200196年度活動報告

96年度の活動


活動の3つの柱

  地球温暖化を巡る動き  「環境と貿易」プロジェクト  環境教育プロジェクト

研究会の活動

  エネルギー研究会  森林政策勉強会  持続可能社会研究会  環境と金融研究会

国際会議への参加

その他の活動



活動の3つの柱


地球温暖化を巡る動き

 

 地球温暖化問題は、地球環境問題の中でも、目に見えないが深刻な被害をもたらす問題の一つである。温室効果ガスの代表であるCO2排出は化石燃料消費と直結しており、社会・経済全体を地球温暖化防止を前提に転換することが求められている。

今年(97年)12月には京都で気候サミット97(気候変動枠組条約第3回締約国会議:FCCC/COP3)が開催され、先進国の2000年以降の温暖化防止対策強化を定めた議定書を採択することが決められている。既にAOSIS(小規模島嶼国連合)案(先進国は2005年までにCO2排出量を90年レベルより20%削減するという内容。世界のNGOが支持)、EU案(CO2削減のための政策と措置の組合せ)が示され、実効性のある削減議定書採択へ議長国日本のリーダーシップが求められている。しかし、日本政府は12月に、一人当たり排出量と排出総量の2つを指標とし、都合のよい方を選ぶという提案を行なった。議長国の態度として大いに疑問である。

 国内では「地球温暖化防止行動計画」(2000年までに1人当たりCO2排出量を1990年レベルに安定化)に反し、95年までにCO2排出量は総量で8%(1人当たりは7%)も増加した。CO2削減のための抜本的政策転換と、着実に実行するシステムが求められている。

 条約やこれに対応する国内の政策と措置について、利害関係から離れた公平な立場で市民・NGOが政策立案に参加し、また世論を盛り上げることが求められる。市民フォーラム2001では、地球温暖化研究会を中心に地球温暖化問題について取り組んできた。96年度の主な活動は以下の通りである。

 

◆「気候フォーラム」への参加

【期間】96年11月〜

【担当者】岩崎駿介(共同代表)、畑直之(活動委員、温暖化研)

【背景・内容】

 地球温暖化防止のための気候サミット97(気候変動枠組条約第3回締約国会議:FCCC/COP3)が、97年12月1日〜12日に京都で開催され、2年前の条約会議の約束である「ベルリンマンデート」に従い、2000年以降の先進国の温暖化防止対策強化を定める議定書を採択する。「ベルリンマンデート」の採択に当たっては、ドイツのNGOが「クリマフォーラム」を結成してドイツ世論を盛り上げ、また途上国を含む世界の環境NGOが結集し、地球市民として活動した。

 そこで、温暖化防止を求める世論の形成と、海外、特に途上国のNGOの受入れ支援を通じ「気候サミット」で法的拘束力ある削減議定書を採択することを目的に、NGOと市民のネットワーク組織「気候フォーラム」が、昨年12月1日に運営委員38団体41名で発足した(事務局長:浅岡美恵・環境市民代表)。発足日にはシンポジウムを開催し(京都・大谷大学)、松岡譲氏(名古屋大学)やウーリク・ヴィール氏(クリマフォーラム)等の講演、各団体のリレートークや石井道子環境庁長官の挨拶が行われ、約300名が参加した。

 市民フォーラム2001は温暖化研究会メンバーを中心に、他のNGOと共に、政府との交渉やマスコミ対応、気候フォーラム準備会としての条約会議参加など、気候フォーラム発足に向けた準備に協力してきた。発足後の現在は、気候フォーラム常任運営委員を務める畑直之(活動委員)と岩崎駿介(共同代表)の2人が担当者となっており、「気候フォーラムの要求」やパンフレット作成など多くのワーキング・グループに参加し、取りまとめにも当たっている。

 気候フォーラムでは、3月末には海外のNGO代表や条約事務局等を招いてワークショップや市民向けシンポなどを開催し、4月22日のアースデイには全国で温暖化防止の行動を呼びかけた。また、条約会議100日前にあたる8月23日には100日前行動を全国で開催する。さらに、会議前日の11月30日には1日前行動を京都で実施、「気候サミット」開催中も様々な活動を展開する。同フォーラムでは同時に、温暖化防止の世論形成のため、幾つかのプロジェクトを組織している。すでに温暖化問題やその防止の意義を広めるスライド集を作成し、貸出と販売を全国で行っているほか、環境教育の成果を取り入れた普及教材を作成している。あわせてエネルギーやごみなど各分野、条約交渉の紹介等のパンフレット等を発行する予定で、現在参加NGOが分担して作成にあたっている。


◆ 国際会議への参加

○気候変動枠組み条約第2回締約国会議(COP2)への参加

【期間】96年7月8日〜19日

【場所】ジュネーブ

【参加者】米本昌平(理事)、住野節子(共同代表)、朴恵淑(活動委員)、大久保

彩子(温暖化研究会)、石井敦(温暖化研究会)、沖村理史(温暖化研究会)

【背景・内容】

 リオデジャネイロで署名された気候変動枠組条約は、2000年までの先進国の努力目標を定めたが、具体的な政策目標は宿題とされた。1995年にベルリンで開かれた第1回締約国会議(COP1)では、具体的な政策目標を盛り込んだ議定書案が小規模島嶼国連合(AOSIS)から出され、環境NGOにも支持されたが、会議での採択は行われなかった。そのかわり第3回締約国会議(COP3;97年末に京都で開催されることが決定)を期限として議定書の交渉を開始するとする、通称ベルリンマンデートが採択された。

 COP2では議定書の内容について議論は行われたものの、法的拘束力のある議定書を目指すという決定を除いては、目にみえる成果は見られず、各国による様子見の議論が行われた。しかしもう一つの大きな問題である、科学的知見の条約への取り込みに関しては、産油国及びロシアが反対に回ったものの、IPCC第二次報告書(SAR)を気候変動問題に関する最も権威ある最良の科学的評価と位置づけた。つまり、「大気中の温室効果ガスの濃度が引き続き上昇することによって、気候システムや気温に対して深刻な影響を与える」という指摘を認識することとなった。ただし、この報告書にかかれている「気候変動防止に向けて差し迫った活動が必要である」という点に関しては、産油国及びロシアが決議の中に取り上げることに対して反対に回り、決議には盛り込まれなかった。

 

○ベルリンマンデート・アドホックグループ

 第5回会合(AGBM5)への参加

【期間】96年12月9日〜12日

【場所】ジュネーブ

【参加者】米本昌平(温暖化研)、大久保彩子(温暖化研)、沖村理史(温暖化研)

【背景】

 ベルリンマンデート・アドホックグループ会合(AGBM)では、特に先進諸国の2000年以降の気候変動対策について規定する議定書の内容について交渉が行われており、議定書は、97年12月の京都での第3回締約国会議(COP3)で採択されることになっている。今回の第5回会合では、各締約国から提出された議定書案などをもとに、温室効果ガス削減または抑制の数値目標、政策措置、その他の議定書に含まれるべき要素について各国の提案、主張がなされた。日本政府は議定書案で、数値目標について、各締約国が一人当たりの排出量をpトン以下にするか、国全体の排出量をq%削減するかのどちらかを選択することを提案し、環境NGOから、2つの選択肢の理論的な非整合性や、温室効果ガスの「相当の削減」を担保しない可能性があるなどの問題点が指摘された。また米国は、長期的目標と排出権取引の導入(各国に温室効果ガスの排出許可量を割当て、その権利の国家間の売買、将来への貯蓄や将来からの前借りができる)を提案したが、これについてもNGOから多くの批判を浴びた。また、先進諸国の対策の強化が途上国に及ぼす影響についての非公式会合では、先進国が積極的な対策を講じることによる経済的悪影響を懸念する産油国と、反対に先進国が対策を講じないことからの悪影響を訴えるAOSIS諸国に、途上国の意見が真っ二つに割れることになった。結局、何をどのように京都議定書としてまとめていくかについての実質的な議論は今後の会合に先延ばしにされた。

