'99 初夏の連続講座のご案内 

お待たせいたしました!
1999年4月から、市民フォーラム2001初夏の連続講座が始まります。
今回も豪華な講師陣でお送りいたします。
詳しい内容は以下をご覧下さい。

コース:A「私たちを取りまくフィクションを見抜く!」(全7回)
コース:B「歴史が変わったあの時」(全7回)

Bコースの日程が一部変更になっています。ご注意下さい。




◆開講期間:1999年4月21日(水)〜7月21日(水)
◆開講場所:文京シビックセンター(予定)
◆開催時間:18:30〜21:00(各回とも)
◆募集期間:1999年2月20日〜1999年4月14日(先着順)
◆受講料:A・B講座とも一般-15,000円、2001会員-13,000円
◆定員:35名(定員になり次第締め切らせていただきます。)

  ※最小開講人数(25人)に達しない場合、開講中止になる場合があります。
   また、内容・講師は若干変更の可能性がありますので了承ください。
 
◆お申し込み・お問い合わせ:(くわしくはこちらをご覧ください)

Aコース:
私たちを取りまくフィクションを見抜く!
 突然改悪されてしまった食品安全基準。いつの間にかCO2削減の切り札となった原子力発電。消費を拡大しないと経済が成り立たないと宣伝する政府―。何かおかしいと感じつつも、「国民が望んだ選択」「歴史の必然」だから仕方ない、と私たちは信じ込まされてきました。でも実は、それを仕組んだ人(組織)が存在し、それでメリットを得ている人(組織)がちゃんといるのです。「誰が何のために、いったいいつそう決めたの?」…自分自身の生活を自分でコントロールするために、ふと湧いた日常の疑問から、現代の問題をとらえなおしてみませんか?

第1回・第2回  ヨーロッパで始まっている大転換!

 行政や企業は、「市民の要求は非現実的」と言うけれど、本当にそうなのだろか? すでにヨーロッパ各国では、市民が望む未来社会に向けて、市民参加の下、行政・企業が協力して変革を始めている。食料・エネルギー・交通など、生活を取り巻く様々な場面でのヨーロッパ各国の挑戦を学び、日本での可能性を探る。


第1回(4月21日・水)

「ヨーロッパの『食品の安全性』
●待場智雄(ジャーナリスト、ロンドン大学ユニバーシティカレッジ博士課程)

 自分たちの生活を自ら守るという市民意識の根強いヨーロッパでは、家畜へのホルモン投与や遺伝子組み換え食品などといった、食の安全をおびやかす技術への拒否反応が大きい。こうした市民の意識は政策を動かし、時には貿易問題を引き起こしている―。ヨーロッパ各国の食品の安全に対する政策や、市民運動について聞く。(前半はオリエンテーションです)


第2回・5月6日(木)

ヨーロッパのゴミ事情
荻原弘子(日本テレビ)

 環境への意識の高まりを受けて、社会システム全体を、環境に配慮した資源循環型につくりかえているヨーロッパ諸国。中でも、リサイクル・ゴミ廃棄システムは、各国のお国事情にあわせた創意工夫がなされている。世界中をとびまわる「ゴミ博士」の講師に聞く。

ヨーロッパのエネルギー事情
●飯田哲也(「自然エネルギー促進法」推進ネットワーク事務局)

 地球温暖化防止対策として再生可能エネルギーを最大限に生かすべく、ヨーロッパのエネルギー政策が動き出した。それは、再生可能エネルギーを2010年までに倍増しようというもの。そしてそのためのテコとなっているのが、「再生可能電力買い取り法」や「グリーン電力」の普及である。ヨーロッパの最新エネルギー事情を聞く。


第3回・5月19日(水) のっとられる食品表示


誰のための「賞味期限」?
久保田裕子、国学院大学経済学部助教授)

 製造年月日でなく、賞味期限の記された食べ物がいつのまにか店頭に並ぶようになった。食品表示にもいろいろあるけれど、それらが何のためにあるのか、私たちは本当に分かっているだろうか? さまざまな食品表示にまつわる話を易しく解説。

有機食品表示のオモテとウラ
●野田克己(大地を守る会)

 現在、政府が作ろうとしている「有機食品表示」。なぜ今、基準が必要とされているのだろう? 新しく表示基準ができることで、私たちの生活にはどんな影響があるのか? 農水省の「有機食品の検査・認証検討委員会」の委員でもある講師に聞く。


第4回・6月2日(水)


ゴミ問題―大胆な代替案を考えよう
●中村正子(環境ジャーナリスト)

