97年度の活動
【期間】97年9月〜98年2月
【場所】環境パートナーシップオフィス会議室
【担当者】渡辺雅樹、矢部廣志(運営委員)、瀬尾次郎(活動委員)、山際登志夫(SS研メンバー)、岡村宣夫(SS研メンバー)、木村延明(SS研メンバー)
【背景・内容】
循環型の社会に向けて、各分野で最先端の実践活動をされている専門の方に講演をお願いした。参加者は、実施例や、今後の取り組みについての具体的な計画の講演を参考にし、転換していく企業活動のあり方を討議し学んだ。講演終了後の懇親会でも興味深い議論ができた。6回通しで募集し、約40名が参加。各回のテーマと講師は以下の通り。
〈講座テーマ〉「循環型社会へ向けての転換と企業活動」
・第1回(9月17日)「循環型社会へ向けての世界と日本の動向」青山俊介(エックス都市研究所)
・第2回(10月8日)「風力発電の普及と企業への波及」小島剛(エコロジーコーポレーション)
・第3回(11月12日)「エコロジー循環型のまちづくり」岡崎春雄(荏原製作所)
・第4回(12月12日)「マルチメディア社会とクリーンエネルギー」佐鹿康夫(NTT)
・第5回(1月14日)「CO2削減に向けての取り組み」小島文毅(トヨタ自動車)
・第6回(2月18日)「循環型社会・大江戸えねるぎー事情」石川英輔
【期間】97年4月〜97年11月
【担当者】渡辺雅樹、矢部廣志、瀬尾次郎(活動委員)、山際登志夫、岡村宣夫、木村延明、歌川学(活動委員)、赤壁毅彦(活動委員)、高木史人(活動委員)。その他、専門家の協力参加を得た。
【背景・内容】
経団連が97年7月にとりまとめた36業界の「環境自主行動計画」について、温暖化防止に向けての取り組みを市民の視点から検証。97年4月より97年10月まで通算10回の研究会を重ねて、報告書にまとめた。報告書は97年11月1日に発行(A4版61ページ、300部)、関係団体、報道関係者に送付した。
研究のポイントとして、公平性を保つために、「客観性のある評価の尺度」を設定し、取り組みが進んでいる業界と遅れている業界を分かり易い形で表した。また、温暖化の防止に役立つ施策を評価の対象に組み入れるように努力した。そのために、CO2削減の目標数値の設定を主な尺度とし、あわせて下記を加点評価した。
1. 他の業界のユーザーへの波及効果を削減努力として組み入れる(例 自動車の燃費)
2. 海外産業への貢献(例 途上国への省エネ技術協力の計画)
3. クリーンエネルギーの普及への貢献(例 太陽光発電装置の率先導入)
4. CO2固定、植林事業への率先取り組み(例 遊休地への植林、造林)
これらの課題は、COP3でも討議の対象となっており、今後COP4に向けて重要な検討対象となると思われる。NGOでも掘り下げた議論を行うことが必要である。時間、基本資料の不足から、以下の項目については重要ではあるがとりあえず先送りした。これは今後の課題として取り組む予定。
1. 1990年以前に努力した企業(業界)、国の差異化はどのようにするべきか。
2. 削減目標値で評価尺度を設定すると、生産を海外に移転して削減したことになる。輸入品の評価と含めて、公正な評価尺度が必要になってくる。
3. 企業活動の情報公開をどこまで義務づけるか?自主行動計画も立てず、ただ乗りしている事業者に対してどうするのか?
