イージス艦入港に関する申し入れ 

 
 私たちは、単に反対を叫ぶだけでなく、県に対し、入港不許可も選択肢としながら、仮に入港を認めたとしても県民の安全のために必要な対策をとるよう要求し、8月のカウペンス入港申請の際(入港は台風により中止)および10月のレイクエリー入港に当たって、2度にわたって県へ申し入れをおこないました。
 以下は申し入れ文書です。


1.2004年8月 カウペンス入港に関する申し入れ

新潟県知事                                  2004年8月16日
平山征夫 殿

          米海軍イージス艦「カウペンス」入港に関する申し入れ

                                緑・にいがた(旧「市民新党にいがた」)
                                

 
 報道等によれば、米海軍は新潟県に対し、「友好親善と乗組員の休養」を目的に、イージス巡洋艦「カウペンス」の新潟港への入港を要請しているとのことです。
 米軍は本年3月、MD(ミサイル防衛構想)の一環として、来る9月までにイージス艦を日本海配備する方針を明らかにしており、今回の新潟港入港はその事前準備と指摘されています。北朝鮮のいわゆる「核疑惑」や「ミサイル開発」問題は憂慮すべきであるものの、現在、世界中で国際法や国際世論を無視して相手国にミサイル攻撃をおこなっているのは超大国アメリカのみであり、その米国が「ミサイルの脅威から防衛する」必要性自体、合理的な根拠はありません。この構想は、日本やアジアの平和や安定とは無縁であり、アメリカ自身の軍事戦略と軍産複合体の利益のためであると言わなければなりません。
新潟県は、環日本海の平和と安定のため、そして県民の安全の確保のため、このような米軍の軍事戦略に直接間接に荷担すべきではありません。
 今回入港が予定されているカウペンスは、イラク攻撃で最初に先制攻撃を加えた戦闘艦でもあります。「大量破壊兵器の存在」という大義も無く、多数の民間人の死傷者を出しているイラクへの攻撃は、国際的にも大きな批判に晒されました。平和を望む日本国民・新潟県民として、こうした戦闘に直接参加して多くの無実の人々を殺戮した戦闘艦と「友好親善」することなどあり得ません。また、同艦がテロ攻撃の対象となる可能性も否定できず、港湾や県民の安全を確保することが困難であることから、同艦の入港手続にあたっては、許可しないという方針も含めて検討すべきであると考えます。

 そのような立場から、参考資料を添えて以下申し入れます。(*参考資料についてはこのHPでは省略)

                               記

1.平和と県民の安全確保の立場を明確に
 米軍の艦船、とりわけ今回のようにイラク戦争に直接参加した武装戦闘艦の入港については、「歓迎できない」立場を明確にすべき(資料p9 他の自治体の例を参照)である。また、同艦はテロ攻撃の対象となる可能性もあり、危険な爆弾やミサイルを満載している(資料p1〜p3参照)ことから、港湾や県民生活の安全確保が困難であるとの見解を明らかにすべきである。さらに、入港が許可されたとしても、計画されている友好行事などに参加協力すべきではない。

2.入港許可手続の運用の見直し
 新潟港は米軍からも注目されている(資料参照)が、現行の入港許可事務手続を漫然と続けている限り、どんなに危険な艦船や核疑惑艦船でも入港を認めざるを得なくなってしまう(資料参照)ことから、今回のような武装戦闘艦の入港に関しては、許可手続の運用を以下のような観点で見直すべきである。
 1)県港湾管理条例に昨年追加されたあらたな条項(第3条の2)「知事は、港湾施設の保全又は機能の確保のため必要があると認めるときは、その施設の使用を禁止し、若しくは制限し、又は貨物の取扱いを制限し、若しくは撤去を命ずることができる」を発動することを検討すべきである。
 2)同条例第5条「知事は、(中略)許可に港湾管理について必要な条件を付けることができる」及び県港湾管理規則第2条の3「知事は、(中略)申請書の提出については、当該申請書のほか必要な書類の提出を求めることができる」を活用し、下記「3」等の条件を付与するとともに、@非核証明書 A搭載の爆薬・弾薬の種類と量 B過去の戦闘履歴 等の情報の公開を求めるべきである。

3.県として米軍への要請を
仮に入港が許可された場合でも、以下を米軍に要請すべきである。
 1)港湾内で停泊中、一切の軍事訓練を行なわないこと。また、沖縄県宜野湾市のヘリ落下事故を踏まえ、艦載ヘリ機は発進させないこと。
 2)上陸兵士の規律を確保し、事件や事故の防止に努めること。

4.防災対策の検討を
横須賀では原子力艦事故を想定した防災対策が策定されている。カウペンスは核弾頭搭載可能なトマホークをはじめ、多数の通常爆弾や劣化ウラン弾を持っている。テロ攻撃や事故でこれらの爆発炎上という事態も、想定しなければならない。これらの対策も図るべきである。

5.地位協定の見直しについて
米軍艦船や兵士による事件や事故に適切に対処するため、本県も当事者として、今後、日米地位協定の見直しを積極的に国に求めていくべきである。



