「自然と社会と私たちの心」
Nature, Society, and Our Spirit
セミナー・シリーズ

環境や経済の問題を頭では知っていても、
それだけでは解決に向けて行動できないのはなぜ? 
自分をつき動かす、自らの「価値観」と「動機」を、
一緒に探ってみませんか? 

★セミナー第1回「近代社会とコンシューマリズム(消費主義)」…終了しました

★セミナー第2回「人と自然の関係をつくり直す」…終了しました

★セミナー第3回「環境・社会・精神」…終了しました



セミナー第3回「環境・社会・精神」
1999年12月4日(土)10:30〜16:30
会場:環境パートナーシップオフィス会議室

 JR,地下鉄渋谷駅、地下鉄表参道駅 徒歩5分





プログラム

募集要項

プログラム

 かつては人間も、自然と感応する能力を最大限に発揮することで生き延び、自然とよい関係を保ち続けてきました。近代文明は人間に、自然と折り合いを付けなくても生きていける環境を与え、その代償として人は自然を感じる能力を失いました。その結果、環境は破壊され、人は心身ともに追いつめられています。今、自然と感応する能力を取り戻すことが必要なのではないでしょうか。 

 自然環境(Nature)・社会環境(Community)・精神(Spirituarity)の重要性を伝える啓蒙活動を行っている、サティシュ・クマールさんを迎えて一緒に話し合います。


ゲスト・プロフィール
◇サティシュ・クマール(環境活動家、英シューマッハ・カレッジ創立者)
 エコロジーと社会正義を追求する先駆的運動家として世界的に名を知られている。雑誌「リサージェンス(復活)」を発行する一方、1990年には「こころと頭と体の一体化」を目指すユニークな教育機関、シューマッハ・カレッジを友人と共同で創立し、講座の企画を担っている。


スケジュール
 午前…オリエンテーション、
     アイスブレーキング(自己紹介など)
     ゲストのお話
 午後…ゲストを囲んでのフリー・ディスカッション


募集要項

■定員:各回約40名
■参加対象:主に20〜30代の方を対象にしたプログラムです。
■参加費:第2回…3,500円(食費などの一部を負担いただきます) 第3回…1,000円

■お申し込み方法:[氏名、年齢、所属、住所、TEL、FAX、電子メール、希望するセミナー(第2回または第3回)、「このセミナーに申し込んだ理由」]をご記入の上、ハガキ、FAX、電子メールにて下記までお申し込みください。
■申込期限:第3回は11月26日(金)です。期日前にも、定員になった場合は締め切らせていただきますので、お早めにお申込み下さい。
・申し込み後、詳しいご案内を郵送いたします。受け取り後すぐに発送できない場合がありますので、ご了承ください。(定員オーバーなどで参加していただけない場合には、すぐにご連絡します。)
・内容については、若干の変更の可能性があります。
・当日は、逐次通訳があります。

●このセミナーの開催にあたっては、地球環境基金・その他の財団の支援を受けています。

◇お申込み・お問い合わせ◇
市民フォーラム2001
〒110-0015東京都台東区東上野1-20-6丸幸ビル3階
TEL 03-3834-2436  FAX 03-3834-2406
Email pf2001jp@jca.apc.org

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セミナー第1回(終了しました)
「近代社会とコンシューマリズム(消費主義)」
1999年7月31日(土)〜8月1日(日)
会場:ラ・サール研修所(JR日野駅より徒歩5分)



プログラム

参加者の感想


プログラム

A「人を消費主義に向かわせるものは何か
       −−伝統社会と近代社会との比較から」

ゲスト:シッダールタ、佐藤 真


 急速な近代化は、世界中の伝統的なコミュニティの人々の価値観を変えた。かつて人々は「私たちには食べ物も家族もあって幸せだ」と考えていた。しかし今や、工業製品を持たないことは「貧しい」ことであると感じるようになっている−−。このワークショップでは、「伝統社会と近代社会・グローバル社会における、精神、平等、持続可能性の比較」を目的とするAllianceのアジア太平洋地域コーディネーターとして活動してきたシッダールタさんと、その経験と思想を共有します。また日本の伝統的な地域社会の豊かさと、その移り変わりを記録し続けてきた映画監督の佐藤 真さんとともに話し合います。(佐藤さんは二日目からの参加です)


