TOPバックナンバー目次

2003年1月10日発行178号ピースネットニュースより

戦争の動きを止めながら、
ゆっくりと非暴力の希望の社会を創ろう!

ピースネットニュース 青 山 正

 2003年を迎えましたが、北朝鮮がIAEAによる核査察を拒否しさらにNPT脱退を宣言してしまい、それに対し米国は軍事対決の姿勢を示す状況となりました。そして国連による大量破壊兵器査察が続くイラクに対する米国の戦争準備は着々と進み、早ければ2月初旬にもイラクへの攻撃が開始されるとの見通しがなされています。イスラエル・パレスチナ間の対立も解決のめどが立たず、イスラエル軍によるパレスチナの一般市民への攻撃は激しさを増しています。ロシア軍の占領が続くチェチェンにおいても首都グロズヌイで大規模な爆弾攻撃が起きるなど平和解決からは遠い状況が続いています。
 日本政府は年末に海上自衛隊のイージス艦をインド洋に派遣し、一層米国の戦争政策への協力の姿勢を示しました。平和のための努力よりは武力を優先する米国ブッシュ政権の政策に協調する日本政府の方針は、私たちに願いに逆行するものであるだけでなく、自衛官にとっても重苦しいものであるようです。173号のこの欄でも触れましたが、自衛隊での自殺者が年々増えています。特に昨年4月から12月の9ヵ月間だけで63人の自殺者が出て、一昨年の年間59人を上回る最悪の記録となっています(1月9日毎日新聞より)。とりあえず直接的な戦闘には加わっていない自衛隊でこれだけの自殺者が出て、さらに増えているということは、自衛官が実際の戦闘行為に参加する可能性が出てきたことと関係があると思います。戦争への参加という心理的圧迫が自衛官をも自殺へと追い込んでいるわけで、これだけでも悲劇的なことですが、もし本当に日本が戦争に加担すればそれだけでは済まされない犠牲者がでることは明白です。
 イージス艦が出発した横須賀基地で隣りで見送る米軍艦船の艦首部分に掲げられた横断幕はとても印象的でした。そこには「ご武運をお祈りします」とありました。まさにそれは「日本軍の新たな出征」であったのだと思います。しかしまだ今なら引き返せます。これ以上の悲劇を創りだしてはなりません。
 重苦しい新年の幕開けではありますが、一方で平和を求める世界各地の市民の動きも活発になってきました。日本でも次項の呼びかけにあるように1月18日の東京・日比谷での1万人集会を始めとして、各地で反戦行動が行われます。また後掲の大畑さんの報告にあるように国際的な紛争に対して非暴力による介入をめざす非暴力平和隊が正式に発足し、日本でも活動を始めています。また本誌の田中さんの「もうひとつのグローバリゼーションを求めて」の連載で毎回報告されていますように、多国籍企業による経済支配に抗する世界の農民・市民の連携も広がり、その動きは経済問題だけではなく反戦行動にもつながって新たな民衆運動として大きな動きとなっています。それらは大きな希望です。
 ピースネット・市民平和基金は今年も行動としてはあまり大きなことはできませんが、こうした世界や日本での非暴力・平和運動の広がりに少しでも寄与していきたいと考えています。平和を創る活動とは、反戦・非戦だけではなく、例えば最近日本でも関心が広まってきたスローフード・スローライフを求める運動などともつながるところがあると思います。暮らしや経済の新しいあり方を探りながら、非暴力の平和な社会のあり様を多くの皆さんと模索し、一緒に少しずつ創っていきたいと思います。今年もどうかよろしくお願いします。

TOPバックナンバー目次