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2002年2月10日発行167号ピースネットニュースより
サンゴもコウモリも守れ!
石垣島・白保のサンゴ礁保全でトラスト運動
白保全国ネットが共有地主募集中
八重山・白保の海を守る会 生 島 融
沖縄県・石垣島の新石垣空港建設計画(カラ岳陸上案)をめぐってサンゴ礁の保護問題が再燃している。
「白保の海と大地を未来にのこす全国ネットワーク」(白保全国ネット)はこのほど、白保のサンゴ礁生態系を守るために、予定地内の土地を共有し空港用地としては売らないトラスト運動を始めた。対象の土地はエプロン部分前面滑走路付近の原野780平方メートル。この土地を外しての空港建設は不可能といえる。共有地主になるための費用は1人5,000円で、白保全国ネットでは1,000人を目標に共有地主を募っている。
このトラスト運動について、20年以上にわたって環境・軍事の両面から新空港建設に反対している白保の迎里清代表は「全国規模で運動を展開し、世界の宝・白保サンゴ礁生態系を破壊する愚行の白紙撤回を求めていく。島の持続的な発展はかけがえのない自然を生かしてのみ開かれる」と話した。これに対し建設推進の大浜長照石垣市長は「島の経済的な自立のために新空港は必要。反対している人たちとは引き続き意見交換していくが、新空港建設は淡々と進める」とコメントした。
新石垣空港建設計画は白保サンゴ礁の保全をめぐって国際的な反対運動が起こり、二転三転したあと1992年に内陸部での計画に変更された。しかし今度は優良農地が破壊されることから地元の農民らが猛反発。沖縄県は再度選定委員会を立ち上げ2000年4月、現在のカラ岳陸上案を決めた。環境への影響はほとんど議論されず、地元の「合意」を最優先した強引な決定だった。
しかしこのカラ岳陸上案も白保地区にあり、かつてサンゴ礁の保護で断念を余儀なくされた白保海上案とカラ岳東案の間の沿岸部に位置している。もっとも近いところでは防潮林を挟んで渚まで数十メートルしかない。前面に広がる海域は北半球で最大最古と言われるアオサンゴなどが群生する貴重なサンゴ礁の海で、環境省は昨年10月国内の重要湿地に指定した。また沖縄県の調査で、予定地およびその周辺には国の特別天然記念物のカンムリワシや、絶滅危惧種のカグラコウモリなど115種にものぼる希少な動植物の生息が明らかになっている。白保全国ネットは、この地域での空港建設は赤土の流出や地下水脈の断絶などを招き、陸海一体となった白保サンゴ礁生態系を破壊する行為以外の何物でもないと反対運動を続けている。
石垣島では現在、滑走路1500メートルの空港があり、130人乗りの小型ジェット機が就航している。年間の乗降客は143万人(2001年)、地方自治体が管理・運営する第3種空港では青森空港に次いで国内第2位。しかし搭乗率は年間平均65%くらいで空港がパンク状態というわけではない。沖縄県は中型ジェット機(260人乗り)の導入と安全運航には2000メートル滑走路の空港が必要としている。ならば、現空港の拡張も可能である。その方が環境への影響が少なく費用も安くてすむ。また不要となった現空港の跡地を基地化される危惧もなくなる。(現空港拡張でもその軍事利用の懸念はあくまで残るが)。しかし沖縄県は地元の合意が得られないとして調査することすらしていない。
1972年の本土復帰以降、沖縄県には5兆円を越える税金がつぎ込まれインフラの整備が行われた。貴重な生き物のいる森はブルドーザーによって蹂躙され、海は陸地開発による赤土の流入や埋立てによって本来あるべき姿をほとんど失った。そして公共事業と基地に依存する産業構造が作られた。石垣島もその例外ではない。住民の25%が公共事業で暮らしており、新空港の建設(国から90%の補助金がでる)に疑問を抱く声は極めて出しづらい状況になっている。かつては集落をあげて新空港の建設に反対してきた白保も条件賛成派が台頭してきて反対運動は厳しい状況になっている。そのようななか沖縄県は3月にも環境アセスメントの手続きに入り、2004年に着工、2011年の完成を目指し突き進んでいる。
※白保トラスト運動の共有地主になってください。
問い合わせは八重山・白保の海を守る会(TEL/FAX 03-3220-3529)まで。
また、以下のサイトをご参照ください。
http://www8.cds.ne.jp/~nature/shirahonokai/indexj.html
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