今後、各方面からの反響を掴み、98年度の研究の重点をどこにおいて展開するかを討議する。
【背景・内容】
国の関与する大型事業の環境影響の評価手続きは、これまで閣議決定による行政指導(閣議アセスとする)により行われてきたが、97年6月に環境影響評価法が成立した。11月には「基本的事項」が環境庁により告示された。各省庁はこれに基づいて、実際の運用のもとになる「技術指針」を作成しており、98年6月に仮施行、99年4月より施行される予定である。
日本の環境影響評価は、建設を前提にしており修正がきかない、代替案がなく環境基準までは汚染が許される、第三者機関がなく公平な審査が行われない、事後評価がなく誤った評価が修正されない、などの批判があり、公害道路や各種乱開発も止められなかった。環境法制プロジェクトでは、6月9日に、アセス法案に対し答申からの後退を憂慮する声明の発表や、意見書提出などの対応を行った。
環境影響評価法には代替案や事後調査に道を開く規定が入ったが、一方で自治体独自の諸手続きが抑えられる可能性があり、さらに具体的運用基準は各省庁の「技術指針」に委ねられており、その結果運用が変更されないことが懸念される。
なお、97年12月にはスクリーニング(簡易審査)の規模を定める政令が策定された。従来の要綱アセスでは対象事業の規模要件が巨大であり(例えば廃棄物処分場や埋立は平均事業規模の14〜20倍ないとアセスをしない)、廃棄物処分場や埋立は99%以上の事業、ダム、空港や土地区画整理等も7割以上の事業がアセスを免除されてきた。アセス法制定により、必ず評価を実施する大規模な事業(第一種事業)、事前にスクリーニングを行う中規模の事業(第二種事業)、アセスを一切行わない小規模の事業、に分類してアセス手続きをとるかを判断する制度になった。しかし、第一種事業の規模は従来通り巨大なまま変更がなく、第二種事業の規模はその75%と定められたため、道路や発電所など一部以外の大半の事業では今後もアセスは行われない。
【期間】97年5月6日
【背景・内容】
道路建設は、年間15兆円(国民一人当たり年間13万円、4人家族で50万円の負担)を使う最大の公共事業であり、また地球温暖化防止や大気汚染防止に逆行する環境破壊の代表格である。この巨大な財政計画は「道路整備五ヵ年計画」として閣議決定され、計画が国会に諮られることはなく、予算が国会で詳しく議論されることもない。
第11次道路整備五ヵ年計画(1993〜1997年度)が終了するのを受け、道路審議会は次期計画に向けてアンケート形式で意見書を求めた。市民フォーラム2001環境法制プロジェクトでは、道路建設の縮小と鉄道・船舶との交通政策の総合調整や、巨大計画を裏付ける道路特定財源(ガソリン税収など5兆円)を一般会計に戻すことなどを求める意見書を提出した。
一方、政府与党議員からなる財政構造改革会議(議長:橋本首相)では、財政を圧迫している公共事業が中心課題になった。環境法制プロジェクトでは道路はすでに過剰であり、予算の大幅圧縮が可能とのキャンペーンを実施した。しかし、族議員の抵抗で、最終答申には公共事業の7%削減が盛り込まれるに留まった。
新たな道路計画は、道路建設の続行を求める道路審議会建議が昨年示され、他の諸計画が圧縮される中、5年間で78兆円(前計画比2兆円増)を使う新道路整備計画が1月30日には閣議決定された。ガソリン税など(年間5兆円)の特別財源も5年間延長されることが決まり、環境保全はもちろん財政再建も対策が先送りされたことになる。
「地球環境保全に向けた東京アクションプラン」中間取りまとめへの意見書
【期間】1998年1月14日
【背景・内容】
東京都は昨年11月に「地球環境保全に向けた東京アクションプラン」の中間とりまとめを発表、意見を求た。中間とりまとめは都民がどれだけ行動すると環境保全、とりわけ地球温暖化防止にどれだけ寄与できるかのイメージづくりに力を割いた異色のレポートであった。しかし自治体のアクションプラン制定で重要なのは、住民に一方的な期待感を表明することではなく、これまでの自治体の資源・エネルギー浪費の政策(例えば臨海副都心開発など)を転換し、その上で企業活動、住民生活を環境保全に誘導するために目標をたて、それを裏付ける政策・措置をどのように策定するか、それを住民の意見を十分にいれ、情報を公開しながらどう進めて行くかが重要である。取りまとめに対し、環境法制プロジェクトは1月14日に意見書を提出、数値目標とそれに対応した政策措置を明確にしたアクションプランとすることを求めた。特に地球温暖化防止については、物の移動を基準にすると日本平均の1.5倍のCO2を排出している東京都が、6%を大幅に上回る削減目標を掲げることとし、政策措置として工場・事業所との環境防止協定、エネルギー効率ラベルの導入を提案した。また都の事業者としての役割として温暖化を加速する道路建設・臨海部開発問題を指摘し、都の消費者としての役割として都の発送荷物の共同輸送システムの利用などを提案した。
