議論のポイント

 

■朝鮮民主主義人民共和国に対するSIのミッションについて  

社会主義インターナショナル(SI)事務局長のルイス・アヤラ氏は、「南北朝鮮にミッションを送ることは、SIが朝鮮半島における和解と平和に対してコミットしていくための重要かつ具体的ステップのひとつである」と述べました。  アヤラ氏は、直接南北朝鮮の各政党に訪問したい旨の連絡をとり、すでに両国から歓迎するとの招待状を受け取っています。さらに南は金大中大統領、北は金正日総書記とその側近といった政治的トップに会う約束はすでにとれているとのこと。今回のアジア太平洋委員会に、韓国は金大中氏の側近を送ってきており、力を入れていることが伺えます。  訪朝メンバーは、SIのヨーロッパのリーダーを含む6ないし8人で、その中には土井社民党党首も入る予定です。訪問は4月中旬で、準備のために3月末に両国の訪問を計画しています。空路か陸路かを追求しつつ、南北に同時に行くことが重要だとして、団の構成や調整にただちに取り組むといいます。  アヤラ氏は、「朝鮮民主主義人民共和が国際社会にうけ入れられ、朝鮮半島の統一が実現し、そしてそれが後戻りしないように努力したい。まずは、南北の離散家族の交流が積極的かつ永続的に行われるように支援しつつ、この委員会で話合われたことを継続していき、ぜひとも次回のSIの会議には両国を招待したい」と述べました。  EUからの参加者は、「フランスを除いて14ヶ国は国交を回復している。いまKEDOを破棄しようという新しい動きがあることに注意したい。両国の何十万の離散家族の交流のためにセンターを作り、継続をするといい」との発言がありました。  本国の労働党から正式に委任を受けている朝鮮総連は、南北の統一に際しては、民族的自主性の堅持と、連邦制または連合制による統一という方針に理解を求めました。また金正日主席のソウル訪問の実現を願うとともに、離散家族の問題は北と南の2国間の問題であり、暖かく見守ってほしい、との意見を表明しました。  さらに、アヤラ氏は、「中国からSIに招請状が来ており、9月にはミッションを送りたい」との発言がありました。2000年のジュネーブでの理事会に中国はすでにオブザーバーとして参加しましたが、今回は参加がありませんでした。  アヤラ事務局長は、アジアに社会民主主義を強めていきたい、と強い意志を示しています。

■NMD構想について  

EUのグリーンスパン氏は、「アメリカの全土ミサイル構想(NMD)は、アジアに新しい軍拡競争を引き起こすものとして、宣言に言及すべきである」と述べました。私は、「NMDはコストも膨大で、効果も疑問であるにもかかわらず、この構想への参加は日本に手錠をかけるものとなろう。これは中国、ロシアの軍拡競争をもたらし、インドからパキスタンに波及する危険がある」と主張しました。  しかし、韓国から「NMDは、未決定とはいえ破壊的な軍拡となる可能性がある。日本の軍事力増大、北東アジアにたいする影響を懸念する」と言明しつつも、「米韓首脳会談を3月7日に控えており、政治的な影響を考えると、具体的な結果をもたらすような直接的な指摘は控えてほしい。ミサイル構想批判は総合安全保障構想の中にとどめるべきである」という発言がありました。ドイツからも、「韓国と同じ懸念と不安を共有する。新たな軍拡競争は、これまでの条約を無意味にするが、現時点でNMD反対を決議文に表現すべきかどうかは検討すべきである。アメリカの新政権は出来たばかりであり、今対決するのは、時期尚早で賢明ではなく、今後の交渉に微妙な影を落とす可能性がある」と、政権与党の立場からの考え深い発言もあり、宣言文にはNMDという文言は入らず、軍拡競争を助長するような計画には強く反対する、といった表現となりました。

■韓国の太陽政策に対する挑戦について  

韓国における太陽政策の4本柱は、「先易後難、先民降官、先経後政、先供後得」。しかしブッシュ政権になって相互主義でいくように、とのプレッシャーがかかっており、韓国は柔軟に考えていきたいと述べました。  また韓国・北朝鮮の両代表から、日本の歴史教科書の歪曲問題が指摘されました。「1982年の検定の際には、国際協調の基準に照らした近隣条項によって修正されたが、今回は日本国内での討論が少なく、近隣諸国の声に耳を傾けないように思う」との意見が述べられました。また、1998年に当時の小渕首相との間で「過去を直視する」という合意のもと、韓国では日本の大衆文化を開放したのに、「韓国は日本に譲りすぎ」という韓国国内の世論の反発が高まっているとの報告がありました。EUの代表からは、家永三郎さんをノーべル賞候補に上げようという動きがあることが伝えられました。  

■マレーシア/フィリピン/ビルマの状況  

マレーシアの古くからの加盟政党である民主行動党からは、グローバル化のなかで民族問題が課題となっており、マハティール政権のもとで相変わらず平和と人権の蹂躙が行われていることが伝えられました。そして、社民主義の価値を高め、人道的社会を築きたいとの決意表明がありました。また、フイリピンでは、改革は半分しかすすんでおらず、昔の官僚の助けを借りなければならないという矛盾が存在することが述べられました。  ビルマにおいては、アウンサンスーチー女史の軟禁が解かれていないこと、そのためにSI等外部からの支援が必要だという意見がビルマ代表からだされ、これに対して、これまで通り監視の眼をゆるめるべきではない、という強い意見表明がEU諸国からなされました。


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