98年度活動報告

地球温暖化プロジェクト

気候ネットワークへの参加

政策分析レポート「地球温暖化を巡る日本の税財政編」の作成

気候変動枠組条約第四回締約国会議(COP4)への参加

東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)第四回総会への参加

気候変動枠組条約事務局によるNGOヒアリングへの参加
「日米独エネルギー専門家ネットワーク会議」への参加

東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)主催ワークショップへの参加




定例会・研究会の開催

意見書・プレスリリース



□概説□


 1997年12月の地球温暖化防止京都会議(COP3)では、先進国の温室効果ガス削減目標を盛り込んだ京都議定書が採択されたものの、細部については議論の大半が先送りされていた。中でも、京都議定書において、先進国が国外で「削減」する仕組みである排出量取引・共同実施・クリーン開発メカニズムなどの「柔軟性措置」が導入されたことや、森林のCO2吸収をCO2削減として含めることを認めたことなどは、議定書の有効性を失わせる「抜け穴」制度であるとして環境NGOの批判を浴びており、その細部決定が京都会議以降の焦点となっていた。
 1998年には、6月にドイツ・ボンで補助機関(SBSTA/SBI)会合が、11月にアルゼンチン・ブエノスアイレスで第4回締約国会議(COP4)が開催された。しかし、結局COP4では柔軟性措置の細部は決着せず、途上国への資金・技術移転の課題などと併せて、2年後の締約国会議(COP6)までに決定することを定めた「ブエノスアイレス行動計画」が採択されるにとどまった。2000年以降は、先進各国の数値目標の達成状況のレビュー、1995年の締約国会議で試行された「共同実施活動」のレビューなどが行われる予定である。
 日本国内では、京都議定書で定められた日本の温室効果ガス削減義務(2008年〜2012年に1990年比で6%削減)をどのようにして実現するかが焦点となった。
 国の施策としては、「地球温暖化対策推進大綱」のとりまとめ(6月:日本の削減義務の大部分を、柔軟性措置や吸収源の拡大解釈によって「削減」するという内容)、「長期電力需給見通し」および「長期エネルギー需給見通し」の改正(6月:原発20基増設推進を盛り込み、再生可能エネルギーを軽視した内容。主に通産省)、省エネ法の改正(主に通産省)、経団連自主計画の推進(主に通産省)、代替フロン業界自主計画の推進(主に通産省)、革新的技術開発(主に通産省)、「地球温暖化対策推進法」の成立(10月:企業の温暖化ガス排出量報告義務や、自動車の排出基準が盛り込まれなかった)、バイパスや環状道路の整備など道路渋滞解消(建設省)、地球温暖化対策推進法(環境庁)、サマータイム導入の国民的議論、「地球温暖化対策に関する基本方針」の策定(99年3月:温暖化防止のための「原子力」推進が明文化された)などの動きがあった。



気候ネットワークへの参加

【期間】1998年4月〜1999年3月
【担当者】畑 直之(活動委員)
【背景・内容】
 気候ネットワ−クは、COP3に対応するために設立された市民・NGOの連合体「気候フォ−ラム」の活動を受け継ぎ、温暖化問題に取り組む市民・NGOのネットワークとして、98年4月19日に設立された。主な活動は、各地の取り組みのネットワーク化、自治体や企業との連携、政府への働きかけなどである。99年2月現在の会員数は、団体140、個人245人、賛助会員11。気候フォ−ラムと同様に、京都と東京に事務所を置いている。1998年度は、国際交渉のフォロ−アップ(COP4でのニュースレター「KIKO」発行や国内でのセミナー開催など)、国内対策への働きかけ(地球温暖化対策推進大綱に対する撤回の申し入れ等)、研究会や連続公開セミナ−・シンポジウムの開催、情報発信、アジアのNGOの招聘事業などを行った。市民フォーラム2001は設立当初から団体会員として参加しており、畑が常任運営委員として参画、意見書の作成やイベント企画などに中心的に関わった。


政策分析レポート「地球温暖化を巡る日本の税財政編」の作成

【期間】1998年10月
【担当者】畑 直之(活動委員)、事務局
【背景・内容】
 環境に関連の深い日本の政策について、その意思決定メカニズムと環境・持続可能な開発への影響を分かりやすく解説した政策分析レポート・シリーズ(シリーズ全体についてはp.15参照)の第2冊目として、地球温暖化を助長する日本の税財政構造やエネルギー政策について解説、改革に向けたポイントを提案したレポートを作成。気候変動枠組条約第4回締約国会議(COP4)で各国関係者に配布した他、国内外のNGO関係者・研究者・政治家・行政担当者らに配布した。タイトルは以下の通り。
・政策分析レポートA「地球温暖化を巡る日本の税財政編」執筆:畑 直之(2001活動委員、気候ネットワーク)英語版は「Policy Review No.2 :Overview of Japan's Fiscal Policy and Its Effects on Global Warming」。



