ローカルパーティに関する十問十答


Q1.
なぜ今、「政党」をつくるのか?
Q2.なぜ、ローカル・パーティなのか?
Q3.市民運動(組織)と政党の関係をどう考えるか? 選挙に追われて運動がおろそかになることはないか?
Q4.議員の一人や二人が議会で何ができる? 結局は議会内取引きを最優先して市民から離れるのではないか?
Q5.しょせん政党や議員なんて、組織を優先してしまうだけではないか?
Q6.意義はわかるが、自分はそこまではできない?
Q7.いかに変革していくのか? そのプロセスが見えない?
Q8.政治は汚い! 権力闘争に巻き込まれるだけではないのか?
Q9.既成政党と違う組織の在り方とはどんなことですか?
Q10.この党に未来はありますか?


Q1.なぜ今、「政党」をつくるのか?

  A1.これは「政治とは何か?」という問題でもあります。「市民新党」を準備して きた私たちは今までさまざまな市民運動を経験してきましたが、各々の市民運動が目 標としてかかげる人権・環境・平和などの要求を真に実現するためには、政治の在り 方や現代文明、くらしの在り様にまで深く切り込んだ全面的な変革が必要だと考える ようになりました。現在のわが国の政治は、私たち市民の思いからほど遠いものであ るだけでなく、ここ数年の政治の流れは危険で一層耐えがたい方向に向かっていると 強く感じます。いま、40年近く続いた55年体制が崩壊しつつあります。55年体制 は、戦後復興終了後の経済成長政策を推進する財界・自民党とそれを支える労働団 体・社会党によって築かれ、維持されてきました。それがここにきて崩壊した原因 は、冷戦構造の崩壊という国際的な変化のほかに、日本の産業構造の変化や、快楽的 な物質文明の享受とそれへの反省など市民の意識の変化、あらゆる分野における新旧 世代の価値観のズレ、女性の社会進出など国内的な多くの要因があります。このよう な社会の地滑り的変化にもかかわらず、日本の政界は相変わらずリクルート・ゼネコ ン・佐川などの金権腐敗政治の汚職事件が繰り返されてきました。こうした旧態依然 の政治に飽き飽きした国民は、新しく登場した「日本新党」などに期待しました(92 年参議院選で日本新党の得票率は 8.05%で共産党をしのいだ)。そして93年総選挙の 後、政権党自民党が分裂し、細川ー羽田ー村山の各連立内閣の登場という政局激動の 時代に突入しました。ところがこの2年間の政界再編の動きを見て、国民の多くは再 び政治に裏切られた思いを抱いています(最近3年間の地方選挙の4分の1は無投票 選挙、昨年の神戸市長選の投票率は20%、先日の参議院愛知再選挙の40%台など)。 既成政党の多くは政権へのパスポートを入手する可能性を前にして政党組み合わせに よる政権争奪戦に熱中しはじめ、政策の違いが極めてあいまいになってきました。そ して新生党など多くの政党・グループが生まれ、新しそうに見えた日本新党は分裂 し、社会党は基本政策を次々と変更して私たち市民の期待を裏切ってしまいました。  表面上の政局の流れだけ見るのでなく、いまの政治の流れの本質は何かをしっかり 見据える必要があります。それは従来の政治・経済・文化全体の在り方・手法が完全 に行き詰まったことを示しています。そしていま私たちは今後の日本の政治の方向に ついて、新保守主義か市民主義かという2つの道の岐路に立っているのです。私たち は、ささやかな政治体験を持つ主体の交流を通してそういう現状認識に到達し、私た ちの考える政治の在り様を自分たちの手で実現させたい・させなければならないとい う熱い思いを急速に抱くようになりました。そして熟慮し研究を重ねた結果、「市民 政党」が必要だ、しかも今こそ必要なのだと結論づけたのです。(この問いは全回答 に関連しますが、最後にもう一度答えます。) 先頭目次へ戻る
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Q3.市民運動(組織)と政党の関係をどう考えるか? 選挙に追われて運動がおろそかになることはないか?

