VIDEO ACT! 山形映画祭報告会 開かれる

 民衆のメディア連絡会、10月の例会は、27日山形映画祭VIDEO ACT!プログラムの報告を兼ねて「ビデオアクティビズムの挑戦」と題して、中野ゼロ視聴覚ホールで開催された。豪雨の中、36名が参加した。以下は、岩川保久さんによる報告である。

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                               (敬称略)

18:30 開場。しかし、雨のため出足は鈍い。18:50 の段階で、19人。ここで山形映画祭の報告を開始。司会は本田孝義。

まず、VIDEO ACT!代表の土屋豊があいさつ。VIDEO ACT!の成り立ちについて説明(民衆のメディア連絡会が母体であることなど)。次に、日本と韓国との交流が続いており、日本で両国が交流する機会を持つよう、韓国側から要請があり、今年、山形映画祭という場でそれを実現できた。山形では、デヒーリ氏の“ドタ”到着(ドタキャンでなくてよかった)のようなハプニング(何と上映の10分前にビデオ持参)や、プログラムの変更等起こったが、全体としては成功だったと言える。

 この日はもし可能であれば、韓国のアクティビストも参加する予定だったが、残念ながら参加できず。土屋豊のあいさつの後、小林アツシが山形映画祭の期間中に撮ったビデオ「VIDEO ACT! in 山形」を上映。真夜中のあのすさまじいイビキは一体誰?

 19:20 ごろには入場者数が30人以上に増えてくる。それから、松原明の紹介で、山形映画祭キャンペーンビデオ「ニッポン・戦争・私」(23人・72分)のビデオを上映。山形では幸い、好評を博した。フランスのFIPAテレビビデオ映画祭の方から推薦したいという申し出もあった。上映後、各ビデオの制作者の紹介。その中で、この日来場していた制作者10余人からキャンペーンビデオについてコメント。このビデオには出ていなかったが、ビデオの編集を担当した土屋からもコメント。

 土屋豊の作品、「新しい神様」が映画祭で国際批評家連盟特別賞を受賞(写真下参照)。これに賞金が加われば言うことなしだったが、劇場上映の話や海外の映画祭に「新しい神様」を推薦したいとの申し出あり。今後ますます国際的に展開されていくことは必至。

さらに、山形映画祭事務局スタッフの門間もコメント。10月22日から24日まで行なわれた、CINEMA塾(日本)と全景(台湾)の交流についての紹介があった。日本と韓国のアクティビストが互いに影響し合い、交流を深めていることに、台湾からのゲストも大いに感銘を受けていた。そして、日本と台湾との協力や交流に関しても熱っぽく語ったそうである。韓国の金明準(キム・ミョンジュン、労働ニュース制作団)の言った、「教育が大事」の一言は、アクティビスト全員に共通する思いだろう。

 ビデオ塾の池田恵理子がコメント。ビデオ塾ではこれまで従軍慰安婦の問題が中心で、それ以外の問題を取り上げるのは、今回、山形が初めてであった。今、外国語版の制作方法を研究しており、そのためのいろいろな意見を聞いているところ。山形では様々な貴重な経験ができて、ビデオ塾のメンバーもいまだ興奮覚めやらず、といったところだ。また、大阪のビデオ工房AKAMEとの交流や、韓国の女性アクティビストとのつながりができたことも大きかった。

 ビデオアクティビズムは全くゼロから始まったもので、それだけに、誰でもやる気さえあれば、ビデオを使ってやりたいことができる、また、撮りたいものを撮れる。韓国プルン・プロダクションのキム・ドンウォンは、山形のシンポジウムで韓国版VIDEO ACT!を作りたい、と言い、さっそく名前を募集し始めた。

 聴衆の一人、大島さんが、外から見たプログラムということでコメント。彼女は、山形では女性史研究会とつながりがあり、そこを通じて交流を深めることができた、とのこと。

 映画祭の授賞式の話になり、土屋豊は緊張気味、一方、「あんにょんキムチ」の制作者、松江哲朗は、自分に納得できず、まだまだ勉強しなければ、と決意を新たにしていた。

 山形映画祭会場では、映像を見ること自体も楽しめたが、VIDEO ACT!の企画を通じ、来場者が直接参加できたことが良かった。

 最後に、VIDEるんデス!のビデオ(10分)を上映。その中で、最初にキム・ドンウォンが登場。それから四国の玄番さん、台湾・全景のスタッフ、「新しい神様」主演の雨宮処凛、小林アツシ。今井恭平はムミアの処刑反対を改めて訴える。映画祭来場者の一人が「沖縄・基地案内」と「盗聴法」についてコメント。一方からの視点だけしかなかった、反対論も入れることで初めて聴衆に伝わるのでは、という指摘だった。地元の女性が「お婿さん募集!」、そして最後に、地元の高校生とおぼしき女性からのVIDEO ACT!への激励の言葉で締め。

 最後に「シキラー」こと松原が締め。その後はいつものごとく「赤ひょうたん」で2次会。皆様、お疲れさまでした。

                              岩川 保久

*なお、小林アツシによる報告ビデオ「VIDEO ACT! in 山形」(20分)は1500円でお分けしています。連絡会またはVIDEO ACT!へご連絡ください。

 

 VIDEO ACT!民衆のメディア連絡会