 日本中の自治体が、ゴミ対策に頭を抱えている。しかし、役所はいつも、ダイオキシンが問題になれば焼却システムを改善し、埋立地が反対されれば代替地を探すだけ。私たち市民の役割は、ゴミ分別とリサイクルだけじゃないはず―。行政と市民による、グローバル&ローカル・レベルでの大胆なゴミ問題解決法を、実例から考える。

塩と塩ビと苛性ソーダの深〜い関係
●村田徳治(循環資源研究所)

 私たちの身体に欠かすことのできない「塩」。でも、塩が海外から大量に輸入され、石けん、紙、繊維などを作るときに使用される工業薬品「苛性ソーダ」と、焼却の際にダイオキシンを発生させ、環境ホルモンの疑いもある「塩ビ(塩化ビニル)」の主原料となっていることはあまり知られていない。私たちの日常生活に身近な物質が引き起こしている問題とは。


第5回・6月16日(水)



「原発か、電気ナシの生活か」…究極の選択?
●藤井石根(明治大学)

 「原発事故は怖いし、環境にも問題があることは分かっているけど、日本の電気の約4割は原発だのみ。生活レベルを落とさないためには、自然エネルギーでの代替は不可能らしい」…。でも、日本のエネルギーに関する方針を決め、現状を作り出しているのは、他でもない日本政府。あきらめる前に、日本にどれくらい自然エネルギーの可能性があるのか、本気で検証してみよう。「環境も暮らしも」という願いは決して非現実的ではない。


第6回・6月28日(月)



「自己責任社会」ってどんな社会?
●間宮陽介(京都大学大学院人間・環境学研究科教授)

 21世紀を目前に、突然私たちの身の周りのいろいろな仕組みが変わり始めた。自己責任社会というかけ声のもと、預金の利率が自由化され、リスクの高い投資信託が魅力的に宣伝される。その一方、預金者保護の議論は棚上げ。労働法や年金制度も改悪され、弱者救済の制度がなくなっていく。規制緩和論一辺倒ではなく、私たちの生活に必要な規制のあり方を考えよう。


第7回・7月14日(水)



来るべき時代に備えて
●大野和興(農業ジャーナリスト)

 農を捨ててまちに出る。まちで稼いで、輸入した安い食べ物を食べる。政府はそんな生き方を奨励してきた。その間に日本の農村は荒廃し、失業者を受け入れることも、充分な食料を生産することもままならなくなった。こうしたもろい基盤の上に成り立つ社会そのものが巨大なフィクションだとすれば--。必然的な結果として訪れる社会の破綻をみつめながら、新しい社会像を講師とともに組み立てよう。

Bコース:
歴史が変わったあの時
 それまで誰も気にとめなかったことが、いつの間にか大問題としてとりあげられるようになる。それまで非現実的と言われてきた政策が、ある時を境に必然の選択肢となる―。環境問題・社会問題の流れをよく見ると、こうした転換の瞬間があることに気付きます。そして紛れもなく、その瞬間を作っているのは、その時代に生き、流れを変えることに全力投球した一人ひとりの人間。この講座では、時代の転換に立ち会った証人から、お話を聞きます。


第1回・4月28日(水)



市民が実行する民主主義の時代へ
●今井 一(ジャーナリスト)

 1996年、原発建設をめぐって、新潟県巻町で条例制定による日本初の住民投票が行われた。「特に重要なことは直接自分たちで決めたい」という、町の人たちの願いから始まった住民投票は、民主主義の新しい手法として注目を集め、この3年間で住民投票条例の制定を求める直接請求は30件を超え、2年間で実際に8つの自治体で実施された。21世紀、民主主義はどのように姿を変えていくのだろうか。各地の住民投票を取材してきた講師とともに考える。(前半はオリエンテーションです)


第2回・5月11日(火)



環境庁の誕生 〜公害問題からの出発
●橋本道夫、海外環境協力センター顧問)

 戦後日本の開発の象徴ともいえる「公害」。1967年に典型7公害を定めた「公害対策基本法」が制定され、その後1970年、厚生省から独立する形で環境庁が設立された。しかし、経済成長が最優先される時代にあって、これらの実現は簡単なものではなかった―。日本の環境行政に、その幕開けから関わってきた講師が語る。


第3回・5月27日(木)国際協定を市民が監視する時代




市民のプレッシャーが国際協定をつぶした!
●佐久間智子(市民フォーラム2001事務局長)

 98年12月、3年に渡って行われてきたMAI(多国間投資協定)の交渉が打ち切られた。多数国間の経済交渉が決裂したのは戦後初めてのことであり、その主な原因は、インターネットを駆使して行われた世界中の市民・NGOの反対運動だった。つながりつつある世界の市民運動の現在を報告。