  市民運動のネットワークではだめか? A3.原水爆禁止運動などの市民運動や労働運動など、大衆運動と既成政党の関係に おいて幾多の苦い失敗例があります。それらについて私たちなりに分析・研究しまし た。その結果、それらの失敗は政党が上から「批判」「指導」することで大衆運動を 分裂させる原因をつくってきたことにある、と総括しました。政党は大衆組織とは別 個に独自の組織として自立すべきであり、決して財界や労働団体などのヒモ付きに なってはなりません。「市民新党」は自立した市民によってつくられ、その事業・活 動は政策の研究・立案・宣伝・普及のほか、各種選挙および議会活動に限定すべきだ と考えます。もちろん党員は党活動のほかは一市民として各種の市民運動や労働運 動、文化運動を行うでしょう。したがって、私たちのローカルパーティは大衆運動に 直接口を出したり指導したりはしませんし、既成政党の人に見られがちな大衆運動を 全くしないような党員は少ないと思います。「政党ではなく市民運動のネットワーク ではどうか?」という市民運動の活動家がいますが、市民運動が取り組む問題の多く は政治や社会の在り方そのものに原因があること、市民運動の要求を真に実現するた めには法・制度・政策を変更したり新設したりしなければならないということを、よ く考えてみなければいけないと思います。  「市民運動か政治運動か」ではなく、私たちは「社会の主人公」「政治の責任者」 なのですから市民運動も政治運動(選挙運動)も主体的にやるべきです。もともと市 民運動は運動自体が目的ではなく、人権や環境、平和などの課題や要求を実現するこ と、そして最終的には民主的で安心できる人間的な社会や世界をつくることが目的で あるはずです。そのための制度や法律を、そしてそのための市町村や県、政府をつく ることは、私たち市民が追求すべき課題の一つではないでしょうか? 一例を上げて 説明すると、例えば市民運動が地方自治を充実させるために既存の税の配分変更や新 たな地方税設置の要求を実現したいと考えた場合、最終段階では国会でその法案をつ くることが必要になります(憲法92条ー地方公共団体の組織及び運営に関する事項 は、地方自治の本旨に基づいて、法律でこれを制定する。地方自治法223条ー普通地 方公共団体は、法律の定めるところにより、地方税を賦課徴収することができる)。  市民運動と政治運動はそれぞれ異なる運動ですからやり方は同じではありません。 その両方の長所・欠点を補い合い、助け合ってやるべきです。どちらがより大事だと いうことはないと思います。どちらも大切です。これまで、私たちの多くはどちらか というと市民運動の経験の方が豊かで、政治のことは「革新政党」に頼るという傾向 がありました。そして政治そのものから一歩距離を置いてきた結果として、今の政治 状況がつくられてしまったということはないでしょうか? 民主政治の在り方を根底から悪化させることになるだろう小選挙区制の問題が大詰めになりそれに対して全力 をあげて阻止する政治運動を展開しなければいけない大事なときに、私たちが今まで 頼りにしてきた政党の地方組織の幹部はCNP農薬反対運動に熱中していました。こ のような党の在り方は私たちだけでなく他の支持者や多くの市民の期待を裏切るもの でした。政党政治運動と市民運動の役割分担についての思想的貧困を表す見本例の一 つです。戦後50年目を目前にして、戦中の大政翼賛化という苦い経験を思い出す必 要があります(政・官・財・マスコミあげての「選挙制度改革」の軍艦マーチのよう な大合唱!)。  もうどこの誰も「何をするべきか知らなかった」と言うことはできません。市民運 動と政治運動の正しい在り方を明らかにしていきましょう。 先頭目次へ戻る

Q4.議員の一人や二人が議会で何ができる? 結局は議会内取引きを最優先して市民から離れるのではないか?

