のじれん・通信「ピカピカのうち」
 

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のじれん行動報告


Nojiren Weekly Schedule
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黒岩大助

 夏もようやく終わった。じりじりと降り注ぐ直射日光も、うだるような熱帯夜も、よくのりきったものだ。泉谷しげるじゃないが、「夏をのりきる力もない」わけでは決してない。路上には路上の力がある。仲間の数だけ、生命の息吹がある。あっという間に冬だ。仲間にとって、一年は夏と冬しかないようだ。この秋、仕事を探せて、仕事に通える施設=自立支援センターの開設問題もいよいよ正念場を迎える。夏の地獄をのりきったその力で、全都、全国の仲間とともに、何がなんでもかちとる決意である。

 *6月2日(水)

 渋谷区と野宿の仲間の衛生・保健問題について団体交渉。渋谷区には、この数年来、仲間が定期的に利用できるようシャワー設備(夜間温水装置で一日数人しか利用できない)の改善と結核検診などの健康診断を含めた街頭相談の実施を求めているが、なかなか行おうとはしない。7月20日。野宿者・人権資料センター主催のシンポジウムで。福祉事務所からは池山保護課長、菊池管理課長、河上相談係長、保健所からは前田予防課長が出席、5月17日に提出した要望書に沿って回答。シャワーについては、もともと6年前、病院に行く仲間のために設置し、その後就労用にも利用させていたが、それ以外の利用者が多く、「本来目的」である病院と就労の仲間を優先的に利用させることで、設備の改善は考えていないとのこと。街頭相談については、国が「街頭相談の充実」の方針を出したことで、「一歩前進」したというが、具体的な時期、内容については触れず。また自立支援センターでは、2月以来中断していた「実施要綱策定検討委員kない」が6月4日にようやく再開することが明らかに。(別稿参照)

 午後代々木公園管理事務所と月一回の特別一斉清掃について団交。具合の悪い仲間や当時仕事の仲間は事前に言えば、片付けなくてもいいこと、雨の日は中止することを再確認し、その上、留守の場合はメモ書きを貼っておけば撤去しないこと、当日雨が予想されるときは事前に中止の知らせを張り紙することを確約。また病気の仲間には福祉との連携を密にして対応すること、警察をむやみに介入させないこと、冬季の中止について前向きに検討することを約束した。

 *6月7日(月)

 渋谷区議会福祉保健委員会にシャワー設備の改善と街頭相談の実施を求めた陳情書を提出。

 *6月10日(木)

  福祉保健委員会で審議。肝心の陳情の中味には触れず、その間わずか3分!(翌11日、不採択決定)

 *6月11日(金)

 5月27日に続き、全都各地の仲間とともに自立支援センター開設について台東区団交。4日の「検討委員会」の内容を聞くが、保護課長は「相手(他区)もあるので話せない」の一点張り。開設遅延の責任が一番重い台東区(自区内での本格実施が有力視されていたが、今年に入り区内のゴタゴタで棚上げ、3月の団交では、5、6月中の既存施設を使ったつなぎの開設に向け、最大限努力することを約束)のこの態度に仲間の怒りは爆発。

 *6月15日(火)

 渋谷区議会行動。昼休みの区役所前マイク、ビラまき情宣の後、ワッショイの掛け声で議場前まで押しかけ、傍聴。この日の最終本会議では、陳情は取り上げられなかったが、全議員に仲間の存在を突きつける。

 *6月21日(月)

 代々木公園の一斉清掃中止。実際に雨が降らなかったが、前々日から雨模様で、前日中止の張り紙。

 *6月24日(木)

 渋谷区の新橋区民会館で「いつまで待たせる!自立支援センター!」全都野宿者総決起集会。新宿・山谷・渋谷の各団体で構成する全都野宿労働者統一行動実行委員会(全都実)の主催で、都内各地から370人の仲間が結集。7月22日のデモ。渋谷区役所前交差点。この間のセンター開設を求める闘いを振り返って、全都実の運動の力が足りなかったことを率直に反省し、秋までの開設をにらみ、東京都・台東区のみならず、関係各区を徹底的に攻める方針を確認。

 *6月28日(月)

 渋谷福祉の窓口に20人近い仲間が、シャワーの利用を求めて押しかける。

 *7月5日(月)

