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2002年6月10日発行171号ピースネットニュースより

「世田谷区安全安心なまちづくり条例」制定に反対する
区内在住 学者・文化人 緊急声明

内藤隆(弁護士)新倉修(青山学院大学教授)國弘正雄(英国エジンバラ大学特任客員教授)小林孝輔(憲法学者)小林忠太郎(農民文化研究所代表)星野弥生(翻訳家)三宅信雄(広島被爆者)三宅和子(「慰安婦」問題の立法解決を求める会)児玉勇二(弁護士)渡辺信夫(日本キリスト教会告白教会牧師)小林繁之(TVプロデューサー)花輪夫二男(世田谷地区労顧問)伊達政保(ジャズ評論家)(順不同)

 世田谷区が6月定例議会において「世田谷区安全安心まちづくり条例」なるものを制定しようとしていることを知り、大きな危惧を抱いている。
 この条例案には、その第5条に「区は、無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律(平成11年法律第147号)に基づく処分を受けた団体等による集団的活動その他これに類する行為により、区民が安全で安心して生活することが妨げられるおそれがあるときは、そのことから生ずる住民の生活への影響等を速やかに調査するとともに、区民が安全で安心して生活することのできる社会の確保に資する事業を行っていくものとする。」
さらに第6条には、「区は前条に規定するおそれがあるときには、そのことから生ずる地域住民の生活への被害等を防止し、区民が安全で安心して生活することのできる社会の確保に資する活動を行う区民等の団体に対し、当該活動に要する費用について、補助することができる。」とある。
 区が本条例案の根拠としている「無差別大量殺人行為を行った団体の規制に関する法律」(以下「団体規制法)は、当該団体の活動を不可能にする「観察処分」や「再発防止処分」を公安調査庁に認めることを内容としており99年の国会審議過程から、適正手続や令状主義を逸脱した、極めて憲法違反の可能性の高い法律であることが指摘されてきた。このような基本的人権を侵害しかねない法律を根拠とする条例が、私たちのくらす世田谷で制定されることは忌々しき事態である。さらに本条例には「その他これに類する行為により」「前条に規定するおそれがあるときには」といった表現によって「団体規制法」以上に運用の幅を持たせており、より憲法違反の可能性の高い条例案であると言わざるを得ない。
 さらに、「区民等の団体に対し」財政支援することを可能としているが、その団体の選定については、きわめて曖昧であり、「情報請求者リスト作成問題」などで行政の調査の在り方などが問題になっている時に、このような憲法違反の疑いのある条例を制定しようとすることは、安全安心どころか住民の不安を増幅するだけである。
 また、このような住民の基本的人権を侵害しかねない条例について、ほとんど審議時間を費やさせずに制定しようとしている世田谷区の姿勢は、司法の判断をも尊重することなく一部住民の転入届を不受理とする対応を続けている事ともあわせて、民主主義を破壊する暴挙であり、看過することはできない。
 私たちは、世田谷区にくらすものとして、「世田谷安全安心まちづくり条例」制定に断固反対する。

2002年6月9日

呼びかけ団体
「公共の福祉」と人権・世田谷連絡会、世田谷市民運動・いち、読書会通信

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