 

○ベルリンマンデート・アドホックグループ

 第6回会合(AGBM6)への参加

【期間】97年3月3日〜7日

【場所】ジュネーブ

【参加者】米本昌平(温暖化研)、大久保彩子(温暖化研)、沖村理史(温暖化研)

【背景】

 第6回会合には地球温暖化研究会から3名がオブザーバーとして参加。EUは今回、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素の排出量を2010年までに1990年レベルから15%削減する、という具体的な数値を示した。日本、米国など他の先進諸国が未だにはっきりとした削減目標を打ち出せていない中、こうしたEUの積極的な姿勢は、「削減に向けた議定書交渉を前進させていく」という意味では、多くの環境NGOからも評価されているといえるだろう。とはいえ、2005年までの早期削減目標が示されていないなど、不十分な点も残った。

 一方米国は、議定書案の中で国際的な排出権取引を提案。これによると、まず各国には排出許容量(「排出バジェット」)が割当てられ、例えば実際の排出量がこの割当てを超えてしまった国は、他国から排出権を買い取ったり、将来から前借りできる。この排出権取引制度について当研究会は、「現代文明の運命を市場メカニズムに委ねてよいのか? 」と題したニュースレターをAGBMの場で発行し、この制度が政治的・倫理的・思想的に大きな問題をはらんでいることを指摘した。つまり、排出権の初期割当てやモニタリングが困難なことはもちろん、将来、途上国の排出権を先進国が買いあさるという事態になれば南北間の公平はどうなるのか?また、「排出権の前借り」は将来世代のエネルギー使用権を使ってしまうことになるが、世代間の公平はどうなるのか?などの問題である。

 今まで、各締約国から議定書に関する様々な提案がなされてきたが、今回の会合は、それらの提案を要素ごとに整理整頓した文書が、交渉テキスト作成のための「議長草案」として採択されて終わり、実質的な交渉はまたまた先送りとなった。

 

◆ 国内での活動

【担当者】朴恵淑(活動委員)、米本昌平(理事)、住野節子(共同代表)、畑直之

(活動委員)、歌川学(活動委員)、吉村純(温暖化研究会)、沖村理史(温暖化研

究会)、大久保彩子(温暖化研究会)、石井敦(温暖化研究会)

 

○報告会

 毎月実施する定例会では、その時々の話題(例えば1月はアメリカの議定書提案)の紹介と分析などを行っている。他に条約会議後は必ず報告会を開催、地球温暖化問題をまとめた報告会などを開催した。主なものを以下に示す。

 

・講演会「地球温暖化とは何か」

 6月30日(土)東京・飯田橋のいきいきらいふ推進センターで開催。講師は朴恵淑ほか。参加者70名

・第2回締約国会議(COP2)報告会

 9月12日(土)東京・青山の東京ウィメンズプラザで開催。講師は環境庁、通産省担当室長と沖村(温暖化研)ほか、参加者60名。

・AGBM5報告会

 12月22日(土)東京ウィメンズプラザ(東京・青山)で開催。講師に環境庁中尾主査と沖村(温暖化研究会)ほか。参加者60名。

・AGBM6報告会

 3月24日(月)東京ウィメンズプラザ(東京・青山)にて開催。講師に環境庁、通産省、環境NGOから数名。

 

○研究会・プロジェクトなど

 議定書の要素や経済的手法、排出権取引など幾つかのテーマについて研究会やプロジェクトチームを編成、分析を行ってきた。主な研究会と外部発表を以下に示す。

 

・議定書研究会

 議定書要素・主要な論点(削減目標と達成期限、法的拘束力、差異化等)について分析、討議を行った。また、日本政府議定書案の効果分析を行い、基準となる一人当たり排出量を日本の現状程度にすると多くの先進国が排出削減義務を免れることを示した。外部発表:AGBM5(ジュネーブ12月)、AGBM6(ボン3月)、定例会報告(1月)、記者発表(12月)

・経済的手法検討会

 95年度「温暖化『関連』施策」(総額11兆円)を分析、道路建設が4分の3を占めるなど、温暖化防止に逆行する予算が大半を占め、効果があるものは1割以下、新たに追加された施策は1%以下であることを明らかにし、レポートにまとめた。外部発表:AGBM5(ジュネーブ12月)、定例会報告(2月)、記者発表(6月)、雑誌(投稿中)

 

◆ その他の報告・発表など

・環境基本計画への意見書(4月)

・環境庁長官への要請書(4月、他のNGOと共同)

・CAN(Climate Action Network)へのレポート(6月、他のNGOと共同)

・国会議員向け勉強会(6月、他のNGOと共同)

・環境庁長官への要請書(7月、他のNGOと共同)

・地球温暖化特別委員会(環境庁長官の諮問機関)に意見書提出(10月)

・条約事務局への国別報告への意見書提出(3月予定)

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環境と貿易プロジェクト

 

世界貿易機関 (WTO) やアジア太平洋経済協力 (APEC) 会議などが押し進めている現在の「貿易の自由化」は、結果として土壌の疲弊や森林消失などの環境劣化を加速し、南北格差を広げ、人々の生活や文化の多様性を蝕んでいる。96年度の「環境と貿易」プロジェクトでは、環境の視点をとり入れた具体的な代案を提示することを目的に、研究会を連続的に開催する一方、市民一人ひとりがこの問題を理解し、行動につなげていくための参加型ワークショップを行った。

 

◆「環境と貿易」研究会の開催

【期間】96年5月〜96年12月(毎月一回開催)

【場所】文京シビックセンター、環境パートナーシップオフィスほか

【担当者】田中優(共同代表)、斉藤誠(運営委員)、渡辺雅樹(運営委員)、古沢広祐(活動委員)、小倉正(活動委員)、佐久間智子(事務局)ほか

【内容】

テーマ:「環境の視点から日本の通商政策を考える」

 世界の貿易・投資・援助などの流れや関連の国際的取決めの実態と、それに伴って起きている悪影響を概観し、その後に事例や、国際条約・協定を巡る議論について考察。現状と、それを巡る現行の議論について検討した後、必要と思われる諸制度、社会システムのあり方について検討を重ね、最終的に社会ルール(制度、政策)と社会システムに関するビジョンとともに具体的な代案を作り上げることを目指した。

 

・第1回:5月29日(水)18:30〜21:00

 「事実認識−全体構造の概観」

 発題:田中優(市民フォーラム2001共同代表)

・第2回:6月26日(水)18:30〜21:00

 「事例検討−森林問題/農業問題」

 報告:細谷章(日本農業新聞)