【期間】1997年5月22日
【場所】フランス・パリOECD本部シャトー
【参加者】佐久間智子
OECD環境大臣会合の勧告にもとづき設置されたこの諮問委員会は、半年間のヒアリングと討議の末、昨年末(11月)にOECD事務局長に宛てた報告書を提出した。この諮問委員会は、米国・世界資源研究所(WRI)所長のジョナサン・ラッシュ(議長)やドイツ・ヴッパタール研究所のエルンスト・ワイツゼッカー、環境文明研究所の加藤三郎(元環境庁)などの環境派から、鉱山会社や「持続可能な開発に関する世界ビジネス諮問委員会(WBCSD)」の代表を含む、政府・企業・研究者・市民団体の代表ら14名の「賢人」で構成され、OECDが「環境」や「持続可能な開発」に関してどのように取り組んで行くべきかについて進言することを任務としていた。
5月22日に行われた環境NGOを対象としたヒアリングでは、「OECDにおける環境政策と経済政策の統合」、「大量消費パターンの変革」、「MAIの持続可能な開発への影響」、「各国レベルでの環境政策と経済・開発政策の統合」などにおいてOECDが果たすべき役割について、報告書に含めるよう、参加したNGOが要請を行った。市民フォーラム2001は特に、当時の行革会議が環境庁を廃統合する方向で議論を進めていたため、経済・開発政策に環境政策を統合する必要性と、環境庁の役割の重要性についての主張を行った。
11月に提出されたOECD事務局長宛の報告書の中では、自然のシステムと経済システムが調和できなければ、環境と経済の両方が多大な被害を被るとし、OECDに持続可能な開発を促進する先導的役割を求め、実現のための指針を示している。
国連持続可能開発委員会第5回会合(CSD5)への参加
【期間】1997年4月7日〜25日
【担当者】佐久間智子、大澤晶子
【背景・内容】
CSD(Commission on Sustainable Development:国連持続可能開発委員会)とは、国連経済社会理事会(ECOSOC)の下にある委員会の一つであり、1992年6月に開かれた「国連環境開発会議(地球サミット)」で取り決められた二つの条約と行動計画「アジェンダ21」の実施・促進を監視することを目的に設立された。年次会合は毎年4月頃に約3週間、ニューヨークの国連本部で開催される。今年の会合は、6月下旬に「地球サミットII」と位置づけられる国連環境特別総会(UNGASS)が開かれることから、その準備会合と位置づけられた。
したがってCSD5では、UNGASSで採択されるいくつかの文書(アジェンダ21の進捗状況に関する「UNGASSの結果」「政治宣言」「政策声明」など)についての検討と、UNGASSで結論が出される、CSDの今後の作業計画・「森林に関する政府間パネル(IPF)」からの報告書・IPFの今後についての議論が行われた。また、メジャーグループとの対話セッションが開催され、青年・先住民・女性・NGO・農民・産業界などが国連や各国政府代表に対してそれぞれの意見を伝えた。
CSD6に先だち、アジェンダ21の各国での取り組みを評価するカントリープロファイルが、各国政府からCSD事務局に提出された。市民フォーラム2001は、日本政府のカントリープロファイルについて、他のNGOと協力して分析レポートを作成し、CSD5および国連特別総会で配布した。レポートで評価したテーマおよび担当者は以下の通り。「環境と貿易、持続可能な開発(アジェンダ第2,4章に関連)」、佐久間智子(2001事務局)、「貧困の撲滅(同第3章)」越田清和(アジア太平洋資料センター)、「人間の健康の保護と促進(同第6章)」(公害・地球環境問題懇談会)、「大気保全(同9章)」(2001温暖化研究会)、「先住民およびその社会の役割の認識および強化(第26章)」苑原俊明(2001会員)、「非政府組織の役割強化(同第27章)」越田清和(アジア太平洋資料センター)、「開発途上国における能力開発のための国のメカニズムおよび国際協力(同第37章)」(2001環境法制プロジェクト)、「意思決定のための情報(同第40章)」(公害・地球環境問題懇談会)。