2.2004年10月「レイクエリー」入港に当たっての申し入れ



新潟県知事                                  2004年10月8日
平山征夫 殿

             米海軍イージス艦入港にあたっての申し入れ
           −県民の安全確保のため、自治体の機能権限の活用を−

                                 緑・にいがた(旧「市民新党にいがた」)

 報道等によれば、米海軍イージス巡洋艦「レイクエリー」の新潟港への入港申請に関し、県は許可する方針と聞いております。
 私たちは、国際海洋条約や港湾法などの観点から、県がイージス艦の入港をただちに不許可にすることは困難であることは理解します。
 しかし、イージス艦入港の問題点についてはすでに8月16日の申し入れでも述べている通り、新潟港や新潟県民にとって危険な状況を招く可能性が高く、入港に当たって、県民や港湾施設の安全を確保するため、下記のように要請いたします。

                             記
1.平和と県民の安全確保の立場を明確に
 前回の申し入れでも触れましたが、米軍の戦闘艦船の入港については、危険な爆弾やミサイルを満載していることから、港湾や県民生活の安全確保が困難であり、また、新潟港周辺や日本海の軍事的緊張を高めることから、「歓迎できない」立場をあらためて明確にすべきです。さらに、入港が許可されたとしても、友好行事などには協力すべきではありません。

2.米軍艦船の入港は超法規的措置ではなく、国内法令に基づいており、不許可という選択肢も依然ありうるという立場を確認し、明言すること
 米軍の入港は安保条約や地位協定に基づく超法規的措置ではありません。地位協定では単に「入港料の免除」が謳われているのみであり、国際海洋条約や港湾法において定められている「差別の禁止」が唯一の根拠であり、あくまでこれら国際・国内法例に基づいた手続です。
また、 県平和センターの申し入れでも触れられているように、政府は「有事の際でも民間港の使用は港湾管理者の許可が必要」としており、平時においてはなお自治体の管理権が自立的に機能すると言うことが可能です。
もちろん、港湾管理権の濫用や恣意的な差別運用は避けなければなりませんが、しかし、県港湾管理条例でも一定条件下で不許可にすることは想定されており、合理的根拠があれば新潟県は依然「不許可」という選択肢があり得ることを再確認し、それを明言すべきです。また、今回の許可を「前例としない」という立場も明らかにすべきだと考えます。
さらに、国際海洋条約では、軍艦も含めた外国船が国内法令を遵守しない場合、退去を命ずることもできると規定されており、入港および停泊中の艦船や乗組員の違法行為などについて厳しく監視し、問題があれば国に要請するなどの対応を取るべきであると考えます。

3.条例・規則の制限条項の活用を
 上記に関連し、現行の入港許可事務手続を漫然と続けている限り、どんなに危険な艦船や核疑惑艦船でも入港を認めざるを得なくなってしまう(前回申し入れ資料参照)ことから、以下のような観点で許可手続に当たっての権限を活用すべきであると考えます。
 1)県港湾管理条例に昨年追加されたあらたな条項(第3条の2)「知事は、港湾施設の保全又は機能の確保のため必要があると認めるときは、その施設の使用を禁止し、若しくは制限し、又は貨物の取扱いを制限し、若しくは撤去を命ずることができる」を発動することを検討すべきである。
 2)同条例第5条「許可に港湾管理について必要な条件を付けることができる」及び県港湾管理規則第2条の3「申請書の提出については、当該申請書のほか必要な書類の提出を求めることができる」を活用し、@非核証明書 A搭載の爆薬・弾薬の種類と量(特に劣化ウラン弾など放射性兵器) B過去の戦闘履歴 等の情報の公開を求めるべきです。
なお、米軍艦船の入港を阻みつづけている神戸市は「不許可」にしているわけではなく、単に米軍艦船に「非核証明書」を求めることによって結果的に米軍艦船が入港を避けているという実態があり、上記のような情報公開は有効な方策であると考えます。

3.県として米軍への要請を
報道によれば、前回新潟港入港を中止したイージス艦「カウペンス」が予定を変更して清水港に入港した際、静岡県は外務省に対し、核兵器持ち込みのための事前協議があったかどうかを照会した上で、更に、入港するカウペンスに県の担当局長が出向き、乗組員が服務規程を順守するよう要請する内容の英文を艦長に手渡したとのことです。これは、沖縄などで問題になっている米軍関係者による事件事故の頻発という現実を考えれば、当然の、そして賞賛されるべき自治体としての対応のひとつであると言えると思います。
こうした事例なども踏まえ、仮に入港が許可された場合でも、以下を米軍に要請すべきであると考えます。
 1)港湾内で停泊中、艦船及び搭載兵器の安全管理に務め、一切の軍事訓練を行なわないこと。また、沖縄県宜野湾市のヘリ落下事故を踏まえ、「レイクエリー」に搭載されているヘリ機の離発着をさせないこと。
 2)兵士の規律を確保し、上陸した際の事件や事故の防止に努めること。

以上。