 発題:小倉 正(熱帯林行動ネットワーク)他

・第3回:7月24日(水)18:30〜21:00

 「国際取決めを巡る議論−WTO・MEAs」

 講師:佐分晴夫(名古屋大学)他

・第4回:8月28日(水)18:30〜21:00

 「国内環境政策の各国比較と手法の検討」

 講師:畠瀬和志(武蔵野市民行財政懇談会)

・第5回:9月25日(水)18:30〜21:00

 「多国間環境レジームの現状と今後」

 講師:城山英明(東京大学)他

・第6回:10月23日(水)18:30〜21:00

 「論点整理・鳥瞰図再考」

・第7回:11月2日(土)・3日(日) ・合宿

「海外のオルタナティブ検討

・集中討議」 第一日-報告『日本の政策を変えるための戦略』加藤秀樹(構想日本)/今までの討議 のまとめ&ビジョン提案/報告『国際的な議論の動向』古沢広祐 第二日-ビジョン提案の詳細を検討/論点整理/具体的施策の検討/今後の戦略の検討

・第8回:12月4日(水)18:30〜21:00

「関連する国際会議の報告および最終討論」

 報告:古沢広祐(國學院大學)、早川修(環境庁地球環境部)


◆「環境と貿易」ワークショップの開催

【期間】96年5月〜97年2月(全5回)

【場所】環境パートナーシップオフィス、星陵会館ほか

【担当者】佐久間智子(事務局)、大澤晶子(事務局)

【協力】森良(エコ・コミュニケーションセンター)

【参加者】各回10名〜30名

【内容】

 参加者が「環境と貿易」の問題を身近な事例から知り、自分の生活態度や消費行動 を変えることが、環境の改善だけでなく社会に対する意思表示になり得るということ の実感を得ることを目的に、計5回の参加型ワークショップを開催。プログラムの大部 分は、学生を中心とした4名のファシリテーター、環境教育の専門家とともに、オリジ ナルを作成した。

・第一回:7月20日(土)10:00〜16:00

   対象:学生

   テーマ「どんな就職がどんな生き方につながるか」

   プログラム:貿易ゲーム/原発輸出・製紙会社と住民との裁判を題材にしたロールプレイ

・第二回:9月15日(土)10:00〜16:00

   対象:主婦  テーマ「環境にプラスになる行動はどうしたら本当に実行できるか」

   プログラム:「サイクル・リサイクル」/環境にプラスになる行動と、それが出来ない理由の分析/皆が実行するためのアクションプランづくり

・第三回:10月5日(土)10:00〜16:00

   対象:農林水産関係者

   テーマ:「農業・水産業の再生に向けて」

   プログラム:お話「持続可能な社会のビジョン」/農林水産の持つ問題について分析と発表/お話「森づくりフォーラムの試み」

・第四回:1月22日(水)・29日(水)  18:30〜21:00

  対象:企業人

   テーマ:「NGOを斬る!」

   プログラム:NGOを巡る現状と問題分析/NPO活 動プランづくり

・第五回:2月15日(土)10:00〜16:00

   対象:総合(各回の参加者)

   テーマ:「社会を変えるために前向きに主張する」

   プログラム:発表「社会への怒りと、それに対し て自分に出来ること」/怒りの原因・構造・自分の位置の分析・発表


◆「環境と貿易」国際シンポジウム『経済のグローバル化と私たちの食べ物』の開催

【期間】97年1月25日(土)10:00〜17:00

【場所】江戸東京博物館会議室

【担当者】田中優(共同代表)、斉藤誠(運営委員)、渡辺雅樹(運営委員)、古沢 広祐(活動委員)、小倉正(活動委員)、佐久間智子(事務局)

【参加者】約150人

【内容】

 午前の基調報告では、 ウォルデン・ベロー氏(Focus on the Global South)か ら、WTOとAPEC の政治的側面についての報告、田中優(市民フォーラム2001環境 と貿易研究会)から、貿易が引き起こす不均衡問題と環境問題についての報告が行わ れた。午後の パネル「食料・農業分野での自由貿易の影響と市民の活動」では、ヤッ シュ・タンドン氏(ジンバブエ・開発学研究所)から貿易・投資自由化のアフリカへの 影響、ダオ・テ・トゥアン氏(ベトナム農業研究所)から、ベトナムの農業への市場 自由化の影響、伊庭みか子氏(安全な食と環境を考えるネットワーク)からは食料サ ミットで話されたグローバル化を巡る途上国の農家の状況、安田節子氏(日本消費者 連盟)からは遺伝子組み換え作物の問題についての報告が行われた。午前・午後とも に、報告に対して会場からは多数の質問とコメントが寄せられ、この問題に対する参 加者の関心の高さが窺われた。最後に、アピール「これから何ができるか」で、この 問題について行動している国内のNGO8団体から活動紹介と参加の呼びかけが行われ た。  翌26日13:00〜17:00には、海外からのゲストと国内の市民団体・研究者による、 今後の活動についての戦略会議を両国パールホテル会議室にて開催、約30名が参加し た。


◆マニラAPEC市民会議(MPFA:Manila People's Forum on APEC )への参加

【期間】96年11月18日〜23日

【場所】フィリピン(セブ・ダバオ・マニラ)

【参加者】田中優(共同代表)、佐久間智子(事務局)、大澤晶子(事務局)他

【背景・内容】

 95年11月にAPEC大阪会議が開催された際、アジア太平洋地域の約120名の市民・ NGOが京都に集まり、APEC・NGO京都会議が開催された。この会議で採択された「京 都宣言」は「APECが推進する自由市場と貿易自由化のモデルの考え方と枠組みを全会 一致で拒否する」と表明している。MPFAは、この京都会議を継承する会議として 「フィリピン農民研究所」などが中心となって準備が進められ、1996年11月に開催 された。参加者は29ヶ国・308人である。

 11月18日〜20日にはフィリピン各地でテーマごとの6つのプレ・フォーラムが本会 議に先がけて開催され、市民フォーラム2001から参加した田中・佐久間は「経済・社会発展」のフォーラムに、大澤は「環境とエコロジー」のフォーラムに参加。「経 済・社会発展」フォーラムでは、IMF・世銀が途上国に対して融資の条件として実施し てきた「構造調整プログラム」による公的事業の民営化や福祉の切り下げが、今度は 「貿易・投資の自由化」の名のもとにさらに推進されているという認識でほぼ一致 し、各国政府が役割を縮小し、国際機関と多国籍企業に裁量をゆだねることで国民に 対する義務を怠っていることに対する懸念と、それに対する代案が提示された。「環 境とエコロジー」フォーラムでは、農業貿易自由化の影響で農薬・化学肥料の大量使 用、水資源の過剰開発が進み、途上国・先進国の両方で環境悪化が起きていること、 有害廃棄物の輸入によって水質汚染、土壌汚染が発生していることへの懸念が表明さ れた。また、途上国の伝統的な種子の遺伝子や作物の伝統的利用法が多国籍企業に よって特許登録され、独占されることは許されないとの主張がなされた。