CSD5を見渡した限りにおいてはCSDにおけるNGOの活動は明らかに盛り下がっていた。それは、世界貿易機関の貿易環境委員会(WTO/CTE)や、OECDでの多国間貿易協定(MAI)交渉、森林に関する政府間パネル(IPF)、気候変動枠組条約、生物多様性条約など、CSDの外で重要なテーマが扱われるようになったためである。それぞれのテーマに関わるNGOがそちらをフォローすることに忙しくなり、影響力の少ないCSDへの参加の度合いが低まっているからである。今後5年間(1998-2002)のCSDでは、今までの5年間のようにアジェンダ21全体の進捗状況をレビューするのではなく、分野横断的(クロスセクトラル)イシューでは「消費」と「貧困」、個別分野(セクトラル)イシューでは「淡水」や「海洋」「大気」など、焦点を絞って討議していくことが決まった。
【期間】1997年5月11日〜5月13日
【参加者】井草清志(市民フォーラム2001「環境と貿易」研究会メンバー)
ADB(アジア開発銀行)は、各加盟国から出資された資本金を基に、加盟開発途上国や民間企業に対し、貸付や技術援助を行う多国間開発銀行(MDBs)のひとつ。日本は設立以来最大の出資国であり、歴代のADB総裁は日本人であるなど、日本とのつながりは非常に深い。ADBの年次総会にはNGOが過去数十年にわたってオブザーバー参加しており、ADBの政策について、行内の担当者や各国政府代表団と会合を設け、政策提言を行ってきている。
今年の年次総会は、ADBの設立30周年記念をかねて福岡市で開催され、56の国および地域からの3000名以上もの関係者が参加した。NGO側のフォーラムとして「ADB福岡総会NGOフォーラム実行委員会」(事務局:福岡)が設立され、アジア・太平洋地域のNGOへ補助や、事前の学習会、市民集会、総会期間中の会合のセッティングなどにあたった。市民フォーラム2001は実行委員会に参加し、期間中には2001「環境と貿易」研究会メンバーの井草氏が出席した。
ADB総裁はスピーチで、アジア諸国の経済発展にADBが少なからず貢献したと強調したが、その反面、アジアではいまも約10億人もの人々が絶対的貧困に喘いでいる。ADBは市場経済に立脚した欧米型の経済発展モデルを第三世界にも導入し、経済成長によって貧困を解消しようとしているが、途上国ではその前提であるマーケット・メカニズムが機能するための条件を満たしている国は多くない。また民主主義が不十分である国では、民間資本の導入、活用は所得格差を増大させ、環境破壊を促進する恐れがたぶんにある。したがって欧米型の経済モデルを画一的に適用するのではなく、各国、各地域の実情に即したオルタナティブな援助政策を実施すべきだと思われる。
期間中、総裁とNGOとの直接対論をはじめADB職員や大蔵省の担当者とのシンポジウムや対談の機会が何回もあり、NGOに相当配慮していた。しかし、政策担当者との直接対談は、NGOからのご意見拝聴に終始しており、政策決定にNGOの意見が反映されるようにシステムそのものを変更するべきであると感じられた。
【期間】1997年4月〜1998年3月
【担当者】佐久間智子、大澤晶子、田中徹二
【内容】
A4サイズ12〜24ページのニュースレターを年間10回発行し、会員、NGO、その他関係者に配布。国内外の環境・開発問題についての最新情報の提供やNGOの視点からの分析、また2001の活動報告、イベント案内を行った。各回の特集は、「検証・地球サミットから5年(20号)」「資本が世界を席巻する!(22号)」、「今、公共事業を再考する(23号)」「内分泌撹乱物質−脅かされる生殖機能(25号)」など。
ホームページの開設
【期間】1997年12月〜1998年3月
【担当者】大澤晶子
【内容】
96年5月頃から開設されていたが、あまり利用していなかった、VCOM/GOODプロジェクト上のホームページの更新を開始。各プロジェクトの紹介やイベント案内のほか、キャンペーンのページ、2001の発表文書の掲載、書籍販売のページを設けている。(URL=
http://pf2001jp.vcom.or.jp/)
