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2002年1月10日発行166号ピースネットニュースより

2002年、私たちはどこへいて、どこへ向かうのでしょうか?
非暴力と共生の道へ踏みだそう!

ピースネットニュース 青 山 正

暗い幕開けと希望
 21世紀の幕開けは残念ながら私たちの願いとはまったく逆の、暴力と戦争にまみれた1年でした。欧米や日本では「反テロ」を掲げることでこれまでなかなかできなかった思想・表現の自由の制限や基本的人権の侵害を可能としてしまうテロ対策法ができ、あるいは戦争参加へ大きく道を踏み出しました。問題なのはそのことに多くの市民が無自覚に賛同してしまっていることです。相変わらず米国ではブッシュ大統領の、そして日本では小泉首相への支持が高く、それを背景にこれからさらに私たちの願いとは正反対の方向へ突き進もうとしています。
 米国はアフガニスタンへの報復攻撃に続いてさらに他の国への攻撃も準備しているようです。一方日本では小泉首相が年頭の記者会見で戦争体制を前提とした「有事立法」の時期通常国会上程を宣言しました。その次には憲法改悪も具体化する危険性もあります。また日本経済の落ち込みは改善のきざしはなく、デフレ現象が続きさらに多くの企業の倒産やリストラの拡大が危惧されます。そうなるとなおのこと強権型の政治や国粋主義的な言動を望む層が増えるかもしれません。それは先月号で紹介した自称「政治家を目指す奈良県の一高校生」のメールを見ると単なる危惧ではないかもしれません。やはり先月号で紹介したマンガ家の小林よしのり著の『戦争論2』が40万部も売れているということにもそれは表れているのかもしれません。
 ということで21世紀2年目の今年も「お先真っ暗」と新年早々暗くなってしまいますが、そういう中でも希望を見いだすことはできます。音楽家の坂本龍一氏らがまとめた『非戦』という本が昨年末に出され反響を呼んでいます。(ただし出版元は『戦争論2』と同じ幻冬社です。どちらに転んでも幻冬社は得をするわけですね。)アフガンへの報復戦争と日本の参戦体制に異を唱える人々の多様さに私たちは大きな可能性を見いだせます。そして平和を願う声は国内だけではなく、国際的に広がっています。イスラエルとパレスチナの和平に向けた動きは昨年来のイスラエルによるパレスチナへの攻撃により逆戻りしつつありますが、そういう中で12月28日にはエルサレムでイスラエルとパレスチナの双方の平和を願う市民1万人が一緒に集まり暴力と武力攻撃の停止を求めました。お互いの平和共存・共生を求める動きはこれからも大きく育つと思います。

世界と日本の動きは
 米国は今年も戦争拡大の道を突き進もうとしていますが、だからと言ってそれでテロを完全に防げる見通しはなく、むしろ憎悪を広げるだけでしょう。戦争の続行により武器関連の軍需産業は一時は潤うとしても、長期的・全体的に見れば米国の経済の衰退を加速させることになるでしょう。だからこそ米国は自国の多国籍企業に有利な経済のグローバル化を押し進めて、経済面での支配力を強めようとしています。しかし、一方で各国で高まるグローバリゼーションへの異議申し立ての動きや(本誌の田中さんの連載記事をご覧下さい。)、グローバル化の象徴であるファーストフードに対抗するその地域に根ざした食文化を大切にするスローフードへの関心の高まりがあります。あるいは米国のドルや金融投機などによる世界支配とは対極にある、地域通貨の試みが日本や世界の各地で広がりを見せています。
 日本では小泉政権の下で「構造改革」のかけ声が今年も繰り返されていますが、そこには日本経済の矛盾を根本的に解決する処方箋は見あたりません。600兆円を超える日本の財政赤字は、先頃経済破綻し、債務不履行を取らざるを得なくなったアルゼンチンの債務をはるかに上回ります。そういう危機的な経済状態に対し、小泉政権は競争力のない企業の整理と、官営事業の民営化推進、そしてさらなる税金の金融資本への投入などを押し進めることで、しのごうとしているわけです。そのツケは、結局体力のない企業の大量倒産と、大幅なリストラの拡大、そして近い将来に消費税の税率アップとなって庶民の生活を直撃するでしょう。そこに米軍の戦争への自衛隊参加・協力による負担増がのしかかることになります。
 そうであればなおのこと私たちはテロや戦争や自衛隊の派兵問題、あるいは有事立法・改憲の問題、そして経済のグローバル化や小泉政権の「構造改革」がもたらす問題などをバラバラにとらえるのではなく、その中のつながりあった問題を探り出し、世界の市民と共にその問題の解決に正面から向き合っていきたいと思います。それはひとつひとつはささいな取り組みだったり、目に見えにくいことかもしれませんが、世界中の市民の小さな歩みをつなげ合いながら、今年もゆっくりと歩んでいきたいと思います。ピースネットニュースは小さな存在ですが、そうした人々の動きや声を伝えるとともに、21世紀の新たな市民の非暴力と共生の道を広げる役割を果たしていきたいと思います。

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