食の安全性を守る国際ルールを求める!
●熊澤夏子(日本子孫基金)

 私たちの食卓にのぼる食品の安全基準が今、改悪されている。あまり知られていない国際機関「コーデックス委員会」の基準に、各国が従うことになったからだ。この基準の内容や決定過程に不安を抱く世界の市民は97年、カナダのオタワでデモを行った。アメリカ・イギリスのNGOともにオブザーバーとして委員会に参加し、密室で決められる食の国際安全基準を動かそうと立ち上がった講師に聞く。


第4回・6月9日(水)



公共事業は止められる! 〜藤前干潟・三番瀬の挑戦
 ●早川由紀美(中日新聞記者)●小埜尾精一(三番瀬フォーラム)

 環境破壊型の公共事業に反対する運動は数多くあっても、行政・企業の巨大な力を前に、こうした運動が実を結ぶことはかつてなかった。それが今、突如として変わりはじめている。その先鞭をつけたのが、藤前干潟のゴミ処分場計画の中止だ。同様の問題をかかえる三番瀬も藤前に続き、環境保全のために公共事業を見直すことができる時代への転換を加速することができるだろうか―。現場からのリポート。


第5回・6/月24日(木)



重金属汚染が世に知られるまで
●本間 慎(フェリス女学院大学教授)

 1960年代以降、工業化とともに、4大公害に代表される数々の公害が日本中を苦しめ続けた。経済成長の裏で長い間顧みられなかった公害被害は、科学的根拠がはっきりしたこにより、企業責任と国をあげた対策の必要性が認められるようになったのである。科学者として各地の公害の現場をとびまわり、こうした歴史を裏から支えた講師に聞く。


第6回・7月7日(水)



環境アセスメント:制定までの苦難の道のり
●清水 汪((財)地球・環境人間フォーラム理事)

 「開発」政策が優先される体質。先進国のほとんどに環境アセスメント法があるにも関わらず、日本では経済界・経済官庁の抵抗が強く、その成立は環境庁の長年の悲願であった。77年・83年と2度の不成功を経て、97年にようやく成立に至るまでの長い道のりを、環境庁で法案作成の中心にいた元・環境庁事務次官の講師が振り返る。


第7回・7月21日(水)



「消費者」から「生活者」へ 〜生活協同組合運動の40年
●又木京子(元・県央生活クラブ生協理事・神奈川県議会議員)

 高度経済成長時代のまっただ中の60年代、よりよい消費財を求めて、牛乳の共同購入から始まった生活クラブの活動。時代の流れとともに、その視点は「消費者」から「生活者」のものへと広がり、活動分野は社会・政治・環境へと多様化して、現在では地方議会にも議員を送るようになっている。世界の中でも特徴的なオルタナティブ運動として注目を集めた、日本の生協運動を解説。

官僚がつくる法律から、市民がつくる法律へ
 ●松原 明(シーズ・市民活動を支える制度をつくる会)

 昨年12月に施行された「NPO法(特定非営利活動促進法)」。その内容もさることながらそれ以上に画期的だったのは、この法律が、市民団体と各党の議員が数え切れない検討を重ねてつくった手作りのものであるという点だ。何度もおとずれた廃案の危機を越え、ついに全会一致での成立に至ったプロセスから、市民が法律づくりに関わる可能性を探る。


お申し込み・その他について

◆場所:文京シビックセンター会議室(講 座A、Bとも、予定)。(JR水道橋駅・地下鉄丸の内線後楽園駅・三田線春日駅より徒歩)。※ 場合によって、近隣の別施設を使用することもあります。

◆開催時間:18:30〜21:00(各回とも)

◆受講料:一般*15,000円、2001会員*13,000円(全7回分)。

◆定員:各コース35名(先着順)

◆申込方法:郵送、FAXまたはE-mailにて、氏名・住所・電話・FAX・希望する講座(AまたはB)をご記入の上、下記事務局まで、4月14日までにお申し込みください。先着順に受付後、こちらから詳しいご案内と請求書・振込用紙を送らせていただきます(期日前でも定員になり次第締め切りますので、お早めにお申し込みください)。受講料のお支払いをもって、正式な受け付けとなります。なお、最少開講人数(25人)に達しなかった場合、開講中止となる場合もありますので、ご了承ください。また、内容・講師は若干変更の可能性があります。

◆お申し込み・お問い合わせ◆

市民フォーラム2001事務局   〒110-0015 東京都台東区東上野1-20-6 丸幸ビル3階 TEL.03-3834-2436 FAX.03-3834-2406  E-mail; pf2001jp@jca.ax.apc.org