ニッケル水素電池がやって来た!


家庭ゴミの中でもやっかい者の1つに電池があります。最近の乾電池は水銀を使わなくなったものが多いため、以前ほど「危ない」ゴミではなくなったものの、やはり“使い捨て”であることには変りはなく、捨てるたびに心が痛むものです。

特に小さな子どもをお持ちのお母さまからは、「最近のおもちゃは電池を使うものが多くて、子どもが産れてから電池の消費量が増えた」などという声もよく聞かれます。

ものの大切さを教えることこそ真の教育、と思いつつも“泣く子となんとやら”には勝つことも出来ず、頼みの充電式電池にはニッケルカドミウム(俗称ニカド)電池しかなく、「カドミウム」などという恐ろしげな物質の名前を聞いて二の足を踏み、日々心を痛めながら電池を捨て続けている方も多いのではないでしょうか。

そんな悩めるお母さまに、強い味方が登場しています。ニッケル水素電池です。

ニッケル水素電池は、ニッケルと水素吸蔵合金と呼ばれる特殊な合金を電極として電気を発生させる充電型電池で、従来のニカド電池や鉛電池に比較して(1)カドミウムや鉛といった有害物質を含まない、(2)よりたくさんの電気を蓄えられる、などの特徴を持っており、将来の電気自動車のバッテリーや太陽光パネルの補助バッテリーとしても有望視されている電池です。

電気自動車に使えるような大容量のものについてはまだ研究開発段階ですが、家庭用電池については、現在、次々と商品化が図られています。

views.gif (32449 バイト)まずは、95年の暮れ頃から東芝の単三型とガム型が一般市場でも入手可能になりました。ほどなくして日立の単三型もお目見えしました。96年の6月頃には東芝が遂に単一〜単四・ガム型のフルラインアップをそろえるとともにプライスダウン+性能20%アップという離れ技をやってのけてくれました。最近ではSONYもガム型を発売し、市場では見かけないものの松下も商品化しているという情報もあり、各社がこぞって開発にしのぎを削っている様子がうかがえます。

私も何個か購入してみましたが、例えば携帯用CDに使用してみると、それまでのニカド電池では1回の充電でCD2枚程度しか聞けなかったのに対して、CD4.5枚分まで連続動作するなど、非常に良好な結果になっています。ただ、生産を始めたばかりということで、まだ性能にばらつきがあるのでしょうか。日立の単三型を時計に入れたところ、何度充電し直しても一週間くらいで放電しきってしまう現象が見られています。これについても東芝の電池に交換したところ問題なく動作しています。

価格はニカドに比べればまだ高いものの、使い捨て電池に比べればずっと安くなります。ニカド電池を扱っているような大型電気店であれば扱っている筈です。悩めるお母さま、是非一度お試しください。

注意:
ニカド・ニッケル水素とも電圧は1.2V(通常の乾電池は1.5V)です。機器によってはこの電圧では動作しないものもあります。特にファミコンなどコンピュータ関連機器は今のところ動作しないと考えた方がよいでしょう。おもちゃの模型・ぬいぐるみ・時計などであれば、まず問題なく動作すると思いますが、一度にたくさん買わず、確認しながら切り替えましょう。


(この記事は、未来バンク機関誌「未来バンクニュース」1996年秋号に掲載されたものであり、一部最新の状況とは異なっている場合があります)