A4.そんなことはないと思います。新潟市で市民派議員を一人送り込んだことで変 わったことが数々ありました。もちろん変わらないこともたくさんあります。社会党 党首が首相になっても変わらないことだらけじゃないですか(否、悪い方にたくさん 変わった!?)。長期安定政権だった自民党政権でも、自民党やそれを支えた財界な どが彼らの思い通りに何でもできたでしょうか? できなかったと思います。それが 議会制民主主義と政党政治というものです。マスコミには問題がいろいろあることを 承知していますが、それでもマスコミ報道によって問題発言をした大臣の首が飛ぶこ ともあります。その意味では、今の社会はどんな人間であれ誰一人自分の思うように できないようになっています。それにもかかわらず金を持っている財界・企業を代弁 する政治家・政党が、権力をつかって何十年もかけて今の利権政治の機構をつくりな がら自分たちに都合のいい政策を通してきたことも事実です。市町村議会から国会ま で、そして首長から大臣、官僚までそのほとんどは何らかの利権がらみの政治家だら けとなっています。それを見て質問のような無力感やあきらめの声が出てくるので しょう。確かに政治にまつわる多くの事柄は複雑で得体の知れない世界のことのよう に見えます。しかし、その政治が米や消費税、医療費など私たちの日常生活そのもの を規定するものである以上、逃れることはできません。  議会制民主主義では、法律に基づかない違法なことは何一つできず、合法的な制度 は一応保証されています(この点で憲法違反の自衛隊の存在の問題は極めて重要で す)。「建て前」より「実態」が大事という議論がありますが、「建て前」も非常に 大事です。「人権」「安全」「平和」や「議会制民主主義」の建て前を否定すること は誰もできません。問題はその中身です。その中身を本物にしていくために、A3で 述べたように市民運動だけでなく、私たちの理念に基づく制度・政策を実現させるた めの本格的な政治運動・政党運動を推進しようというのです。私たちは議会制民主主 義をまだ充分に試したり使いこなしてはいないと思います。既成政党や政治の現実を グチっても恨んでも何一つ変革できない! あなたの不満や怒り・要求は本物です か? もし本当に現実を変えたいと思うのなら、やってみようじゃないですか? 政 策の違いがあいまいで頭数合わせの政権争奪ゲームを傍観するのはもうやめましょ う。 先頭目次へ戻る

Q5.しょせん政党や議員なんて、組織を優先してしまうだけではないか? (政党不信・議員不信・組織嫌い)

A5.そうならないようにお互い気をつけましょう。それだけでなく、なぜ政党や組 織を優先させてしまうのか? その原因や理由について真剣に考えてみましょう。そしてそうならないために何が必 要なのか、その対策を立てましょう。私たちは長時間を費やして「民主的な組織原則 とは何か?」「組織が官僚的にならないようにするにはどうしたらよいか?」などに ついて議論しました。その結果、かなり斬新な会則(規約)ができあがったと思って います。「出入り自由の原則」「サポーター制度」「主体性の重視」「現場主義」 「多数決に代わる歩み寄りの原則」「会議はとりあえずのまとめをする調整の場」 「議員の議会活動における党議拘束なし」「党員や機関の対等の原則(上下関係な し)」「代表を置かない」「スタッフ(役員)ポストの非固定化」などです。新しい 党組織は組織の在り方も新しくなければおかしいと思います。既成政党のようにかけ 声だけに終わらせずに、21世紀に通用する「組織の民主的運営」をスタート時点から 保証する新しい組織(の在り方)を実現させましょう(政党助成金が目当てでとにか く急いで結成しようとする旧連立グループによる新・新党準備会の役員選出の仕方は 旧・旧式談合体質そのもの!)。  議員と支持者・有権者市民との関係の在り方も抜本的に改革しなければなりませ ん。よく指摘されることですが、保革を問わず熱心な支持者は首長や議員の選挙を一 生懸命やるが、当選後、首長や議員を「利用」して仕事や要求を持っていくことにつ いて保守側の人は熱心なのに革新側の人は無関心だということがあります。保守側の この傾向は汚職につながりやすく、革新側のこの傾向は政治や経済に対する無関心を 呼ぶように思われます。その結果、議会政治は密室化した「議員政治」となって利権 政治が横行し、国民は検察による汚職政治家の「捕り物劇」をマスコミの演出によっ て見物するという図が繰り返されてきました。最近はかつての保革・与野党という概 念は意味をなさなくなり、どの政党も平気で有権者に対する選挙公約を無視するよう になりました。ついこの間まではまだ「公約違反は政治家の恥」という倫理観があっ たような気がします。  私たちの考える議員の在り方像は、議員と有権者市民が対等な関係にあって、その 間に活気ある一種の緊張関係を形成し保持するというものです。議員は有権者の議会 代表「議員係」であり議会などを通じて国や地方行政の持つ情報を常に有権者市民に オープンにします。議員が有権者に自分の政策を押しつけたり、有権者市民が自分の 利権を守り拡大しようとして個人的利害の絡む政策を実現させるためにだけ議員をコ マのように扱う、というような既成の議員・有権者の関係にしてはなりません。ま た、ボス的政治家と後援会会員という関係(利害関係のほかに個人崇拝やファン・好 き嫌いの関係など)も改め、政策で一致する政党の議会代表たる議員と有権者の関係 でなければなりません。できればドイツ緑の党のように任期を区切って交代制にする ことも検討されるべきでしょう。 先頭目次へ戻る

