市民フォーラム2001シンポジウム「NGOの現在,そして未来」
および
市民フォーラム2001解散総会の案内



※同シンポジウムおよび解散総会は、2001年3月4日に開催され、多くの方々にご参加していただきました。
ご参加いただいた皆様、有難うございました。
シンポジウムの内容は、次回のニュースレター「2001Fora」55号(最終号)にてまとめさせていただきます。

※2001会員の皆様には、2001年2月23日ごろにお知らせがお手元に届くことになっております。お知らせが遅れますことをお詫び申し上げます。※

市民フォーラム2001主催シンポジウムNGOの現在、そして未来...
◆日時  2001年3月4日(日)午後1:00〜4:30
◆場所  中央大学駿河台記念館 670号室
        東京都千代田区神田駿河台3-11-5 (пF03-3292-3111)
 JR「御茶ノ水」徒歩3分 /千代田線「新御茶ノ水」B1・B3出口徒歩3分
丸の内線「御茶ノ水」徒歩6分/
都営新宿線「小川町」B5出口徒歩5分
  ◆パネリスト◆
   第1部(1:00〜3:15) 
   熊岡路矢(日本国際ボランティアセンター代表)
      オリビエ・フーデマン(コーポレート・ヨーロッパ・オブザバトリー)
      米本昌平(三菱化学生命研究所社会生命科学研究室長、市民フォーラム2001理事)
      第2部(3:30〜4:45)    
       田中 優(市民フォーラム2001共同代表)  
       朴 恵淑(市民フォーラム2001共同代表) 
       佐久間 智子(市民フォーラム2001事務局長)
◆参加費   資料代 500円
◆趣旨◆
1990年代、私たちは前代未聞のグローバル化の波を体験した。モノやサービスがこれまで以上に国境を超えて取引され、情報が瞬時に世界に伝えられ、一日に2兆円ものマネーが世界を駆け巡っている。
 こうしたなか、地域でも国際でも、あらゆるレベルで市民活動、あるいはNGO、NPOと呼ばれる人々の活動が注目されるようになってきた。なかには、行政の役割を補完するような活動もあれば、既存の政策の問題点を突き代替提案を行うような活動もある。共通しているのは、これまでの「反対運動」や「要求型運動」とは一線を画した、「建設的な」活動を行っている組織が多いことだろう。
 1993年、地球サミットをフォローアップするネットワークとしてスタートした市民フォーラム2001の設立シンポジウムも、当時の趨勢を反映して「対立から対話へ」というテーマで行われ、行政や企業とのパートナーシップが一つの課題として掲げられた。しかし1999年末、シアトルで開催されたWTO閣僚会議は、7万人もの「激しく抗議する市民」によって包囲され、決裂に追い込まれた。以後、世界各地でたびたび繰り返される直接抗議行動に、各国政府や国際機関はとまどいを隠せない。
 急速にグローバル化、不安定化している世界において、市民・NGO・NPOはどのような役割を果たしているのか、その功罪は? そして今後、どのような役割が求められているのか、また、その役割はどうしたら果たすことができるのか? 市民社会の今と今後を展望する。



 同日、シンポジウム終了後の午後5:00〜6:00に、同じ会場において市民フォーラム2001の解散総会を行います。どなたでも傍聴することができますので是非ご参加ください。



市民フォーラム2001の解散総会のお知らせ」

 これまで市民フォーラム2001(以下、2001と略)を支援してくださった団体、市民のみなさん。来る3月4日に開催される2001の総会にて、本年3月31日をもって2001を解散する方向で討議が行われますことをお知らせ致します。
 2001は、1992年ブラジルで開催された国連環境開発会議(UNCED=地球サミット)に参加した日本の市民が中心となり、1993年11月に設立されました。地球サミットによって地球環境と開発の問題についての議論が世界的に盛り上がるなか、2001はそこで採択された「地球温暖化防止条約」や21世紀に向けての行動計画である「アジェンダ21」などの国際合意や条約について、フォローアップしていく日本の市民の窓口として出発したのです。
 2001は環境NGOを横につなぐネットワーク組織として発足しましたが、その数年後には個別の環境課題の深化と拡散、環境課題の相対的な地位低下によって、次第に求心力を失っていきました。そこで2001は、いくつかの個別の環境課題に対応したNGOに衣替えをしました。それまでの総花的な「UNCEDフォローアップ委員会」や「アジェンダ21委員会」という活動を止め、代わりに「地球温暖化」「環境と貿易」「エネルギー」などの個別課題に絞り込み、キャンペーン、調査研究、政府・自治体・企業への提言などを行い、少なからぬ成果を上げてきました。
 2001はまた、地域(ローカル)と世界(グローバル)をつなぎ、南(の国・地域)と北(の国・地域)をつなぐ役割も目指してきました。とりわけ経済のグローバル化が席巻し、非持続的で環境破壊的なグローバリズムが進行していくなかで、環境保全や社会的公正の実現という視点から、世界の市民社会と同時進行する活動を担ってきました。
 その「市民フォーラム2001」という名称は、「世紀を超えて21世紀には持続可能な社会が実現されているように、21世紀までに市民が中心の時代となるように」という希望を込めた命名でした。しかしながら「21世紀を環境と市民の世紀にする」という当初の目的と希望に反して、現実は世界の1%ほどの金持ちが地球上の富の三分の二を握り、南の国・地域での環境破壊と経済的抑圧は絶望的なまでに進行する状態となっています。温暖化防止のための京都議定書の発効が危ぶまれているように、環境と社会的公平を求める努力は踏みにじられる状態が続いています。客観的に言えば社会の悪化が進行するがゆえに、2001を含むNGOに求められる役割はさらに大きくなっていると言えるでしょう。
 しかし一方で、啓発や政策提言を行う「アドボカシー型NGO」を取り巻く状況には、非常に厳しいものがあります。とりわけ日本においては人的にも財政的にも状況は厳しく、2001自身も果たすべき役割の大きさと、組織維持のための活動との狭間で、大変な運営努力を強いられ続けてきました。
 こうした中、2001の運営委員会では、NGOの果たすべき役割とその組織のあり方について論議を続けてきました。その結果、組織としての2001は2001年3月をもって解散し、各自がそれぞれの分野で新たな形態で活動していこう、という結論に至りました。なお,2001地球温暖化研究会は,2001解散後も研究会として活動を引き続き行っていきます。2001の設立から7年が経過し、社会的にも一定の基盤と信用を築いた2001ですが、2001年にその幕を閉じることを次回の総会に諮ることに致しました。つきましては、これまで2001の活動を支えてくださった皆さまに、最後となるであろう総会に是非ともご参加いただきたく、お願い申し上げる次第です。
 2001を支援してくださった団体、市民のみなさん。2001としての組織はなくなりますが、また、2001を自らの「広場」として参加した私たちは、それぞれ新たな形で今後も活動を継続していきます。市民が社会の中心となり、環境と社会的公正が実現される時代を創造していくために。これまで多大なご支援をいただき、ありがとうございました。

2001年2月8日
市民フォーラム2001運営委員会

市民フォーラム2001解散総会
日時 2001年3月4日 午後5:00〜6:00
場所 中央大学駿河台記念館 670号室