2005.11.14
フランス大使館への抗議・申し入れ行動の報告

 大使館に対しては、抗議文・要請に行くとあらかじめ午前中に「通告」していた。

 午後2時頃、申し入れ行動の11人が大使館前に着くや、私服公安警察13名と警視庁第九機動隊約30名がお出迎えで、開口一番「大使館は会うつもりもないし、文書を受け取るつもりもないから、さっさと帰れ。交通妨害だ」と、門前払いの排除優先の構えできた。そこで、しばし押し問答ともみ合いになった。
 「こっちはちゃんと通告してるんだ。受け取るのは義務だ」「警察は余計な邪魔をするな」「ちゃんと取り次げ」「アメリカ大使館だって、ちゃんと対応するぞ」などと抗議すると、「治外法権だからだめなんだよ」「アメリカ大使館は特別なんだよ。中国だってロシアだって受け取らないよ」と、わけのわからぬ反論。

 しばしのち、代表団ということで荒木(山谷争議団)が、門のところまで行くことになり、そこで出てきた大使館職員(?)の日本人に話をする。しかし、要請を受け取ることはできないとの一点張りだった。
 荒木は「受け取り拒否の理由を説明せよ。大使館側の対応がこちらに不本意なものだとしても、それはそれでそちらの対応なのだと理解するので、とにかく説明せよ」と言ったが、それには一切応えず、こちらが何を言っても無言。どうしようもないので、その場で抗議・申し入れ文を読み上げ、その紙をまさに職員にたたきつけ、戻ってきた。
 その後、車道をはさんだ反対側の歩道で、抗議情宣を行った。「フランスの若者たちの闘いに連帯するぞ!」「フランス政府は弾圧をやめろ!」「逮捕者をすぐに釈放しろ!」「持たざる者たちは連帯して闘うぞ!」などとシュプレヒコール。11.3「持たざる者」の国際連帯行動で使った横断幕やプラカード、フランス語のメッセージ、「NO VOX」の鮮やかな横幕も登場して、それなりに盛り上げたので、館内からは何事だと大使館関係や出入りの関係者などが注目していた。
 文書の受け取りすら拒否し、その理由の説明すらしない大使館側の対応は、まさに貧困者・移民労働者の声を黙殺してきたフランス政府の姿を、東京においてもさらけ出したものだ。私たちは、MIBやNO-VOXのコミュニケから受けたフランス政府に対する怒りを、改めて大使館の前で感じることになった。今後、フランスの情勢を見ながら、今後も直接行動や論議・学習の場などを追求しようと確認し、解散した。今回の行動は約30分で終了した。
 今回の大使館行動は、私たち「持たざる者」の国際連帯行動実行委としては、初めてのことだった。いくつかの反省点もあるが、これを基点に今後もこのような連帯行動を行っていくことが重要であることは、参加者の一致した認識であった。