フランス社会運動団体(APEIS, CDSL, DAL, Droits Devant, No-vox)コミュニケ

2005.11.10

『悲惨の種を蒔く者は、嵐を収穫する』


 数年にわたる抑圧と侮辱ののちに、低家賃の公営住宅が集まる地区の若者たちは先鋭化し、クリッシースボワでのふたりの若者の死ののちに、まさしく都市ゲリラのごとく、行動に出た。彼らは10月27日以来、警察と政府に立ち向かっている。彼らはニコラ・サルコジの辞任を求めている。

 抑圧はエスカレートしていき、暴力の火に油を注いだ。シラクとドヴィルパンはイルドフランス全域と多くの都市部に非常事態を宣言した。庶民、つまり持たざる者や移民や貧困層の地区の住民は、このような事態、つまり、恐怖、人種差別、原理主義にエサが与えらる事態になったことの最大の犠牲者である。

 サルコジは内務大臣になって以来、挑発を続けた。
─パリの老朽化した住宅で50人以上の死者を出した火災に対して、彼が指示したのは劣悪な居住環境にある者の立ち退きであった。
─非正規滞在者狩りを次から次へと行い、外見だけで尋問を行い、子どもすらがその対象となった。
─「社会のクズ」など、言葉による攻撃をしてきた。クリッシースボワのモスクのなかで女性の祈りの部屋に警察が侵入することを遺憾としなかった。

 この「都市一揆」は、こうした地区で政府がとってきた政策、スティグマ化、抑圧、仲介的な役割を担う社会的ストラクチャー(訳注:市民団体の活動など)の解体、予防措置の解体、低家賃の公営住宅を解体して、不動産投機をやりたい放題やらせ、失業率、とくに若者の失業率が記録的に高くなるなどの結果、によりもたらされたものだ。

 政府も責任を逃れられない。というのは政府は新自由主義的な改革を休みなく続け、社会的権利や公共サービスを崩壊させ、貧困を蔓延させた。近年の重要な社会運動や投票の結果(訳注:EU憲法の否決)も考慮しなかった。民主主義的に訴える方策は尽き果て、警察国家に近づいている。

 貧困な地区の住民、若者、年寄り、フランス人、移民、失業者、働いている者、社会的に脆弱な立場に置かれている者、劣悪な住環境にある者、「持たざる者」の運動、市民団体、労働組合、誰もが以下のことを要求するために集まることを呼びかける。
─非常事態宣言を今すぐ撤回し、貧困な地区の抑圧をやめること。
─差別と人種主義を煽るような現在の政治をやめること。このような政策は強い者をより強くし、社会的不平等、失業、社会的不安定、住宅危機、貧困、社会的排除など、若者の都市蜂起の根本的な原因を拡大するだけである。
─すべての者が、平等、正義、(雇用、収入、住宅、教育、健康・・・など)の基本的な社会権にアクセスできるようにし、貧困と差別を根絶すること。

賛同団体: APEIS, CDSL, DAL, Droits Devant, No-vox

(訳:稲葉奈々子)