 21・22日にはマニラ市内で本会議が開催され、各国の状況のシェアリングを中心 に、活発な議論が行われた。その中で特に議論されたのは、APECプロセスに対する市 民・NGOの関わり方である。APECは経済界とは密接な協力関係にあり、今回もマニラ では経済人によって構成される「APECビジネス諮問委員会(ABAC)」メンバーを中 心に「APECビジネス・フォーラム」が開催され、ラモス大統領も演説を行っている。 一方でフィリピン政府は市民・NGOに対しては抑圧的であり、APECの討議内容に関す る情報が全く公開されないばかりか、MPFA参加者の入国を拒否、最終日に行われた市 民によるキャラバンを阻止するための道路封鎖まで行った。また会議開催前、マニラ 市内ではフィリピン政府によるスラムの取り壊し、居住者の強制移住が行われた。こ れらの現実を前に、MPFA参加者の大半はAPECに対して変化を要求するのではなく、 APECを拒絶すべきだという論調であり、一部の参加者の「現在のグローバリゼーショ ンの流れを変えることは不可能であるから、その枠組みの中で環境・社会的に公正な 発展を保障するよう要求すべき」との意見は拒絶派の大きな声にかき消されてしまっ た。  本会議では最終的に「マニラ宣言」を採択、最終日の24日には、非公式サミットの 開催地スービックに向けてキャラバンが行われた。


◆世界貿易機関(WTO)閣僚会議への参加

【期間】96年12月9日〜13日

【場所】シンガポール

【参加者】斉藤誠(運営委員)、佐久間智子(事務局)他

【背景・内容】

 閣僚会議は、2年に一度開かれるWTOの最高決定機関であり、過去2年間のWTOの作 業内容や国際機関としての機能をレビューする。閣僚会議の成果は「WTO閣僚宣言」 として、今後2年間のWTOの作業計画や組織のあり方などの方向性を決定する。  WTO発足後初めての閣僚会議である今回の会議では、「貿易と環境」や「貿易と労働基準」などの新しい分野で、国際的な環境ルールや労働基準を守らせるために貿易 措置が用いられるべきか否かが主な焦点となった。地球環境や労働基準を守るために 貿易措置が必要と主張する、米国を筆頭とする一部先進国と、こうした貿易措置が、 低い環境基準や労働条件を理由に途上国の比較優位(安い環境コストや労働力)を封 じ込め、途上国の発展を妨げると反対する途上国の対立が見られた。

 結局、閣僚宣言は対立する分野については双方の意見を盛り込んだ内容となった。

 今回、NGOはオブザーバーとして初めて参加を認められたが、参加を許されたのは 全体会議だけで、 あとはWTO事務局が毎日行うブリーフィングだけが情報源となる が、実際の交渉は密室で行われた。多くの途上国政府代表もまた、何が起こっている のかほとんど分からず、NGOに情報をもらおうとする人々まで現れた。P&Gなどの多 国籍企業や経団連などもNGOとして参加していたため、NGO会議のあり方自体が新た な形を迫られることになったこともあり、意思決定過程の透明性やNGO参加という点 で大きな不満が残った。

 「貿易と環境」や「貿易と労働基準」の問題については、NGO間でも対立が見られた。途上国NGOの一部は、WTOがMEA(多国間環境協定)の一方的措置を追認すれ ば、将来的に環境保全目的を装った一方的措置が強国によって乱発されると考え、あらゆる一方的措置に反対の姿勢を貫いたが、このことは同時に、国際的に合意され、多くの途上国政府も署名・批准した地球環境保全目的の条約を無効化することを意味する。欧米のNGOの多くは先進国政府同様、環境保全のための貿易制限的措置を例外措置としてWTOに認めさせたいと考えているが、貿易自由化自体の問題を問う姿勢は 見られなかった。

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環境教育プロジェクト

◆「環境教育シンポジウム'96」の開催

【期間】96年4月〜97年3月    (シンポジウム開催は96年7月13日(土))

【担当者】田中徹二(運営委員)、渡辺雅樹(運営委員)、大澤晶子(事務局)

【背景・内容】 テーマ:「持続可能な社会づくりのためのパートナーシップを求めて」

 94年から継続して行われている環境庁との共催事業。市民フォーラム2001は、実 行委員会・作業グループ(環境教育に関わるNGO・個人が参加、実質的な準備を行う) に参加すると同時に、事務局を担当した。実行委員会には、他に環境庁・日本環 境教育学会・日本協同組合連絡協議会・日本青年会議所・日本労働組合総連合会が参 加。また日本商工会議所・経済団体連合会・日本経営者団体連盟・開発教育協議会・ ICLEI(国際環境自治体会議)日本事務局が後援団体になった。事業全体は、一般から の参加者を中心とした「全国会議」、全国13カ所の独自の実行体制による「地域会 議」、地域会議同士の交流の場である「合同会議」「交流会議」からなる。

○全国会議 テーマ:「参加でつくる、地域がひらく、環境パートナーシップ」

開催日時:96年年7月13日(土)

場所:青山学院女子短期大学

   富野暉一郎(島根大学教授、2001理事)、萩原なつ子(環境パートナーシッププラ ザ検討委員会委員、東横学園女子短期大学)、藤井誠(松山国際理解教育情報センター)による問題提起を行い、その後次の8つテーマの分科会で参加型ワークショップ を行った。 ワークショップのテーマ:「環境自治体の創造のためのパートナーシップ」「まちづ くりの視点から考える国際協力」「地域での環境教育推進のためのパートナーシッ プ」「地域のパートナーシップづくりと学校」「市民参加による森づくりのための都 会と山村とのパートナーシップ」「河川と湖沼の保全にむけた流域パートナーシッ プ」「共にいきるまちづくりのためのパートナーシップ」「持続可能な生産と消費の ためのパートナーシップ」 参加者は約230名。

◆地域会議  実行委員会の呼びかけに応えた全国13ヶ所(大阪府吹田市、北海道札幌市、神奈川 県横浜市、岐阜県高山市、千葉県、愛媛県大三島町、東京都板橋区、山形県遊佐町、 北海道、岩手県東和町、神奈川県、神戸市西地区、三重県津市)が、96年6月から97 年3月に各地でシンポジウム、ワークショップ、交流会などのさまざまな形式・内容で 地域会議を開催した。

◆合同会議・交流会議  地域会議が開催前に情報交換・交流できる場として、7月14日(日)に「合同会 議」を開催(環境パートナーシップオフィス会議室にて)、また開催後の報告・交流 の場として1月19日(日)に「交流会議」を開催した(文京シビックセンタ研修室に て)。どちらも各地域会議から2名(行政担当者1名、市民団体から1名を原則)が参 加、計約35名が参加した。    年度末までに報告書の作成を行う。また、これまでの成果を元に、97年度も事業を 継続する予定。

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国際会議への参加

●CSD4への参加

【期間】96年4月18日〜5月3日

【担当者】明日香壽川(運営委員)

【背景・内容】

 CSD(Commission on Sustainable Development:持続可能開発委員会)とは、1992年6月に開かれた「国連環境と開発会議(地球サミット)」で取り決められた各 種条約と行動計画の実行・促進を監視することを目的に設立された、国連経済社会理 事会(ECOSOC)管理下にある委員会の一つである。年次会合は毎年4月頃に約2週間の 会期で開催され、第4回にあたる今年は4月18日から5月3日までニューヨークで開催 された。

 本来は、アジェンダ21のレビューを目的としているCSDだが、公約達成のモニタリ ングは容易ではなく、拘束力もないため、各国政府に与える直接的影響は少ない。今 回の本会議場での政府代表による討議でも、玉虫色化されたスローガンの字句修正に 終始していた(日本は外務・環境庁が中心に担当しており、通産、大蔵は今回出席者 さえ送っていなかった)。ただし途上国にとってCSDは、先進国から資本/技術の移転 の確約を得ようと努力する多国間交渉の公式の場(もちろん結果は別として)として の意味がある。また他の国連会議の中で格段にNGOステータス(参加資格や協議権) の高いCSDは、NGOにとっては情報収集・伝達の場として意味があり、特に途上国の NGOとっては世界で何が起きているのかを自国民に知らせるための重要な情報源およ び制度である。

