99年3月5日

建築物の省エネルギー基準改正案に対する意見

 氏 名:畑直之
 所属(会社名、役職等):市民フォーラム2001地球温暖化研究会





建築物の省エネルギー基準改正に係る意見

(1)夜間電力の優遇について
 夜間電力の利用や、電気温水器の利用などは省エネどころか電力消費の増加をもたらし、エネルギー効率を低下させ、業務用建造物の省エネの趣旨に反しており、極めて問題である。別表第三の電力の項は、昼間の電力の値に一本化すべきである。

(2)別表第一の数値の甘さについて
 1993年の基準(平成5年7月29日通商産業省建設省告示第1号)と比較し、全く前進していない部分が幾つもある。使用する機器の効率なども上がっているのに、基準値が据置では規制が浪費を奨励しているようなものであり、極めて問題である。
 民生用機器では全体を調査してトップランナー方式で基準を設定した。建築物についても、この基準は標準化できるところを選んで設定しているのであるから、全体の調査をしてトップランナー方式で基準を設定すべきではないか。調査ができないところは、従来の護送船団的規制から、トップランナーへという基準の考え方の変更、この間の技術進展、の双方を考慮し、一律20%改善などとすべきではないか。
 新築のビルの基準にも関わらず、民生用機器の基準に比べて甘いのは問題ではないか。下の表に改善がないか、そもそも基準値もないところを示す。

ホテル又は旅館 病院又は診療所 物品販売業を営む店舗 事務所 学 校 飲食店舗
建築物の外壁、窓等を通しての熱の損失の防止 前進なし 前進なし 甘い基準を設定
空気調和設備に係るエネルギーの効率的利用 前進なし 前進なし 前進なし 前進なし 前進なし 甘い基準を設定
空気調和設備以外の機械換気設備に係るエネルギーの効率的利用 甘い基準を設定
照明設備に係るエネルギーの効率的利用 前進なし 前進なし 前進なし
給湯設備に係るエネルギーの効率的利用 基準なし 基準なし 基準なし
昇降機に係るエネルギーの効率的利用 基準なし 基準なし 基準なし 基準なし


(3)その他
 熱の損失の防止、空気調和設備など6つの分野それぞれに「次の事項に配慮し、・・・を図ること」という項目が追加された。1993年の基準には何もないので前進と言えるが、実効性を持たせるために幾つかの項目に対してトップランナー方式で基準を設定すべきではないか。新築のビルの基準にも関わらず、民生用機器の基準に比べて甘いのは問題ではないか。

以上




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