Q6.意義はわかるが、自分はそこまではできない? (民主主義の問題)

A6.あなたも私も「社会の主人公・政治の責任者」です。自分の意思がまず大事で す。自分が感じ、思い、考えたことを大事にしましょう。私たちは自分のこと・自分 が生きている家庭・地域・職場・地球のことなど、どんなことでも自分がしたいよう にする権利(自由・主体性)があります。ただし、他の人間・生物にも同様・同一の 権利があるから、それを侵害しない範囲でのみ何をしてもよいというのが近代人権の 正しい考え方です。(「国民は、すべて基本的人権の享有を妨げられない。…侵すこ とのできない永久の権利…」<憲法11条>、「…自由及び権利は、国民の不断の努力 によって、これを保持しなければならない。…」<同12条>、「すべての国民は、個 人として尊重される。…」<同13条>。)  権利の上にあぐらをかいてはいけません。毎日、呼吸し食事し労働し生活するよう に、市民運動し政治運動しましょう。そのための時間や条件がないなら、時間や条件 をつくるために自ら努力しかつ要求しましょう。政治は私たちの暮らしの在り様を左 右します。暮らしの在り様を決めるのは他人でなく自分自身です。他人まかせは誰で もイヤなはずです。自分のことは自分でしたい。政治はみんなのもの、一人ではでき ないから同じ理念と要求を持つ者が政党をつくるのです。やれないことはやれない、 やれることだけやりましょう。あなたにもきっとやれることがたくさんあるはずで す。  市民(わたし)が政治(くらし)を創る時代(とき)です! 先頭目次へ戻る

Q7.いかに変革していくのか? そのプロセスが見えない?

A7.難しい質問ですね。今の政治制度の多くは財界・官界や政権党、既成政党に有 利につくられています。 私たちは、今の法や制度を根本的に変革しようとするわけですが、その変革を今の法 や制度をつかってやるしかないわけです。これは矛盾です。かつて日本や世界各国で 幾つかの政治党派・グループが試みたような議会外変革運動(革命運動)は途上国以 外の先進国ではすべて失敗しています。今でもその有効性を疑わない人もいますが、 少なくとも私たちはその方法でいま日本の政治を変革する可能性はほとんどないと考 えています。とするならば、日本の政治・経済・文化の在り様を変革するのに最も有 効かつ実現可能な方法は何か考えなければなりません。変革するのがどんなに困難だ としても、決して考えることを中断したり諦めたりしてはいけません。それでは今の 政治に対する怒りが本物でないことを表明するだけで終わってしまう。私たちにもこ れだと示すことができる変革のプロセスは今はまだ無いと言うべきかもしれません。 ただ、これまでの政党間の議論や多くの市民運動の経験、専門家の研究、各国の政治 過程などから、そしてこれまでの日本の悪政を反面教師として私たちは多くのことを 学んできています。ですから、それらを基礎に、今まで以上に多くの市民や他のグ ループなどの協力も得ながら、試行錯誤をしながら一歩一歩道筋をつけていけば必ず 変革することができると思います。私たちの理念を基にして、理論的にもしっかりし た研究を積み重ね、現実の問題と格闘する中で具体的な政策を導き出し、それを掲げ ながら私たちがたどるべきプロセスを明らかにする作業を急がねばなりません。そし てそれをわかりやすい形で、党内外の多くの市民に大胆に示すこと、それが私たち 「市民新党」の重要な任務の一つです。 先頭目次へ戻る