 CSD4で討議されたフォーカルイシューは以下の通り(【】内はアジェンダ21の対 応する章)。

<分野横断的クラスター> ・持続可能性に関わる重要要素(開発途上国の持続可能な開発を促進するための国際 協力と関連国内政策【2】/貧困の撲滅【3】/消費形態の変更【4】/人口動態と持続可 能性【5】 ・資金源およびメカニズム【33】 ・教育・科学、環境上適切な技術の移転、協力および対処能力の強化(環境上適正な 技術の移転、協力および対処能力の強化【34】/持続可能な開発のための科学【35】 /教育、意識啓発および訓練の推進【36】) ・意思決定メカニズム(意思決定過程における環境と開発の統合【8】/国際的な機構 の整備【38】/国際的法制度及びメカニズム【39】/意思決定のための情報【40】 ・主たるグループの役割の強化【24〜32】

<分野別クラスター> ・大気・海洋およびあらゆる種類の海【9、17】

   特別パネル(昨年は森林保護)などが無かったため今年のCSDは全体的に盛り上り に欠けていたが、期間中を通じての大きなトピックとなっていたのが国連改革であ り、深刻な資金難によるCSD無用論や、CSD本部のジュネーブ移転論という「陰謀」 (途上国NGOの言葉)も存在していて、国連改革を理由に分担金を払わないアメリカ に物申す存在としての日本への期待は高かった。  市民フォーラム2001から明日香壽川(運営委員)が4月29日から5月3日の間参加 した。 日本のNGOの活動としては、AANEA(東アジア地域大気行動ネットワーク)の日本の 運営委員を担当しているCASA(地球問題と大気汚染を考える全国市民会議)や ASEED JAPANによるワークショップ開催、JACSES(「環境・持続社会」研究セン ター)による、各国NGOの主要人物へのインタビュー活動などが行われた。

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研究会の活動


エネルギー研究会

 市民フォーラム2001エネルギー研究会は、1994年2月の市民フォーラム2001設立 シンポジウム「環境未来・対立から対話へ」をきっかけに設立された。このシンポジ ウムの『永続可能なエネルギー』分科会の講師・事務局担当者・参加者の有志が、そ の後、月例研究会を持ち、「持続可能なエネルギー未来」をテーマに地球環境問題の 解決に向けてエネルギー分野からのアプローチを行っている。研究活動を通し、日本 やエネルギー政策の問題点を分析するとともに、オルタナティブの提案への努力を続 けている。

【担当者】住野節子(共同代表)、飯田哲也(活動委員)、ぬでしま晶子(活動委 員)、歌川学(活動委員)


◆「市民によるエネルギー円卓会議」に向けた  市民のためのエネルギー連続講座

【期間】96年5月〜8月

【場所】文京シビックセンター他

【背景・内容】  96年8月開催の「市民によるエネルギー円卓会議」へ向けて実施。1995年9月に第 一回を行い、96年度は第8回から11回(プレ会合)を行った。 ・第8回:5月25日(土)  「エネルギーと経済−環境税と国のエネルギー政策を   考える」講師:寺西俊一(一橋大学) ・第9回:6月8日(土)  「エネルギーと安全保障−石油資源論を学ぶ」  講師:関岡正弘(東京国際大学) ・第10回:7月6日(土)  「エネルギーと社会-市民参加による社会的合意形成を  求めて」講師:清水修二(福島大学)、長谷川公一  (東北大学) ・第11回:8月3日(土)円卓会議プレ会合  「日本は、なぜ変わらないか?」  講師:関廣野(評論家)


◆「市民によるエネルギー円卓会議」第一回会合の開催

【期間】96年4月5日〜6日

【場所】静岡県御殿場・シャレーフジハイランド

【参加者数】約55名

【背景・内容】

目的:「それぞれの個人に立脚した対話の場」 ・持続可能なエネルギー社会を構築していくために、日本のエネルギー状況に関して 立場と分野を越えて自由に対話できる場を、市民が中心となって設けること ・立場を超えた自由な対話の場における議論を通して、持続可能なエネルギー社会を 構築していくための問題点、対立点などを明確にしていくこと ・こうした対話を通して、市民の意見が日本のエネルギー政策に反映される可能性を 開くこと。

 エネルギー政策についてさまざまな立場や組織にある人が、対話のためのパート ナーシップを形成することを狙った会合であり、特にそれぞれの属する立場や組織を 超えた「個人」に立脚した対話を行うことに焦点をあてた。円卓会議では、エネル ギー政策との係わりを軸に、「エネルギー問題への基本的な視座」「エネルギー政策 と環境問題」「エネルギー政策と市民参加」「目指すべき持続可能な社会のビジョ ン」という4つのセッションを設け、それぞれ数名のキーノートを皮切りにラウンド・ ディスカッションを行った。大学の研究者、官僚、エネルギー産業界、エネルギー消 費産業界などエネルギー政策に直接かかわっている当事者やエネルギー研究者、NGO サイドが参加し、多様性のある議論が行われた。


◆「市民によるエネルギー円卓会議」第二回会合の開催

【期間】1996年8月31日(土)

【場所】都内・国際文化会館

【参加者数】約58名

【背景・内容】

テーマ:「未来のための知的チャレンジ」

 真に市民が合意できるエネルギー政策およびその決定プロセスをオプションとして検討する。

目的:(第1回会合と同じ)

 評論家の関曠野氏、科学史家の米本昌平氏、現役官僚の宮本融氏の3名による『日本 の社会構造を読む』座談会に始まり、第1セッション「エネルギー政策体系と税財政の 課題」、第2セッション「エネルギー政策決定と市民参加をめぐる課題」、第3セッ ション「クロージングセッション=明日に向けて」という3つのセッションを行い、そ れぞれキーノートの報告と討議が行われた。


◆「市民による日本エネルギー政策円卓会議」の開催

【期間】97年1月15日(水・祝)

【場所】国立オリンピック記念青少年総合センター

【参加者数】71名

【背景・内容】

目的…「お互いの違いを見つめながら、共通課題にどのように協働できるか」

・持続可能なエネルギー社会を構築していくことを目的とし、日本のエネルギー環境  政策に関して立場と分野を越えて自由に論議できる『個』に立脚した対話の場であ  ること ・お互いの違いを具体的に議論しながら日本社会に共通の課題を探り、その課題のために、意見や立場の違うものがどのように協働(コラボレーション)できるかを検討する。

・長期的には、政策提言や個々の協働プロジェクトが生まれていく、市民や『個』に  立脚した政策シンクタンク・ネットワークの形成を期待する。

縦軸としては、@日本には体系的なエネルギー政策がないこと、A日本のエネル ギー政策決定プロセスは、不透明・不公正なことに加えて中心が空洞であることの2点 を中心テーマとし、横軸には、対立点の明確な「地球温暖化と原子力と市民との協働」をテーマに設定。