VCOMは、阪神・淡路大震災をきっかけに慶応大学の金子郁容教授を中心に結成された実証研究プロジェクトで、インターネットなどの通信ネットワークを介した「情報コミュニティ」作りを通じて多様な社会の実現に向けての新しい社会システムのモデル作りを目指し、多くのNGOのホームページ開設を支援している。GOODはVCOMの中のNPO関連と環境の情報提供グループである。
【期間】1997年4月〜1997年12月
【場所】文京シビックセンター
【担当者】佐久間智子、大澤晶子
【背景・内容】
前期(4月〜7月)には「地球温暖化・エネルギー問題入門」、後期(9月〜12月)には「地球温暖化・エネルギー問題入門」(再開)と「環境・食の安全と貿易自由化」の計三本を開講(全7〜8回、隔週水曜日18:30〜21:00)。それぞれNGO関係者、マスコミ関係者、市民など40名前後が参加した。各講座のタイトル、講師は以下の通り。
『地球温暖化・エネルギー問題入門』
「地球温暖化問題の全容〜気候変動とは何か」朴恵淑(三重大学)、「温暖化と国際政治」米本昌平(三菱科学生命科学研究所)、「脱クルマ社会〜永続的交通を求めて」上岡直見(脱クルマフォーラム)、
「みんなで考え、実行する!温暖化防止行動計画」川島康子(国立環境研究所)、「原子力発電をめぐる世界の動き、日本の選択」長谷川公一(東北大学)、
「日本社会の縮図としてのダム」鷲見一夫(新潟大学)、「新エネルギーの挑戦」牛山泉(足利工業大学)
『環境・食の安全と貿易自由化』
「日本の資源と食べ物はどこから来ているか」田中優(市民フォーラム2001)、「1947モ1995:貿易自由化50年の歴史」佐分晴夫(名古屋大学)、「日本の一次産業の未来」大野和興(農業ジャーナリスト)、
「日本人の食・アジアの環境」村井吉敬(上智大学)、
「多国籍企業の新しいビジネス:遺伝子組み換え作物」天笠啓祐(ジャーナリスト)、「ハーモナイゼーションと消費者の知る権利」安田節子(日本消費者連盟)・「新しい農業を求めて−世界の農家と消費者の挑戦」伊庭みか子(安全な食と環境を考えるネットワーク)、「持続可能な社会のビジョン−食と消費の未来」古沢広祐(國學院大學)
来年度以降も様々なテーマの連続講座を開講する予定。
【期間】1997年5月〜1998年2月
【担当者】佐久間智子、大澤晶子、古沢広祐
【背景・内容】
マスメディアでは取り上げられることの少ない、途上国・先進国のNGOの独自の視点による分析を日本の市民に紹介することを目的に、今年度からブックレット・シリーズの発行を開始。今年度は8月と2月にそれぞれ2冊、計4冊を発行し、関係市民団体やマスコミ関係者、研究者に配布した。タイトルと著者・翻訳監修者は以下の通り。
ブックレット@「APECと環境」(著:ウォルデン・ベロー(Focus on the global South)
A「グローバリゼーション−進む環境破壊、広がる格差」(マーティン・コー(第三世界ネットワーク)、2月にB「生命の所有権−特許と倫理が衝突するとき」(著:マーティン・テイテル、ホープ・シャンド 翻訳監修:戸田清)、C「農業貿易と食料安全保障−食料自給崩壊のメカニズム」(著:ケビン・ワトキンズ(オックスファム
UK/アイルランド 翻訳監修:古沢広祐)、共にA5版80〜130ページ。
【期間】97年6月6日
【場所】文京シビックセンター シルバーホール
【担当者】岩崎駿介、住野節子、佐久間智子
【背景・内容】
地球サミットから5年目である97年6月、ニューヨーク国連本部で国連環境特別総会が開催され、地球サミット以降に達成された進展の評価が行われた。日本のNGOの視点から地球サミット以降5年間の評価を行い、政府関係者との討議を行うことを目的に、シンポジウムを開催した。シンポジウム実行委員会には、地球サミット以降の環境・開発関連の国際会議に対応するために設立されたNGOネットワーク5団体(市民フォーラム2001、社会発展サミットNGOフォーラム、ハビタット日本NGOネットワーク、北京JAC、女性と健康ネットワーク)および関連するNGO(市民外交センター、「環境・持続社会」研究センター(JACSES)、熱帯林行動ネットワーク)が参加した。シンポジウムのプログラムは以下の通り。
「NGOネットワークによる5年間の評価」越田清和(社会発展サミットNGOフォーラム、アジア太平洋資料センター)、羽後静子(北京JAC)、佐久間
