河村たかし名古屋市長の発言に強く抗議し、直ちに撤回を求める


南京大虐殺は歴史的事実である

 私達はこれまで幾度となく、目の前で家族が、村人が虐殺された南京大虐殺の生存者証言を聞いた。また、手当たり次第に殺しまくったという、元日本軍兵士の証言も聞いた。中国にも日本にも多くの資料があるし、また日中共同研究もある。南京大虐殺の事実は覆い隠すことはできない。これは論ずることではなく、真摯に直視するべき歴史的事実である。

河村市長は、名古屋の歴史を学ぶべきである

 河村市長は、1945年の名古屋大空襲をよもや否定をしないであろう。であるならば、それ以前に名古屋で編成された旧大日本帝国陸軍第3師団が中国戦線でなにをやってきたかに思いをいたすべきであろう。宣戦布告なきままの中国侵略、1937年南京攻略の直前、上海での激闘、そして南京、直後の徐州、大陸打通作戦に至るまで、名古屋の兵士は、ほかならぬ中国民衆の生活と命を蹂躙し、また彼ら自身も多くの戦死者を出した。南京大虐殺は、その一連する歴史を象徴するひとつの出来事である。南京攻略戦の最高司令官は名古屋出身の松井石根であった。名古屋市が南京市と友好都市提携を結ぶとき、この歴史の反省から始まったのではなかったか。

発言を撤回し、日中友好の新しい未来を。

 河村市長は歴史の反省にたって、発言を撤回し、南京市との友好関係を再構築すべきである。名古屋における戦争の歴史は地元の出来事だけではなく、中国侵略の反省でもあることを若い世代にきちんと伝えるべきである。
 河村市長は、三ヶ根山に詣でる前に、まず南京大虐殺記念館を訪問し、その事実とそこで向き合ってみてはどうだろうか。
 「前事不忘 後事之師」という。日中国交正常化40周年の年に、日中友好の新しい未来を築くべきであろう。


2012年3月5日
                     ノーモア南京の会(代表 田中宏)