 始まりのキーノートセッション(横軸を中心とした議論)では「地球温暖化と原子 力と日本の社会構造」をテーマとした4名のスピーチ、午後の第一セッション(縦軸@ を中心とした議論)では「いかなる総合的なエネルギー政策をつくるべきか?」、第 二セッション(縦軸Aを中心とした議論)では「いかなるエネルギー政策決定プロセ スを形成すべきか?」をテーマに、ディべートとラウンドディスカッションが行われ た。

※「市民によるエネルギー円卓会議」の開催には、財団法人イオングループ環境財団 の助成を受けています。

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森林政策勉強会

【期間】96年6月〜97年1月

【場所】市民フォーラム2001事務局

【担当者】岩崎駿介(共同代表)、小倉正(活動委員)、佐久間智子(事務局)

【背景・内容】

   林野庁が設置した「国際的な森林整備の推進に関する懇談会」(「国連・森林に関 する政府間パネル(IPF)」に対応する国内の懇談会)の委員である岩崎を通じて、懇談会の討議内容などの情報を共有し、勉強会の討議結果を提言することを目的として 開催。勉強会では、林野庁懇談会の側の議題に沿って各回の懇談会前に会合を開き、情報交換と討論を行った。またIPF3において、差異ある責任に基づき、まず先進国が 共同して消費パターンの変革を協調して行うべきであるという内容の声明「森林問題 に関わる日本のNGOのアピール」を提出した。

(〜8月)持続可能な森林経営の基準・指標の活用のあり方:過去の各プロセスの中で の基準・指標の動向と、IPF参加のNGO側の見解の整理。

(〜11月)現場実践的な取り組みを推進するための協力のあり方:国内外の実例と、 それに関わる他の情報の収集

(〜97年5月)世界の森林問題に関する国際的な枠組みのあり方(森林条約、認証制 度など)…認証制度:FSCなどの団体の動きを紹介/森林条約:IPFでの動向紹介/他

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持続可能社会研究会

 「持続可能社会研究会」は、市民フォーラム2001企業との接点委員会の活動の一環として、95年に発足した。企業に勤めるサラリーマンが、アフター5に会社の仕事を離れて自由に気楽にNGO活動・市民活動に参加できる場の提供を目指して、企業活動と地球環境の関わりについて討論する研究会を実施している。

【担当者】矢部廣志(運営委員)、渡辺雅樹(運営委員)、高木史人(活動委員)、瀬尾次郎(活動委員)他

【場所】環境パートナーシップオフィスほか

【内容】

 96年度は第二期「持続可能な企業活動」と題して、6回の連続講座を開催した。

・第1回:96年9月11日(水)19:00〜21:00

 「企業にかかわる税制と環境問題」

 講師:加藤秀樹(大蔵省)

・第2回:10月9日 19:00〜21:00

 「マテリアルバランス&フロー」

 講師:森口祐一(国立環境研究所)

・第3回:11月13日 19:00〜21:00

 「グリーンコンシューマーと企業」

 講師:緑川芳樹(バルディーズ研究会)

・第4回:12月11日 19:00〜21:00  

「マルチメディアと新エネルギー」

 講師:鳥越史郎(NTT)

・第5回:97年2月12日 19:00〜21:00

 「LCAと企業活動」

講師:大川隆司(東洋ガラス)

・第6回:3月12日 19:00〜21:00

 「持続可能な社会と企業活動」

 講師:古沢広祐(國學院大學)

【今後の予定】

 97年度も引き続き、第3期連続講座を開催する予定。また、COP3に向けて、各企業 ごとの「環境自主行動計画」について、市民・NGOの立場から研究し提言するプロ ジェクトを97年4月から立ち挙げる予定。

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環教と金融研究会

世界と日本の環境破壊の構造を資金的に支える財政投融資制度、そしてその資源の一 つである郵便貯金の問題点にメスを入れた『どうして郵貯がいけないの』(グループ KIKI編、北斗出版)の刊行がきっかけとなり、同著の代表編集者である田中優(共同 代表)が呼びかけて金融関係者、研究者、開発NGO職員、学生など様々な立場の人間 が集まって、金融と環境研究会が1992年6月に発足した。有償援助、IMF・世銀の構 造調整の問題の多くは環境問題と関わっているが、これら国内外の開発資金も、企業 の投資活動も私たちの貯蓄に端を発している。研究会ではこれらの流れと仕組みを調 査し、環境に優しい市民社会に向けて、市民の貯蓄・投資活動を巡る代案提示をめざ した。

 発足以来、月1〜2回のペースで定例の会合を持ち、94年2月の市民フォーラム2001設立記念シンポジウムでの分科会開催、市民によるオルタナティブな金融機関 「未来バンク事業組合」の設立、金融問題入門講座、共同セクター・社会的経済の事 例研究、APEC東京市民会議における投資分科会の担当など様々な活動に取り組んでき た。現在は、中心メンバーの多忙などにより事実上休眠状態にある。しかし、財政や 金融システムの危機や変革が声高に叫ばれている現在こそ、本研究会のようなNGO・ 市民の側からのそれらに対する現状分析や提言などが重要であると思われ、条件が整 い次第再開したい。

96年の活動 5〜7月:『世界貿易機関を斬る』(鷲見一夫)をテキストに貿易問題の勉強会を開催

12月・4月:つくば市にて勉強会 発表者・内容 ・金岡良太郎氏「金融・社会の変革・未来像」『エコバンク』(北斗出版)発行を機 に。・秋葉武氏「グラミン・バンクについて」 田中優氏「貿易と多国籍企業を巡る問題」狂牛病とレンダリングプラントなどを例に。

(その後、「未来バンク事業組合」構想は「未来バンク」の設立に結実した。1998年現在活動中。)

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その他の活動

◆林野庁「国際的な森林整備の推進に関する懇談会」への参加

【期間】96年5月〜97年5月

【担当者】岩崎駿介(共同代表)

【背景・内容】  「国際的な森林整備の推進に関する懇談会」は、第3回持続可能な開発委員会 (CSD3)で、森林に関する政府間パネル(IPF)が設置されたのを受け、日本政府の 対応のために設置された懇談会であり、市民フォーラム2001の岩崎が懇談会委員に なった。

 96年5月9日に第1回が開催され、委員の顔合わせと林野庁からの森林をめぐ る各プロセスなどの概説・質疑応答、議論のあり方のすりあわせが行われた。第2回以 降は以下の内容について討議された。 7月:第2回「基準と指標の活用について」 10月:第3回「持続可能な現場実践について」 97年7月:第4回「国際的な枠組みについて」 3月:第5回「国際的な枠組みについて」 5月 第6回林野庁「まとめ」


◆科学技術庁「原子力政策円卓会議」への参加

【期間】96年5月17日、7月24日

【担当者】岩崎駿介(共同代表)

【背景・内容】

 科学技術庁「原子力政策円卓会議」は、高速増殖炉「もんじゅ」の事故後、地元に 原発を多く抱える福井、福島、新潟の三県知事が国民や地域からの意見を原子力政策 に反映できるような体制を求めていたことを機に実現したものであり、電力会社役員 から脱原発団体まで幅広い人々を招いて開かれた。このうち第2回(5月17日)、第8 回(7月24日)に、市民フォーラム2001共同代表の岩崎駿介が招聘され、意見を述べ た。