「政府からの報告:事態はなぜ改善されないのか」竹内恒夫(環境庁環境保全活動推進室)
「ディスカッション」岩崎駿介(共同代表)、武者小路公秀(明治学院大学国際平和研究所)
【期間】97年4月〜98年1月
【担当者】中村正子(活動委員)
【背景・内容】
欧州のアクションプラン、「持続可能なヨーロッパ」プロジェクトを参考に進めてきた「ともに生きる地球」プロジェクトには、「環境・持続社会」研究センター、地球の友、国際理解教育センター(ERIC)、市民フォーラム2001が参加しきた。過去2年、日本にあてはめた環境スペース(★)算出のための研究会を月数回のペースで行ってきたが、欧州の指標をそのまま取り入れるのではなく、より長期的に研究を行い日本の独自のインディケーターを創り出したいという考えが参加メンバーの一部から出されたことで、98年1月にプロジェクトの発展的解消がなされた。
★環境スペース:来の世代の資源利用の権利を犯さない限りでどの程度のエネルギー、水、その他資源の利用や消費活動、そして環境汚染が許されるのか、世界中の人々が公平に持ちうるその許容限度を算定した値。
【期限】1997年4月〜1998年3月
【場所】環境パートナーシップオフィス
【担当者】田中優
【背景・内容】
「パートナーシッププラザ協議会」は、環境庁が96年に青山に開設した「地球環境パートナーシッププラザ」の運営・執行を行う機関であり、市民フォーラム2001では前年度より引き続きNGOの立場から参加した。今年度の協議会は5月29日と10月13日のわずか2回。議論は未だに「パートナーシッププラザの方向性」に集中し、構造の危うさを感じさせられたが、それは、この事業が市民・NGOと行政、企業の三者の共同事業でありながら、方向性が「市民社会の実現」にあるためであろう。現在も、「パートナーシップの事例紹介」や「NGO育成のための講座」など、いくつかの事業が継続中であるが、東京に位置していながら全国的な活動が求められていることがジレンマとなって、プラザの事業はかなりの困難を伴っている。「NPO法」の成立などもあり、今後ますますその役割に対する期待が高まる中、さまざまなセクター、さまざまな意見から構成されている協議会は、これからも今以上に「市民社会の実現」を貫き通さなければならない。その立場の意見発信者として、2001の役割は増すものと思われる。
【期間】97年4月1日
【場所】文京シビックセンター会議室
【担当者】佐久間智子
【背景・内容】
APR(農村社会司教運動)はブラジル中部のミナスジェライス州を中心に、地域の生態系保全、小農民の生活向上のための農業技術の普及などを中心に活動しているNGO。今回、APRのコーディネーターであるホドリゴ・ペレ氏と土壌専門家のマルセロ・ソウザ氏が、3月末より1カ月来日したのを受けて、日本ブラジルネットワークと共催で懇談会を開催した。懇談会では、両氏よりブラジルの農民運動の現状と日本のODAによる当地での大規模開発の問題について報告を行い、環境と貿易を巡る議論、投資自由化、食料安全保障と市民運動などにテーマについて討議した。
【期間】1997年5月21日〜22日
【場所】青森県野辺地市
【担当者】田中優(共同代表)
【背景・内容】
毎年行われている「環境自治体会議」(事務局:アースデイ)は年々盛況となり、今回は全国から400人程度の人々が参加した。参加者は自治体首長及び労働組合関係者、自治体関係者、NGO関係者などであり、内容も通常の自治体主催の会議では考えられないほど主体性と独創性に満ちたものであった。
12月に京都会議を予定していたこともあり、自然エネルギーの可能性が重要なテーマとして注目された。自然エネルギー事業協同組合REXTAのメンバーがコーディネートした自然エネルギー分科会では、山形県立川町の風力発電の取り組みや、太陽光発電を主体にしたまちづくりの事例紹介などが行われた。さらに企業とのパートナーシップの事例として、田中優が「自然エネルギー推進市民フォーラム(REPP)」について発言し、「地域内での資金循環」などについて質問を受けた。またバイオガスによる畜産し尿の利用などについてREXTAの桑原氏が紹介し、畜産廃棄物に困っている自治体からの質問が集中した。狭い視野に陥りがちな自治体の環境事業を活性化するには、どのような方法があるのか知らせることが有効であり、NGOの情報を伝え、互いに話し合えるこのような機会を持つことは有益である。