気候変動枠組条約第四回締約国会議(COP4)への参加

【期間】1998年11月2日〜14日
【担当者】米本昌平(理事)、住野節子(共同代表)、朴 恵淑(温暖化研究会代表)、沖村理史(温暖化研究会)、石井 敦(温暖化研究会)
【場所】アルゼンチン・ブエノスアイレス
【背景・内容】
 会期中は連日、京都議定書に盛り込まれた排出権取引、共同実施、クリーン開発メカニズムなどの「柔軟性措置」について、政治家、研究者、NGO間での話し合いが行われた。COP3で議定書採択のリーダーシップを取ったEUも、今回は比較的対策に消極的なオーストリアが議長を務めたこともあってか、COP3のときのように一致したスタンスを持たず、積極的な役割を発揮できずに終わった。途上国も一枚岩ではなく、クリーン開発メカニズムをめぐって、中南米やアフリカなどのグループと、中国とインドなどのグループとの間で意見が割れた。また、韓国、アルゼンチンは温室効果ガス削減に自主参加することを表明した。日本は、クリーン開発メカニズムにおいてODAを活用することを提案し、途上国や環境NGOの反発を浴びてすぐに引っ込めるという失敗をおかした。またアメリカのあらゆる発言をすぐ支持するという態度はCOP3時点と変わらなかった。
 市民フォーラム2001からの参加者がCOP4期間中に行った主な活動は以下の通り。

●京都会議(COP3)以後の日本政府の動態を知らせるニュースレター "Global Warming Research Newsletter Nov. 1998 : Aspects of the Japanese Environmental Policy After COP3 (Kyoto Conference)" を会場で配布(約1500部)。
●AANEA(東アジア大気行動ネットワーク)主催のワークショップ「Atmospheric Environmental Problems and Policy in East Asia by AANEA」でのコーディネーター担当(朴)
 日本・韓国・台湾・香港などアジアのNGO関係者、欧州のNGO関係者、マスコミなど約60名の参加者と共に議論を行った。また、COP3で配布した2001温暖化研究会のニュースレターの内容について、朴から報告を行った。


東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)第四回総会への参加

【期間】1998年9月25〜27日
【場所】台北市(台湾)
【担当者】朴 恵淑(地球温暖化研究会代表)
【背景・内容】
 「東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)」は95年8月に設立された民間の環境ネットワークであり、大気汚染・酸性雨・気候変動の分野で活動している。現在、韓国・中国・台湾・日本・香港・モンゴル・極東ロシアの7ヶ国・地域の環境NGO17団体が参加している。朴が1997年1月より運営委員として協力している。
 第四回総会では、東アジアの温室効果ガス・大気汚染物質の排出状況の報告、COP3以後の各国の環境政策の動向に関する公開シンポジウム、大気問題に関する東アジアの市民の認識度の調査についての発表などが行われた。公開シンポジウムでは、朴が、COP3後の日本の政策について講演。また、AANEAの今後の展開について話し合う会議では報告者を務めた。最後にAANEA宣言文を採択して閉会。


東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)主催ワークショップへの参加

【期間】1998年12月4日〜7日
【主催】東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)
【場所】中国・北京大学環境科学センター
【担当者】米本昌平(理事)、住野節子(共同代表)、朴 恵淑(温暖化研究会代表)
【背景・内容】
 東アジアの大気汚染および酸性雨に関する情報交換、市民への啓蒙を目的に、日本・中国・韓国の研究者24名が集って開催された。朴は「東アジアの越境性大気汚染の実態と国際協力のあり方」について発表。
 99年度から酸性雨の実態調査と具体的な提言を行い、2000年に開催される国際酸性雨学会で報告することが決まった。


気候変動枠組条約事務局によるNGOヒアリングへの参加

【期間】1998年11月3日
【担当者】畑 直之(活動委員)
【場所】霞ヶ関5号庁舎別館804号室
【背景・内容】
 日本政府が97年11月に条約事務局に提出した第二回国別報告書についての、条約事務局のレビューチームによる詳細審査が、11月30日〜12月4日に東京で行われた。その一環としてのNGOへのヒアリングにおいて、畑が「税財政を中心とする政策・措置」について報告を行った。


「日米独エネルギー専門家ネットワーク会議」への参加

【期間】1999年2月21日〜23日
【主催】ベルリン自由大学、ドイツ政府、メリーランド大学
【場所】アメリカ・メリーランド大学
【担当者】住野節子(共同代表)
【背景・内容】
 同会議はもともとエネルギー問題をテーマとしていたが、現在は地球温暖化問題とエネルギーの問題が中心となっており、今回ドイツが参加していたため原発も話題にのぼった。住野は再生可能エネルギーのセクションに参加し、再生可能エネルギーの推進に対する日本政府の建て前と実態について発表した。


定例会・研究会の開催
・5月23日(土)2001地球温暖化研究会ミーティング
・9月19日(土)2001地球温暖化研究会、2001地球温暖化キャンペーン委員会合同勉強会


意見書・プレスリリース
・HFC等3ガス排出対策への意見書(98年5月7日、通産省化学品審議会地球温暖化防止対策部会に提出)
・省エネルギー基準案に対する意見(98年11月13日、総合エネルギー調査会省エネルギー規準部会に提出)
・電気事業審議会基本政策部会報告(案)及び電気事業審議会料金制度部会中間報告(案)に対する意見書(1998年11月、電気事業審議会基本政策部会・料金制度部会に提出)
・「地球温暖化対策に関する基本方針(素案)」ブロック別ヒアリング(川崎市)での意見発表(99年1月29日)
・「地球温暖化対策に関する基本方針(素案)」に対する意見書(99年1月19日、中央環境審議会企画政策部会に提出)
・「建築物の省エネルギー基準改正案に対する意見」畑 直之(2001地球温暖化研究会)(99年3月5日、資源エネルギー庁石炭・新エネルギー部省エネルギー対策課に提出)


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市民フォーラム2001事務局
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