B「消費主義から共生社会へ」

ゲスト:スラク・シバラック、熊岡路矢

 アジアに成長をもたらした近代的発展パターンは、自然のサイクルに合った伝統的地域社会を崩壊させました。シバラックさんは、このことが人々の精神や価値観にも大きな動揺と矛盾を生んでいる、と語ります。そして、開発協力の活動を通して見えてきた問題の本質について、熊岡さんより報告していただきます。

★ゲスト・プロフィール★


シッダールタ
(Alliance for a Responsible and United World - Asia Pacific、インド)
インドで文学を学んだ後、パリ大学で社会人類学を学ぶ。「文化と開発のための南北ネットワーク」(ブリュッセル)、アジアの文化復権を目指す「アジア・レインボー」(マニラ)など、社会・文化・教育に関する様々な国際活動に関わっている。地元のインド・バンガロールでは多元性、民主主義などの問題に関わる「パイパル・ツリー(菩提樹)」という団体を運営。著述家として、インド国内や海外の雑誌、新聞にも執筆。


佐藤 真
(さとう まこと、映画監督)
1957年青森県弘前市生まれ。東京大学文学部哲学科卒。テレビ作品、映画の構成・編集、映画祭のプロデュースなど多角的に仕事を展開している。主な監督作品に『阿賀に生きる』(1992年、『阿賀に生きる』製作実行委員会、芸術選奨文部大臣新人賞ほか多数受賞)、『まひるのほし』(1998年、シグロ)など。著書に『日常という名の鏡』(1997年、凱風社)。


スラク・シバラック
(タイ・チュラロンコン大学教授、サンティ・プラチャタム研究所所長)
1933年英国生まれ、1961年よりタイ在住。タイの伝統文化や先住民文化に基づいた内発的な開発を目指す。1992年にタイで文民政権が成立するまで、民主主義や人権問題についての活発な言論活動によって軍事政権からの弾圧を受け、2度にわたる亡命生活を送った。最近ではビルマからの難民のために「ジャングル大学」を創設。1995年、ライト・ライブリフッド賞受賞。


熊岡路矢
(くまおか みちや)
(日本国際ボランティアセンター(JVC)代表)
1947年東京生まれ。1970年に東京外語大学中国科中退後、自動車修理工などを経て、1980年にタイで開発NGOの草分けであるJVCの活動に参加。ベトナムやカンボジアでの現地勤務などを経て現在代表。先進国の開発モデルに対するオルタナティブを途上国の地域で実現するというこれまでの活動に加え、近年、環境問題や日本の地域問題にも関わりつつある。また日本のNGOとして北朝鮮やユーゴスラビアの問題への関わり方を模索している。

スケジュール
[1日目:7/31]
 9:00〜10:00  オリエンテーション
 10:00〜14:00  全体会(ゲストによるお話)
    (12:00〜13::00 昼食)
 14:30〜18:00  ワークショップ
 18:00〜  夕食・懇親会
[2日目:8/1]
 9:00〜17:00  ワークショップ
 (12:00〜13:00 昼食)


感想

 参加者の方々からの感想のほんの一部をご紹介します。

●ややもすると、アカデミックな理論から入ろうとしてしまう傾向に対しての警鐘にもなりました。知識は有効な手段になり得ますが、それ自体では大した価値はないことに気づきました。それをどんな方向へ何を目指して生かしていくか、が大切なのでしょう。根底にあるのは、やはり感覚的なものかな、とも思います。身の回りで感じられる自然的なもの、自然な他との関係から行動していかないと。

●セミナーの趣旨は、我々の「豊かさ」の実体と実感とを消費主義の観点から共同で検証し、個々人の環境問題への関わりについて潜在意識のレベルまで掘り下げていくことだと、自分なりに考えていました。その作業は結果的に新たな手がかりを見いだすきっかけになるのではという期待もありました。
 実際は、今回のセミナーはゲストの方々の高尚なお話を聞いて、共同で咀嚼するという段階でとどまって、それを自分たちの問題につなげていくというところまでは至らなかったと思います。そういう意味では、不満が残りました。

