新宿ホームレスに“自立施設”
東京都、6月開所目指す 職業、住宅探し支援


JR新宿駅西口のホームレス対策として、東京都は二十九日までに、新宿区内の都 施設を暫定的に使って社会復帰の支援を行うことを決め、住民説明会を始めた。施設 に宿泊してもらって健康、就職などについて都の担当者らが相談にのり、自立を図る もので、六月のオープンを目指している。

支援施設として予定されているのは、元新宿看護専門学校跡地(約五千五百平方メ ートル)にある体育館(約七百平方メートル)。八八年以来、空き施設となっており、 選挙の投票場や倉庫などにしか使っていなかった。

計画では、体育館を約八十人の宿泊施設に改装する。支援対策の期間は六月から来 年三月までの十か月間。新宿駅の西口広場で暮らすホームレスに入所を促し、一人に つき最大二か月間、健康や職業の相談、住宅探しなどの支援をする。常駐職員十五人 を置き、都が恒久対策の拠点として建設を構想している自立支援センターのモデルに する。

都によると、都内のホームレスは現在、約三千三百人。うち約二百五十人が新宿駅 西口周辺で暮らし、地元商店街などが都に対策を求めていた。都と二十三区は昨年七 月、専用恒久施設を五か所に建設するなどの対策をまとめたが、開設場所を巡り難航 実施に向け足踏み状態が続いていた。


97/04/30 読売新聞