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2002年8月10日発行173号ピースネットニュースより

有事法制はいらない!
再び、命と平和のための対策を!

ピースネットニュース  青山 正

 中国で作られたやせ薬による健康被害は4人の死者をだし、現在判明しているだけで600名近い被害者が出ています。また同様に中国産などの野菜から大量の残留農薬も検出されました。これは前号で触れた食品の違法な着色料の使用問題と同様に政府・行政による検査体制の不備がひとつの原因でもあると思います。これらの問題は氷山の一角にすぎないはずです。それは昨年の牛肉でのBSE問題でも明らかとなりました。結局私たちの衣・食・住・健康という生活の基本的な部分で安全が守られていない、ということが現在の日本にとっての最大の危機的な問題ではないでしょうか。
 政府は有事法制よりも、生活の安全を確保するための施策を今すぐ検討すべきです。いくらでもやれることがあるはずです。ところがこのところ「規制緩和」の旗印のもとに、特に輸入物の食品の添加物や農薬の規制が緩やかにされようとしています。経済の効率化とグローバリゼーションの進行はその動きに拍車をかけています。ということはグロバリゼーションを推し進めようとしている政府の政策は、実は市民の安全を危うくしているのではないかとも言えます。だからこそ有事法制など作るよりも現在の歪んだ政策を見直すほうがどれだけ市民の安全のためになるか、改めて政府も政治家も考えるべきだと思います。
 さらにやはり前号でも触れた自殺の問題も深刻です。7月24日に発表された昨年1年間の自殺者数が31,042人で、4年連続で3万人を超えることになりました。この内遺書を残した自殺者で、動機としては健康問題についで経済・生活問題が多く、しかも自殺者の内85%が40歳以上で、不況が中高年を直撃していることが明らかです。中高年だけではなく、20代の若者で経済・生活を苦に自殺したのが139人にものぼっているというのは、いかに不況が大きな影を落としているかを知らされます。これもやはり政府の無策が多くの人々を自殺に追いやったと言えると思います。
 さらに自殺に関連してもっとショッキングな数字があります。陸海空を合わせた自衛官の昨年度の自殺者が59人となり、この5年間では331人という多さです。一つの組織で年60人近い自殺者を出しているというのは明らかに異常です。とりあえず現在は戦闘で死者を出してはいませんが、戦争をしていないにも関わらず自衛隊でこんなに多くの自殺者が出ているのはなぜでしょうか。
 ひとつは隊内でのいじめが原因であるようです。そしてもう一つは、象徴的な事件としてあげられるのが、護衛艦「さわぎり」内での相次ぐ自殺事件です。この船は昨年のテロ対策特措法に基づきインド洋などで米英軍への支援活動を行っていました。そして今年3月に九州に置かれた陸上自衛隊の「西部方面普通化連隊」でも隊員3名がすでに自殺していることも明らかとなりました。この部隊は有事即応部隊として陸上自衛隊の中でも精鋭部隊とされています。常に警戒任務につき真っ先に有事に対処するための特殊な訓練を行っているだけに、訓練の過酷さがその原因かもしれません。本来国内だけの活動で防衛だけを担うということだった自衛隊が、PKO協力法やテロ対策特措法により海外でいつでも戦闘に加わる可能性が出てきたということが、隊員に大きな不安を抱かせているのだと思います。そのストレスが隊内でのいじめの増加につながっているのではないでしょうか。それに加えての有事法制は、ますます戦争を現実のものにするということで、自衛官にとってはとてつもない心理的圧迫となっているような気がします。まだ戦争をしていない日本で、自衛官が毎年60名も死に、そして3万人以上の市民が自殺に追いやられる日本の歪みをもっと直視すべきです。
 今こそ市民の命と平和のための施策を!

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