Q8.政治は汚い! 権力闘争に巻き込まれるだけではないのか?

  A8.そんな政治(わたし)に誰がした? 「しんとう(準)ニュース5号」に詳説 してありますが、今の政治、とりわけ議会は市町村議会から県議会・国会に至るま で、毎日のように茶番が行われています。ですからだれも議会の討論で物事が決めら れていくなどと信じていないと思います(先に述べたように「建て前」も大事ですか ら、困難な面があるにしろ議会でキチンと議論することもある程度はできるでしょ う。議会は議員が議決するところです。)。「永田町政治」とか「料亭政治」、「官 僚政治」、「金権腐敗政治」「汚職政治」…というように、この国の政治は「○○政 治」という形容詞をたくさん持っています。そのいずれもが市民不在の政治です。長 らくそういう状態を見慣れてきた市民が、「政治は汚い」「権力闘争だ」と思って無 力感を抱くのも無理からぬことかも知れません。しかし、それでは何一つ変わりませ ん。いや、日本の政治は一層悪い方向に向かいます、かつての歴史が示しているよう に。そこで、私たちも立ち上がる決意を固めたのです。今の政治家の姿は私たち自身 の姿を写す鏡です。政治家も官僚も公務員ですが、それを選んだのは私たち自身だか らです。(「公務員を選定し、及びこれを罷免することは、国民固有の権利である。 すべての公務員は、全体の奉仕者であって、一部の奉仕者ではない」<憲法15条 >。)  私たちにも責任があります。今の政治を変革するには、私たち自身をも変革しなけ ればなりません。暮らしの在り様、仕事の仕方、家庭や地域での生活の仕方、政治に 対する態度、そういったすべての問題が複雑に絡み合いながら、今の政治と社会の在 り様を決定しているのですから。そういう意味で、私たちがやろうとしていることは たいへん難しい問題です。私たちは、既成政党のように大衆迎合的なきれいごとを並 べたり、企業や有権者の欲望をそそるような利益誘導の甘言で票を稼ぐようなやり方 をしないで、将来を中長期的にしっかりと見据え、批判対象である現代文明にドップ リ漬かった私たちの生活の在り様をも変革する政策を明確に掲げてたたかうことにな ります。ですからすぐには市民の理解が得られないかも知れません。そして「土木事 業を縮小したり原発をやめたら会社の仕事が減る!」「父ちゃんが首を切られる」な どという批判に対しても、キチンと応えていかなければなりません。  現代文明と現代社会は、相当深刻な矛盾を抱え込んだまま袋小路に入ってしまった ようなものですから、大手術しなければなりません。それを政策として政治的にキチ ンと表現し、市民とともに最もよい方法を探りながら変革のプログラムを完成しなけ ればなりません。苦しくともその道は必ずあると思います。 先頭目次へ戻る

Q9.既成政党と違う組織の在り方とはどんなことですか?

