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「新しい庭の文化を創っていこう!
  オーガニックガーデンのすすめ」
by曳地トシ

 ピースネットニュースの編集長をしていた私が、その後つれあいハルさんの仕事、植木屋を手伝うことになって早8年。ペンとマイクより重いものを持ったことがないうえに、「高いとこ・泥汚れ・虫」は、私の三大苦。その私が、植木屋を辞めるどころか三大苦を克服し、ハルさんとの共著「オーガニック・ガーデン・ブック」を7月1日に出版した。
 ガーデニングブームが日本に到来して、そろそろ10年近くが経とうとしている。それまでは観賞用の庭が中心だった日本に、庭に直接かかわるきっかけを与えてくれたという点では、ガーデニングブームは日本の庭文化に大きな変化をもたらしたと言える。
 だが、日本のブームというと常にモノとイメージばかりが先行して、地に足がついていない感が否めない。ブームに踊らされているだけでは、一部の業者とブームを最初に持ち込んだ人たちだけが潤うばかりで、本当の意味での「文化」は根付かない。本来、植物と付き合っていくということは、モノを消費することとは対極にあるはずだ。たとえば、「イングリッシュガーデン」が英国で体系化されたのは約100年前だと言われるが、そのころには農薬も化学肥料もプラスチックの植木鉢などもなかったはずだ。それでも、英国では文化として庭を形作ってきた。欲望のおもむくままに次々と鉢を買い、苗を買い、足の踏み場もないようにするのではなく、時として「これ以上増やさない、買わない」というシンプルな選択もあると思う。苗や園芸資材が手軽に手に入れられることはよいことかも知れない。が、本来、植物との付き合いは、長い時間を必要とするものである。たとえば木の剪定をして、その答えが返ってくるのは、早くて半年、場合によっては数年待たなければならない。移植などをした場合も、木の勢いを取り戻すには、最低3年はかかる。植物には人間とは違う時間が流れている。その違いを楽しめるゆとりが、私たち人間の側にも欲しい。
 この本には、私たちが有機植木屋として、化学的な農薬を使用せずに病虫害の防除を試みた数々の経験が書いてある。もちろん、使いやすい庭のデザインとアイデア、シンプルな暮らし方、自営業の仕事の作り方まで、一挙公開!なんでもかんでも「早い・安い・便利」がよしとされる現代で、庭はまだまだ原始的な作業が伴う場所。どんなに小さくても、庭はいのちのワンダーランドだ。そんな小さな庭から、あなたの暮らしを見つめ直してみるというのもおすすめのオーガニックライフだと思う。

「オーガニック・ガーデン・ブック 庭からひろがる暮らし・仕事・自然」
曳地義治・曳地トシ著 築地書館1,800円+税

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