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2001年11月10日発行164号ピースネットニュースより
「国家秘密法」の亡霊の復活、
そして戦争への道を突き進む日本
平和の種をまき続けよう!
ピースネットニュース 青 山 正
戦争参加法と亡霊の復活
もうまさに「行け行けドンドン」という感じで日本は、戦争協力・戦争参加の道を突き進んでいます。大した議論もないままに「テロ対策特別措置法」が国会で成立してしまいました。かつて自衛隊派兵を可能とした「PKO協力法」においても不充分な国会審議を私たちは問題とし、「市民投票」などで対抗してきましたが、今回はそれ以上に重大な日本の政策変更であるにもかかわらず、あっと言う間に国会を通過してしまいました。これでは国会とは単なる儀式の場でしかありません。(元々そうなのでしょうが、さらにひどくなったと思います。)
2年間の時限立法とは言え、米軍の戦争行為に自衛隊を協力させるという「テロ対策特別措置法」は、まさしく憲法を超越し、実質的な改憲状態であると言ってもいいかもしれません。これでは時限立法にしてしまえばどんな法律でもできてしまうことになりかねません。そしてこの「特別措置法」とともにどさくさに紛れて「海上保安庁法」と「自衛隊法」の改正も一緒に成立してしまいましたが、この「自衛隊法」改正の中に「防衛秘密」の項目が含まれていました。この改正案は衆議院での審議ではほとんど問題とならず、政府も「質問がなかったからあえて説明しなかった」とうそぶく有様です。参議院段階では多少のやりとりはあったものの、結局はあっという間に審議は終わり問題点が放置されたまま成立となってしました。
この防衛秘密への処罰規定は、1985年に自民党が国会に提出して、私たち市民や弁護士・学者・マスコミ関係者が一緒になって、2年に渡るねばり強く広範な活動の末に廃案に追い込んだ「国家秘密法案」(推進側は「スパイ防止法案」と呼んでいました)の内、外交秘密を外したものとほとんど同じです。いわば亡霊がどさくさ紛れに復活したわけです。ピースネットニュースのいわば前身の活動が、私が関わっていた「国家秘密法に反対する市民ネットワーク」でした。様々な市民活動や消費者運動、エコロジー活動に関わっていた市民が協力して、当時最高罰則が「死刑」というとんでもない悪法を成立させないためにアイデアを出し合いながら活動を続け、運動の輪は大きく全国に広がりました。その時の私たちのキャッチフレーズは、活動のスタートに出したブックレットのタイトルの「秘密だらけの日本はイヤッ!」というものでした。そもそも「国家秘密法」という言い方も、この法律の本質は「国家の秘密」を市民から隠すための法律ではないか、ということで私たちが定着させたものでした。「国家秘密法」の廃案後、ようやく情報公開法が制定され、自治体でも政府でも情報公開は当たり前となったにもかかわらず、今回あっさりと「国家秘密法」の亡霊が復活したということは、まさに時代に逆行することです。
マスコミも市民も対象に
この「防衛秘密法」では対象者として自衛隊員などの公務員だけではなく防衛産業の民間企業の労働者も含まれ、さらに「教唆・扇動」そして新たに「共謀」した者も罰則の対象とすることから、ジャーナリスト・マスコミはもちろん一般市民も対象となっています。罰則が減刑され、外交秘密が外されているとは言え、この法律により防衛問題を批判することも調査することも困難となりかねません。そもそも何が秘密であるかは明らかにされず、それを指定する基準ですらはっきりしていないということで、政府の恣意的な運用が可能であり、使い方次第でとても怖い法律になりかねません。情報公開が進んだ一方、いまだ市民が知るべき情報が明らかにされているとは言えない秘密体質を抱えた日本社会で、この法律がもたらす悪影響ははかり知れません。テロ対策の名の下に今回行われた小泉内閣の強行突破的なの制定や自衛艦の派遣は今後大きな禍根を及ぼすことになると思います。
世界を覆う暗い影
このようなテロ対策法は日本だけではなく欧米各国でも制定されましたが、それぞれ人権と報道・表現の自由を奪いかねない大きな問題をはらんでいます。米国でも反戦クラブを結成しようとした高校生が停学処分となり裁判所もそれを支持するという事態が伝えられました。それ以外でも「自由」を標榜してきたはずの米国で、様々な市民の自由や権利が抑圧される状態が伝えられています。「テロ対策」の名の下に今世界で進んでいる事態に私たちは注目し、平和を願う世界の市民の輪で、それを変えていきたいと思います。
アフガンでの米国などによる報復攻撃は、やはり多くの一般民衆への被害を拡大させ、悲惨な難民や死傷者を数多く生み出しています。気化爆弾などの核兵器に匹敵する非人道的な武器も大量に使用されています。それでも米国の当初の思惑通りには「テロ集団」を追いつめてはいないようです。それどころかますますイスラム社会の人々を始め米国とその同盟国への憎悪が深まっています。憎悪がさらなる争いを拡大する悪循環を断ち切るために、私たちは平和を創る具体的な取り組みを続けていきましょう。
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