●当初から参加型のセミナーというのはある程度は分かっていました。しかし、聞くだけのいつもの講座とは違って、頭使ったなあという感じがとてもしました。ゲストのお話を自分の問題意識とつなげたり、自分の曼陀羅を書いたりと、時間をとって自己分析を行いました。私はなかなか答えが見つからずとてもしんどい思いをしながらですが、少しずつ考える事ができました。逃げずに考えて、そしてその事を発表した事で今までの自分の問題意識が大きく間違ってはいないんだという自信がついたように思います。

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セミナー第2回「人と自然の関係をつくり直す」
1999年10月2日(土)〜10月3日(日)
会場:五日市青年の家(五日市線武蔵五日市駅よりバス)


プログラム

募集要項

プログラム

今、自然を支配する法則は、人間社会の法則によってかき乱されています。かつて、私たちの心の中にも、外の自然と感応する内なる自然がありました。近代化によって、たった数十年の間に、私たちが自然から遠く離れてしまったことで、人間の精神と身体のあり方に大きな影響が現れているのではないでしょうか。このセミナーでは、野生生物・大自然と人間、内なる自然と人間との二つの側面から、人間と自然との関係を見直します。

 自然の重要性は、直接的な利用価値に基づいて測られることが多くなっています。それでは、大自然やそこに住む動物を、野生のままの状態で保護することは私たちにとってどんな意味があるでしょうか? シベリアの森林保護に取り組むデヴィッド・ゴードンさんが、自らの体験から語ります。また、野生生物保護に関わりつつ、動物としてのヒトの変容を研究してきた小原秀雄さんは、ヒトは自然から離れ、自然を改造して文化、文明、社会を作るという流れを歴史的に進化の中で辿ってきたが、その限界が来ていると指摘、それを乗り越えるためには、自然をもう一度、ヒトの文化・文明の中に取り込んでいかなかければならないと語ります。また、農業を大切にしたいと思う人々をむすぶ輪を作ってきた橋本明子さんは、農業を背景にした暮らしの豊かさについて語ります。




ゲスト・プロフィール
◇デヴィッド・ゴードン(アジア太平洋環境資源センター(PERC)事務局長)
1968年生まれ。カリフォルニアのNGO・PERCで1991年より、流暢なロシア語を活かしてシベリアと極東ロシアで草の根の活動家、森林科学者、政府関係者、地元コミュニティとともに森林保護活動に携わっている。特に極東ロシアの森林伐採、鉱山開発、天然ガス開発、漁業問題に力を入れている。また、アジア太平洋地域における木材貿易がロシアの森林にもたらす影響に関して調査を行っている。

◇小原秀雄(女子栄養大学名誉教授)
1927年東京生まれ。専門は動物生態学、ほ乳類学、環境科学。「動物・ヒト・人間の進化生態学的探求」を一貫としたテーマとし、自然をシャットアウトする「ヒトの自己家畜化」が、近代文明だったとの持論を持つ。『人間は野生生物を守れるか』(岩波書店)、『街のホモサピエンス』(徳間教養文庫)など著書多数。1998年に国連環境計画(UNEP)からグローバル500賞を受賞。

◇橋本明子(提携米ネットワーク代表)  
1988年より茨城県八郷町で夫と有機農業を始め、90年より農産物を都市の消費者約30世帯に送っている。94年に、全国1250名の原告とともに「減反差し止め裁判」をおこし、同時に「減反やめよう!コメつくろう!全国ネットワーク」を結成。共著に『定年帰農』(農文協)、『NOといわれる日本』(家の光協会)、『ガット・自由貿易への疑問』(学陽書房など)。




スケジュール
[1日目]
 午前… オリエンテーション、
     アイスブレーキング(自己紹介など)
 午後… ゲストのお話、グループでの話し合い
 夜… 夕食・懇親会
[2日目]
 午前… ゲストを囲んでのフリー・ディスカッションの続き
 午後… 全体会、振り返り

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