A9.生きていて、生活していて、働いていて、運動していて、喜怒哀楽、疑問、不 安・不満、悩みや問題を抱え たときや、新聞などで政治・経済などの動きを見聞きし感じたことを、定期的にグ ループの仲間と会議で話し合ったり悩みの相談(希望すれば)ができるような会 (党)の現場がまずあります。「中央」や事務局やスタッフが「指導」「管理」する のでなく、同じグループの仲間同士で互いに気づきあい、勇気づけあう、個人として 対等な関係を大切にしたい。互いの人格の尊厳と自由な発展を保障しつつ、会員(党 員)個人の日常生産活動(生活)の中から湧き出る創意あふれた意見・主張を出し合 い、活発な議論を経てそれが方針化され、早速実行に移されることになるでしょう (現場主義)。グループ同士も全く対等。スタッフもどこかのグループに属したほう がよいでしょうし、スタッフも個人として全ての会員と対等です。意思決定の場は生 活・職場・グループなどの現場であり、グループ会議やスタッフ会議、総会はそれら の調整の場・機関です。場や機関は意思を持たないし持ってはなりません。情報を流 すパイプ・通路に過ぎないのです(官僚主義の否定)。 (脳・中枢神経が手足や臓器より優位であるという考えは誤りです。手足や臓器がう まく動くように脳・中枢神経は対等の立場で自分の役割を果たすことでそれらの仕事 を手伝うのであって「命令」するのではありません。<現代医学の大脳神経生理学批 判>。脳・中枢神経中心主義が「科学的」装いで蔓延している現状は間違いです。< 似而非科学批判>。)  現場は必要に応じて、事務局やスタッフ(パイプ・通路)を通じて他のグループに 情報を流したり・受けたりすることができます(連絡調整機能)。必要な場合のほ か、定期的に会議(意見交換・意見集約、確認の場)を開きますが、会議は必ずしも 決定することが目的ではありません。個人会員は日常生産(生活)現場やグループ会 議で自分の政治的意見を持ち自ら政策を決定して生き、生活し、働き、行動します。 個人として自由にやればいいのです。グループとしての政治的意思や態度や行動を決 定する必要が生じたらやればいいし、その地域全体や会全体としての政治的意思や態 度や行動を決定することが必要なときはすればよいと思うのです。態度や意見の発表 の仕方は、声明、アピール、宣言などの形で工夫してやればよいと思います。全体に 関係する問題や会則(規約)上の重要な問題は、スタッフや事務局でネットワークを つかって調整するなり総会を開催して相談します。主体性ある現場主義がうまくいっ ている場合は、全体で決めなければならない問題というのはさほど多くはないと思わ れます。  また既成政党のように、入会(入党)の際の承認手続きや懲戒・除名などの処分に ついての会則(規約)は一切ありません。暗い・閉鎖的・官僚的・権力的・非民主 的、…これらの言葉でイメージされるような組織の在り方は嫌いです。そんな組織な らはじめからつくるのはやめにしましょう。 先頭目次へ戻る

Q10.この党に未来はありますか?

A10.それは、あなた自身とわたし自身、私たち市民自身のこれからにかかっている と思います。私たちの掲げる理念は間違っていないと思います。理念から導き出され る基本政策はもっともっと研究する余地があるでしょう。具体的政策については、さ まざまな分野の仕事をしている市民、いろんな要求を持つ市民からどんどん学んでい く必要があるでしょう。ただし政党は「全体性」「総合性」を失ってはいけないと思います。もちろん政党政治ですから、出発においては理念や基本政策に賛同する市民 の利益を守るために活動するわけですが、その理念が全人類の歴史的な観点から、 否、全生命・全地球(全宇宙)的な観点からみて間違いのないもの、いわば普遍的な 原理・価値の実現を目指しているものであるならば、私たちの行く末は明るいと思い ます。先進国の集団エゴであったり、ある国の特定のグループの利害だけを守るよう な政党であるならば、それは遠からず消滅するでしょう。常に初心を忘れず、やれな いこと・不十分なこと・弱点などは謙虚に認め、それらを克服していくよう努力しな がら一歩一歩未来に向かって歩いていきましょう。 先頭目次へ戻る
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