「辻元清美前議員秘書給与問題について(補足報告と提言)

 

2002年4月3日

社会民主党辻元前議員秘書問題調査委員会


○委員長(真鍋賢二君) 次に、大脇雅子君の質疑を行います。大脇雅子君。 ○大脇雅子君 日本国憲法は九条で戦争放棄を規定しておりますので、その下にある法体系は当然ながら戦時体制を想定しておりません。した がって、自衛隊が動こうとすると、憲法の枠内、一般法体系の規制を受けることになります。  現在、有事法制の制定が閣議決定されたと言われておりますが、有事の範囲、その対応の範囲はどのようなものでしょうか。総理です。 ○国務大臣(福田康夫君) 有事の範囲ということでございますけれども、国家と国民の安全を守るため万全の備えをするということは、これは もう政府の基本的な責任でございます。外部からの武力攻撃のほか、大規模テロ、武装不審船事案等を含め、様々な国家の緊急事態に対して、 全体としてすき間なく対応することが必要であると考えております。中でも、我が国に対する武力攻撃の事態への対処については、法制上の不備 を是正することが長年にわたる重要な課題となっておりますので、そのようなことを踏まえ、法制の整備を急ぐと、こういうことになっておるわけであ ります。  武力攻撃の事態におきましては、我が国の平和と安全を確保するため、個別的自衛権の範囲内で必要な処置を整備することは当然のことと考 えております。 ○大脇雅子君 武力紛争というのは現在非常に多様化しております。今、大規模テロ、武装不審船、武装工作員、サイバーテロ、ゲリラによる限 定攻撃、ミサイル攻撃、これらすべてが入るというお考えですか。それとも、この中で切り離されるものがあるのですか、ないのですか。 ○国務大臣(福田康夫君) ただいま私申しましたように、国家と国民の安全を守る、こういうための万全の措置ということでございまして、個別 具体的に項目を挙げればいろいろあると思います。そういう国家の緊急事態に対して全体としてすき間なく対応するということでございますから、す き間を埋めるようにいろいろな事態を考えているわけであります。 ○大脇雅子君 テロ対策特措法との関係で、大規模テロや武装不審船、武装工作員、サイバーテロは切り離すというのが従来の政府見解では ありませんか。 ○国務大臣(福田康夫君) 昨年の米国のテロ事件、ああいうような国と国民の安全を確保する、しなければいけないというそういう事態に対し て、いわゆる有事への備えをなすのみだけでなくて、大規模テロとか武装不審船というような事態に対しても万全を期す必要があると、こういう考え 方をしているわけであります。 ○大脇雅子君 今までの政府の考え方が変更されたような感じをするのですが、更に精査をいたしたいと思います。  有事における安全保障会議の開催、それから対処基本方針、対策本部の指揮権というのは総理にあります。日本有事の際、在日米軍又は極東 米軍の指揮官というものはだれになりますか。そして、この指揮権はどのような形で協議をされるのですか。 ○国務大臣(福田康夫君) 我が国に武力攻撃が発生した場合には、自衛隊又は米軍、これは日米防衛協力のための指針、ガイドラインにおい て記述されておりますように、これは双方緊密な協力の下、各々の指揮系統に従って行動すると、こういうことになっております。ただ、この際に、 日米両政府は整合性を確保する必要があると、こういうことがございまして、また、適切に共同で対処するという必要性もございますから、日米間 の調整メカニズム、この調整メカニズムでもって必要な調整を行うと、こういうことになっておるわけであります。 ○大脇雅子君 総理にお尋ねしたいのですが、そのような調整メカニズムということは日米防衛協力ガイドラインで言われておりますが、これから 定められようという有事法制のときにそうした米軍との共同行動の場合の指揮権は、日本側は総理ですが、相手方はだれかとお尋ねしているんで すが。総理にお尋ねいたします。 ○国務大臣(福田康夫君) 日米防衛協力のための指針において行動するという場合には、その米軍側の指揮は米軍の司令官が行うということ であります。 ○大脇雅子君 これは総理に是非お尋ねいたしたいと思います。  日米双方の意見が違ったときはどういうふうにされますか。総理です、総理。 ○国務大臣(福田康夫君) 先ほど申しましたように、調整メカニズムというものがあるわけでございまして、その調整メカニズムにおいて必要な 調整を行いつつ双方で指揮を行っていくということでございます。 ○大脇雅子君 ともかく総理にお尋ねします。  指揮及び調整の肝心な内容が不明確だということでありまして、ともかく国の独立性、自主性、それはどこで最終的に担保されるのか。意見が違 ったとき、総理はどうされるんですか。それをお尋ねします。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その時々の状況を見て、調整しながら、どちらが指揮を取るべきかと判断すべき問題だと思います。 ○大脇雅子君 どのように具体的なプロセス、手続で調整をされるおつもりですか。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) その状況によって違うと思いますが、緊密の連絡の下に調整する必要があると思います。 ○大脇雅子君 具体的に、日本の独立、自主性を担保するための総理としての言わばイメージ、余りにも漠然としておりますので、もう少し具体 的に述べてください。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) 御質問も漠然としているものですから、答えも漠然とせざるを得ない。 ○大脇雅子君 それでは、ゲリラによる限定的な攻撃が行われて米軍の合同的な支援が必要になり、日本の自衛隊が行動しなければならない とき、指揮権は米軍に移譲されるのですか。どうやって調整されるのですか。ここが今まで一番はっきりしていない。まあ一体的なシナリオとか調 整メカニズムとかと言われながら、裏には口頭密約があって指揮権は米軍に移譲されているというようなことも言われているわけですから、一国 の、私たちの国の独立を担っておられる総理にとっては、この場合、ただいま申し上げましたような場合に、米軍への移譲があるかどうかということ も含めてお尋ねを、いただきたいと思います。 ○内閣総理大臣(小泉純一郎君) テロがどこで起こるか分かりませんが、日本領土内におきましても、米軍基地内で起こった場合と日本国内 内部で起きた場合、いろいろ違うとこれは思います。それぞれの状況を見ながら調整してやる必要があると思います。 ○大脇雅子君 余りにもあいまいでありまして、国民を不安に陥れる答弁だということを申し上げまして、質問を終わります。(拍手) ○委員長(真鍋賢二君) 以上で大脇雅子君の質疑は終了いたしました。  これにて締めくくり質疑は終了いたしました。  以上をもちまして、平成十四年度総予算三案に対する質疑は終局したものと認めます。

 


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