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2002年9月10日発行174号ピースネットニュースより

相次ぐ大企業の不祥事!
日本の膿を出し切って希望を創ろう!

ピースネットニュース 青 山 正

 前号では多発する自殺に絡んだ日本の歪みをについて考えましたが、今回はもうひとつの日本の歪みが私たちの前に露わとなりました。それは経済界の中の歪みでした。その結果、この夏に相次いで日本の大企業の首脳陣が辞職に追い込まれました。
 日本ハムは輸入牛肉の偽装問題で、社長・会長が交代となり、ODA疑惑で三井物産の社長・会長が辞任し、そして原子力発電所の事故隠しが発覚して東京電力の歴代4人のトップが辞任となりました。日本を代表するこれら大企業の不祥事は、これまでの日本の経済の高度経済成長とその後のバブル経済を経て培われた歪んだ企業の体質のほんの一部が表面化しただけかもしれません。他の大企業も推して知るべしという気がします。本来それらはバブル崩壊とともに全ての膿が出されるべきでしたが、バブル崩壊を経ても日本社会はそれらの膿を抱えたままでした。その結果が現在の日本経済の低迷にも影響しているのではないでしょうか。
 大企業の傲慢さと社会的責任の自覚の無さが、今こそ問い直されるべきです。とりわけ東京電力の原発事故隠しは、一つ間違えば日本のみならず地球環境全体に大きな影響を与えかねない重大事故を招く危険性を孕んでいるだけに、長年行われてきたとすれば、恐ろしいことであり、責任は重大です。電力業界や政府が繰り返してきたこれまでの「原発の安全神話」がいかに神話でしかなかったということが、事故隠しで明らかとなりました。結局は検査機関や政府機関との原発推進派の馴れ合いの中で検査が行われ、事故が隠されながら原発が維持され拡大されてきたのです。そして原発の危険性を指摘したり、拒否する市民に対する様々な嫌がらせや切り崩し策が繰り返されてきました。つい2,3年前までピースネットも含めて長年続いた原発推進派による悪質な嫌がらせは、さすがに止んだものの、いまだに税金を大量に投入して原発立地周辺への懐柔策は続けられています。本来安全性の確保に使われるべき税金が、原発建設推進のために使われてきました。そうした政府と大企業の馴れ合いが日本の経済・社会の歪みを大きくしてきました。
 そういう意味では今回の一連の大企業の不祥事はほんの氷山の一角でしかないのは明らかです。そして企業トップの交代だけで問題が解決されるほど簡単な歪みではないとも思います。日本ハムや三井物産でも政府との癒着が問題の根底にあり、またそもそも政策そのものの問題とも絡んでいます。それだけに一部首脳陣の交代で終わらせずに、徹底的に膿を出すことが必要です。そして今回の不祥事の構造的な問題を解決するために、私たち市民もきちんと政治と大企業のあり方を監視していく必要もあるでしょう。
 日本の歪みがまたひとつ明らかとなり、暗くなってしまいますが、その一方で9月1日に行われた長野県知事選の結果は私たちに希望を与えるものでした。政党や労組や企業による圧倒的な組織選挙を打ち破って、田中康夫氏が知事に再選されたことは大きな希望です。政府・国政レベルでの停滞の一方で、日本が地域から少しずつ変われる可能性が示されたと言えるのではないでしょうか。そのことに期待しつつ歪みを勇気を持って正していきましょう。

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