日韓協定締結過程の問題に対する

日韓NCCの共同声明

“キリストこそ私たちの平和です." (エペソ2:14)

韓国と日本のNCCは、韓国政府が去る1月17日、1961年から1965年の間に遂行された韓日外交文書公開によって明かされた日韓協定締結過程の問題点と以後の解決策に対して次のような立場を明らかにするものである。

今日、私たちが日韓両国の過去の歴史問題に言及するのは、私たちが自らのアイデンティティを正しく確立し、韓(朝鮮)半島と東北アジア全体に、神様が本当に願うキリストの平和と共生の未来を共に開いて行くためである。

私たちは過ぎ去った事に対する正しい清算と責任の確立こそが、今後の韓国と日本の正常な関係を発展させ、現在、北朝鮮と日本の間で膠着している日朝国交問題などに肯定的な影響を与え、結果的には、東北アジア全体の平和に貢献する重要な転機になると確信する。

ここに韓国と日本政府に具体的に以下の事項を要求する。

韓国政府に要求する

1. 韓国政府は日韓条約の再協定を推進しなければならない。

1965年に調印された日韓基本条約'は、国家間で成立した包括的な会談であった。しかし、強制徴兵と徴用被害者に対する個人請求権問題、日本軍慰安婦問題、原爆被害者補償問題、在日同胞の戦後補償問題、サハリン韓国人問題など、当時の軍事政権の誤った歴史認識と徹底されていない調査に起因した協定であったという点で、日韓協定の全文書を公開し、この件の全貌を明らかにしながら日本政府に対して再協定を要求、推進しなければならない。

2. 韓国政府は 個人請求権放棄したことに対して補償策を講じなければならない。

今回の文書公開で1965年に、政府が個人請求権放棄を主導した事実が明らかにされたが、独裁政権下、国家主義的な決定で個人が犠牲になったことに対し、政府は速やかな対策を講じなければならない。

3. 韓国内部の過去の歴史に対する清算の成立のための触媒剤にならなければならない。

今年は、日韓協定締結40周年であると同時に、解放(日本の敗戦)60周年でもある。韓国政府は今回の文書公開を契機に韓国の人々の歴史を再度、確立するために、親日関係法、戦後、民間人の虐殺に対する真相究明関連法など、過去の歴史清算に関する法律を速やかに制定しなければならない。

日本政府に要求する

1. 日本政府は真摯に、過去の歴史の清算と日韓条約の再協定を受け入れなければならない。

日本としては敗戦60周年でもあるこの時点で、過去の歴史問題に対する整理を真摯に行い、両国の間に蓄積されている沈澱物を洗い出さなければならない。この間、日本政府は日韓条約において、韓国の財産請求権に関しては「経済協力方式」で決着したとしている。また、韓国人強制徴兵・徴用被害者、元日本軍「慰安婦」、在日コリアンの戦後補償の問題、等の、個人補償要求、請求権問題は1965年の請求権協定で協議、解決済みとしている。しかし、韓国内においては、条約に日本の侵略を明記し、賠償条約に改正すべきだという声が根強くある。また、国連においては戦争犯罪及び人道に対する時効の不適用に関する条約が、日本は決議に棄権しているが、採択されている。日本政府は過去の責任問題に対する確かなお詫びと、包括的で明らかな賠償が成立する日韓再協定の可能性を受けとめ、新しい日韓、両国の関係発展のために、新たな一歩を踏み出さねばならない。

2. 日韓協定は日韓問題である同時に日朝問題でもある。

私たちは現在、日本人拉致問題で悪化した日朝関係に対して、今回の文書公開を契機に、新たな進展が始まることを期待する。拉致問題の真相究明と解決が求められるのと同様に、植民地支配時代の韓(朝鮮)半島への侵略と人権蹂躙の歴史が、未解決の問題として残されている。日本政府は過去の歴史に対する真摯な謝罪と同時に、東北アジア全体の和解と平和と共生のために、この問題に取り組まねばならない。

2005年1月21日

韓国キリスト教教会協議会     日本キリスト教協議会

会長 辛慶夏           議長 鈴木伶子

総務 白道雄           総幹事 山本俊正

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