 第2回目では、@政策決定過程に「市民参加」が実現できる真の円卓会議が必要であ ること(そのために原子力委員会を政府、企業、市民の三者同数代表による委員会に 改組すること、ならびに地域円卓会議を設置すること)、A市民参加を具体化するためには「情報公開」が必要であること(これまで原子力政策にかかわる多くのことが 隠蔽されてきたことは指弾されねばならない)、B原子力の利用については、第一段階として「エネルギー需要削減のための総合計画」の中に位置づけ、第二段階として 「完全廃止」を行うべきである、Cこのような新たな視点から政策立案を行う間、新 原発立地やもんじゅを含むプルトニウム政策について「モラトリアム」を行うこと、 との意見を述べた。

 第8回では、この円卓会議での発言がどのように原子力政策そのものに反映するのか についての討議枠が十分に設定されないままの討議の継続に対する疑問から、@「円 卓会議」とはどのような歴史的な意味を持っているのか、Aここでの発言をどのよう に政策立案に生かすことができるかについての意見を述べた。


◆「パートナーシッププラザ協議会」への参加

【期間】96年9月〜 【担当者】田中優(共同代表)

【背景・内容】

 「パートナーシッププラザ協議会」は、環境庁がアジェンダ21のパートナーシップ を実現していく場として96年11月に開設した「環境パートナーシップオフィス」の運 営・執行を行う機関である。プラザの運営・執行自体を企業・行政・市民の三者で 行 おうという野心的な企画により、事務局ばかりでなく協議会委員もまたその三者が交 わ って進められている。市民団体の委員として、2001からは田中優が参加してお り、これまでに公式協議会が2回、準備会が1回行われた。  開設して間もないこともあり、決定・執行の役割分担も明瞭となっていない。しか し混 沌とした中でも「パートナーシップを結ぶこと」に力点を置くのではなく、その 前提とし て「なぜパートナーシップが結べないのか」について実態を知り、調査し、 分析するところから進めていこうという方針が固められた。実際、未だ事務局の企業 スタッフは空席のままであり、パートナーシップを結ぼうにも肝心な主体である「市 民」自体が他の主体に 十分に認められていない。「安易に実 績を作ろうとするより も、市民社会を創る中からパートナーシップが生まれるようにしたい」との思いが委 員の一部には共有されており、来年度は、「パートナーシップの阻害要因・事業のた めのリサーチ」をメイン事業とすることが決定された。


◆東アジア大気行動ネットワーク(AANEA)第3回香港会議への参加

【期間】97年1月24日〜28日

【場所】香港

【担当者】朴恵淑(温暖化研究会、活動委員)

【背景・内容】

 AANEAとは、東アジアの7ヶ国・地域(日本・韓国・中国・台湾・香港・モンゴル・極東ロシア)の17団体の環境NGO によって組織された、東アジア唯一 の、環境問題に関する民間レベルでのネットワークである(95年8月設立)。日本か らは、市民フォーラム2001、地球環境と大気汚染を考える全国市民会議 (CASA)、全 国公害患者と家族の会、市民による大気汚染測定ネットワーク、酸性雨調査研究会、 熱帯林行動ネットワーク(JATAN)の6団体が加盟しており、事務局は韓国の「経済 正義実践市民聯合 (CCEJ)」が現在担当している。現在は大気問題(東アジア地域の越 境性大気汚染・酸性雨のモニタリングシステムの構築・情報の交換)と気候変動問題 にのみ対応しているが、今後、水質汚染、ごみ問題なども含む東アジアの環境問題全 般や、関連する社会問題への対応まで広がる可能性も高い。

 第3回会合では、今年度の重点活動として、同一ガイドラインに沿った東アジア全域 での窒素酸化物の測定、その分布図の作成による大気汚染物質状況の把握、また地球 温暖化問題においても、各国の温室効果ガスの排出状況を把握し、東アジア全域での 対策を練っていくことなどが決定された。今年の12月に日本の京都で開催される気候 変動枠組条約第3回締約国会議(COP3)には、気候フォーラムや気候行動ネットワー ク (CAN)と協力し、期間中にはAANEAのワークショップを開催するなど、積極的に関 わっていくこととなった。


◆環境アセスメント法制化への対応

 環境アセスメントは、国家の政策・計画や事業の実施による環境影響を事前に評価 し、環境破壊を未然に防止する制度である。経済界や開発官庁の反対で法制化がつぶ された歴史があり、84年以来、日本はOECD諸国で唯一アセス関連法を持たない国で ある。現在まで行政指導によりアセスが実施されている。同制度には以下の3つの効 果・可能性がある。 ・問題となる開発を事業レベルで変える可能性、最低限の予防・歯止め ・経済・開発政策に対する環境アセス導入の下準備 ・市民の意思決定参加  昨年6月に諮問を受けた中央環境審議会は、多くの審議を公開の場で行い、ヒアリン グを実施、意見書の提出を求めた。

 市民フォーラム2001からは矢花公平(運営委員)が、8月の中環審ヒアリングで意見を述べた。また「市民フォーラム2001環境法制プロジェクト」は9月に、主に以下 の5点を内容とする意見書を中環審に提出した。

 (1)市民参加による審査機関設置

 (2)厳しい事後評価

 (3)政策への環境アセス

 (4)地球環境分野への評価拡大

 (5)海外事業への適用  また12月には、発電所を別枠にせず、統一的アセス法を適用することを求めた。

 中環審は2月10日に法制化を求める答申を首相に提出、同時に発電所アセスを含め 統一法にするよう異例の要請を行った。答申に盛り込まれたのは主に以下の5点であ る。 (1)調査・評価:スコーピングの導入、複数の代替案により評価するなど前進 (2)審査:審査専門の第三者機関設置は否定したが、環境庁長官が常に意見を述べられ る制度に (3)事後評価:モニタリングを実施。評価を実施するかは微妙な表現 (4)市民参加:早期段階の意見書提出等で前進するも意思決定への参加は却下 (5)自治体アセスとの関係:国の制度のみに適用  答申に対し当プロジェクトは、法制化、発電所アセスのアセス対象への盛り込み等 は評価しつつも、審査のための第三者機関設置、厳格な事後評価、政省令に委任され る細部が開発官庁の意のままの場合、従来通りの運用になることなどを指摘し、制省 令づくりは環境庁が中心に、市民参加の公開の場で行うことを求める声明を出した。 環境庁は答申より曖昧な法案を作成した模様だが、自民党の反対で国会提出が延期さ れている。また、通産省は発電所アセスについて、2月17日の電気事業審議会の出し た「アセス法案枠内とするが、具体的規定は電気事業法で定め、審査などは通産省が 行うべき」という答申をもとに電気事業法改正案を提出する。  今後行われる国会審議と法案成立後の政省令の策定作業に対しても、これまでと同 じ運用がなされる結果にならないよう、同プロジェクトで対応して行きたい。


◆環境基本計画の第二回進捗状況の点検

 首相の諮問機関・中央環境審議会(近藤次郎会長)では、94年に策定された環境基本 計画の進捗状況を毎年点検している。今回の進捗状況点検方法は昨年11月の中環審企 画政策部会で決定され、全国3カ所でヒアリングと意見書の提出が求められた。

 この点検作業は、経済・開発政策に環境政策の反映を図る数少ない機会であり、今後政府部内や議会、裁判所などで重要な調整の機会として位置付けられれば効果を生 む可能性がある。これまで市民フォーラム2001は環境基本計画に対し、成立時と昨年の第1回点検の双方に対応してきた。第2回目の今回に対しては、「市民フォーラム 2001環境法制プロジェクト」が2月3日に意見書を提出した。意見書では、国内政策 で環境保全が進まない主因として主に以下の点について指摘した。