 シャワーと街頭相談をかちとる渋谷区行動。過去最高の70人近い仲間が結集し、情宣行動の後、ワッショイデモで区役所に乗り込む。庁舎設備を管轄する総務部経理課管財係、健康診断を管轄する保健所予防係の窓口に押しかけ、それぞれ来週までに検討し回答することを約束させた。この間、まったくこの問題に関係ない総務課が交渉の妨害を繰り返し、渋谷署公安刑事を要請した。最後に出向いた福祉では、保護課長がシャワー・街頭相談や、自立支援センターについて、「知りません」の一点張り。

 *7月6日(火)

 全都各区追及行動第一弾。午前の豊島区では、池袋署の厳戒態勢をはねのけて、区役所前でシュプレヒコール。代表交渉では、開設に向けて積極的に動くことを明言。午後は23区の連絡調整役の幹事長区であり、「検討委員会」の副委員長(委員長は東京都福祉局生活福祉部保護課長)である練馬区。7月中下旬にも「検討委員会」を開くために各区に働きかけること、その内容を28日に報告することを約束。

 *7月7日(水)

 全都行動第二弾。午前の中央区では、2日に提出した福祉の対応改善についての要望書について前向きに検討すること、センター開設についても積極的に取り組んで行くことを確約させた。午後の千代田区でもセンター開設について同様の言質を引き出した。

 *7月12日(月)

 渋谷区行動第二弾。シャワーと街頭相談について、検討結果を聞きに出向くが、経理・予防課長ともに「それは福祉のやること」と責任のなすり合い。福祉には、全都実の自立支援センター開設に向けて各区が積極的に動くよう求めた要望書を提出。最初から公安刑事が監視。あれほど執拗に付きまとっていた総務課長が引き上げた直後、一人の仲間が刑事の写真撮影に抗議。突然「公務執行妨害の現行犯」として暴力的に逮捕。福祉事務所内においての前代未聞の不当弾圧。(15日・勾留決定。19日・接見禁止決定。24日・勾留延長決定。8月2日・処分保留で釈放。別稿参照)

 *7月15日(木)

 全都行動第三弾。目の前の隅田川に600人以上の仲間を抱える墨田区に押しかけ、そのやる気のなさを追及。仲間の怒号に押され、区の責任として積極的にセンター開設に動くことを約束する。

 *7月16日(金)

 全都行動第四弾。都庁に対し、庁舎前の座り込みと情宣に続き、ワッショイデモで仲間の声を叩きつける。その後の代表交渉の中で、福祉局生活福祉部長が「冬前までにセンター開設の目処をつける」と明言。去年から三度目の約束。(一度目は去年6月対都団交の「98年度中二箇所開設」、二度目は今年3月台東区団交の「6月までの既存施設を使ったつなぎ開設」)

 *7月20日(火)

 野宿者・人権資料センター主催のフォーラムに参加。仲間が作った弁当も売上好調。

 *7月22日(木)

 午前、代々木公園一斉清掃監視行動。

 午後、「不当逮捕糾弾!シャワー・街頭相談要求!」デモ。各地から80人近い仲間が結集し、炎天下、宮下公園から区役所に進撃、「警察の導入の禁止」「この問題の話し合いでの解決」を求めた要望書、かかる事態の責任者である総務と福祉の課長に叩きつける。

 *7月26日(月)

 渋谷署、7・12不当逮捕でのじれん事務署に家宅捜索。ビラ等を押収。

 *8月4日(水)

 対渋谷区代表交渉。総務からは小笠原総務課長、福祉からは池山保護課長・菊池管理課長が出席。総務は「警察導入は止めるつもりはない」、福祉は「野宿者の深刻な現状は認識しているが、対応できないものはできない」と、今回の事態に至った責任を一切とろうとはせず、まったく誠意のかけらもない態度。

 *8月14日(土)

 第一回渋谷夏祭り。(別稿参照)

 *8月22日(日)

 大阪北区の扇町公園で行なわれた釜ヶ崎パトロール主催の夏祭りに参加。大阪・名古屋の仲間と交流。



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(CopyRight) 渋谷・野宿者の生活と居住権をかちとる自由連合
(のじれんメールアドレス: nojiren@jca.apc.org