして臨界の継続は世界でも初めてであること、現代医療により一命をとりとめている被害者の状況。避難に関しては村が判断して要請をだしたこと。JCOの親会社の住友金属鉱山が当初はできるだけ責任を果たしたいといっていたのが、切り捨てる方向へ傾いていること。なお補償要求が20億を超えているが原子力賠償保険は最大10億なので支払い能力がない。自衛隊が動いたことは注意してみておく必要があると語った。

 原因としてはJCOのずさんな管理とそれを監督すべき国(科学技術庁と原子力安全委員会)にあり、臨界は起こり得ないとするため対策がなく、備えがなかった。

 報道について当日はいくつかのテレビ局にカン詰めになったが、そこで原子力政策の転換を主張したかったが止められたこと。政府に安全対策本部になってからは情報が統制されてまったく情報がでてこないことを指摘した。

 質疑に移り、中性子は家の中にいれば遮蔽されるという報道があったが、それはまったくの誤報だったこと。原子力発電を使わないと電力が足らないという宣伝も、原子力の分は一年で40時間分たらないだけなのでなんとか調整できること。新聞担当記者がすぐ配置転換されるので正確な知識をもった記者が育たない。それが政府発表を鵜呑みにさせている。被害者のプライバシーも考える必要がある。放射能被爆の差別がおきてくる。等。多様な問題があることを気づかせてくれる。

 科学的で専門的なことも多いので、むずかしい面もあったが、情報公開をしていないということとマスコミが不勉強なのと電力会社には頭があがらないため。本当のことがつたわっていないということだ。

 伴さんは資料室の存在意義をあらためて確認できたので今後ともいっそう応えていきたいと語って締めくくった。            (安齋徹雄)

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