(1)国際条約との整合性の欠如 (2)環境計画や政策と矛盾する国内の持続不可能な諸政策の継続 (3)環境政策の効果的なレビューシステムの欠如 (4)利害関係者を中心とし、市民が関与できない政策決定システム

 同時に中環審が経済・開発政策を環境面からチェックし改善を命ずるシステムや、 政策決定プロセスへの市民参加などを求めた。点検作業は今後企画政策部会で議論や 視察が行われ、6月頃には報告がまとめられる予定である。


◆東京都環境基本計画(中間のまとめ)への意見書提出

 ここ数年、都道府県で環境基本条例、計画の制定が盛んである。東京都も環境基本 計画策定に向けて都の環境審議会が昨年7月に「中間のまとめ」を発表、9月に2回の 公聴会を開催し、文書で都民意見を求めた。

 東京都は世界の資源・エネルギーの約2%を消費しており、環境負荷も国家並みであ る。市民フォーラム2001はこれまでも、臨海部開発、日の出処分場等の問題に対して のアピール、東京の環境問題とリンクさせたCSD報告会の実施などを行ってきた。

 今回は斉藤誠(運営委員)がヒアリングで意見を述べ、以下の趣旨の意見書を提出 した。

・都の政策決定自体への市民参加を求め、審議会参加やNGO支援などを提案

・(1)数値目標、(2)達成期限、(3)必要な政策と措置、(4)各政策と措置による排出削 減量の見積り、を提案

・(1)毎年の進捗状況審査、(2)問題政策の特定、(3)計画強化と他の政策の修正をシス テム化、強力な権限を持つ知事直属の審査機関の設置を提案 ・政策に対する環境影響評価を制度化、環境政策の反映のシステム化を提案

 この他、地球温暖化防止やオゾン層破壊、廃棄物対策などについても具体的提案を 行った。廃棄物問題では、業務用ゴミの一律有料化が焼却炉の使用の増加をもたら し、深刻なダイオキシン被害の可能性があることを指摘、整合性ある有効な環境政策 として有害廃棄物を生み出す商品への課徴金やネガティブラベルなどを提案した。

 中間のまとめには約500通の意見が寄せられ、都のとりまとめでは環境アセスと情報公開が最も件数が多かった。審議会はその後8回の審議を重ね、2月19日に答申を都知事に提出した。今後都の環境基本計画として制定される見込みである。


◆「マキニスさんを支える会」

【担当者】世話人:岩崎駿介(共同代表)、矢花公平(運営委員) 事務局:佐久間智子(事務局)

【背景・内容】

    1994年2月に2001が開催した国際会議「環境未来・対立から対話へ」の分科会の 一つ、「紙の大量消費は何をもたらす?」でゲストスピーカーを務めたカナダ・アル バータ州立大学の環境研究所副所長、ジョン・マキニス氏は、アルバータ州における 森林伐採や現地パルプ工場の現状などを発表した。このことが帰国後に問題とされ、 大学から事実上の解雇処分を受けた同氏は、この件に日系企業の介入があったとして 企業2社と個人3名に損害賠償を求める訴訟を起こした。公的機関に対する企業の介入 などの悪質な行為の社会的責任を明らかにし、大学の環境研究機関の独立性を回復す ることが目的である。石油・天然ガスに依存してきたアルバータ州はこれらの収益が 低迷すると大規模な森林開発を計画し、外国企業を補助金付きで誘致したが、その中 で日系企業2社が得た広大な森林にはカナダ先住民の居住区も含まれ、マッケンジー水 系へ放出される大量の有機物と共に、その環境、社会への影響が懸念されている。

 この事態を受けて1994年7月、世話人5名(岩崎駿介、小原秀雄、黒田洋一、矢花 公平、佐久間真一)は「カナダの森林問題を考え、マキニスさんの日系企業に対する 訴訟を支援する会」を発足させた。この会の目的は訴訟支援のための募金活動を行 い、裁判の情報を提供し、キャンペーン強化を図り、かつカナダの森林問題について その実態を把握して木材消費の抑制を呼びかけることにある。なお、事務局は佐久間 智子、川上園子が担当している。

【経過】

 「マキニスさんを支える会」は発足以来、集会、募金活動、ハガキ・キャンペーン などの活動を実施し、世論への呼びかけを行ってきた。また、1994〜1995年の間に 資料集2冊、ニュースレター2冊を発行した。訴訟に関しては、被告から抗弁書(アル パック社)および訴訟の却下申立書(大昭和・丸紅)が提出されたために審議が長引 いていた。そして95年、アルパック社側の当事者が逆にマキニス氏を名誉既存で訴え る事態(この訴訟でマキニス氏は賠償として約2400万円を請求されている)が起きた。そのため、関連訴訟を一括して審議するカナダの裁判おいて、評決が下るまでにさらに長い時間がかかることになった。マキニス氏は96年11月、林野庁主催のワーク ショップ参加のために来日し、その際、2001の関係者とともに話し合う機会を持った。 そこでは今後も訴訟を続けること、2001側もできる限りの支援を行っていくことなどが確認された。


◆三峡ダムへの輸銀融資に対する抗議の声明

 1996年12月18日、環境・人権の面から問題が多いとされてきた中国・三峡ダムへ の融資を日本輸出入銀行が決定したことを受け、同日マスコミ向けに以下の声明を発 表した。 環境NGOが三峡ダムへの輸銀融資に抗議の声明  地球サミットでの合意事項の実行を目的に活動する環境NGO、市民フォーラム2001 (共同代表・岩崎駿介、筑波大助教授 58歳・他2名)は、本日、中国三峡ダムへの輸銀 融資決定に抗議する声明を発表した。声明の内容は以下の通りである。

 中国が揚子江中流に建設を進めている三峡ダムは、堰堤の高さ185メートル、川の 水位が最大150メートル上昇、水没面積28,000平方キロ、120万人の移住が必要である。プロジェクト規模の巨大さもさることながら、その引き起こす問題も過去に例を見ないほどに大きい。

   憂慮されている環境・社会的な問題は主に以下の4点である。 (1)水没面積28,000平方キロという巨大な自然破壊・生態系破壊 (2)揚子江カワイルカなどの希少種が絶滅する可能性 (3)移住人口が120万人という人権上の問題 (4)先史以来の史跡や景観が失われるアメニティーの問題  環境面においては、(1)及び(2)についてはきちんとした環境アセスメントが行われ た形跡もない。

 こうしたプロジェクトへの融資が容認される影響は、この地域の環境破壊や人権蹂 躙に留まらない。これほど環境上問題があるプロジェクトに融資がなされることにな れば、他の多くのプロジェクトの大半は「環境上問題なく」融資が認められてしま う。

 我々は、日本政府、輸銀に対し、ただちに融資決定を凍結し、環境・人権への視点 を取り入れた上での再検討を行うことを要求する。「環境配慮」を口だけのものに止 めず、ODAや輸銀融資の条件として環境保全と人権保護を考慮し、市民・環境NGO参 加のもとでの意思決定が行われることを求めるものである。

1996年12月18日

市民フォーラム2001共同代表 岩崎駿介・田中優 市民フォーラム2001事務局長代行 佐久間智子 

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