小泉純一郎首相が伊勢神宮に参拝しないよう、
強く要請します。

 佐藤栄作元首相が伊勢神宮に参拝して以来、歴代の首相が参拝し続けて、30有余年が経過いたしました。毎年正月三が日後、首相・閣僚らが参拝することは、伊勢神宮が政府と深く結びついた宗教施設であるとの強い印象を国民に与えることはまぬがれません。そのような印象を国民に与えることをめざした参拝なのだと感ぜざるをえません。

 言うまでもなく、政府と宗教法人伊勢神宮とのこのような結合は、厳格な政教分離を定めた日本国憲法の政教分離規定(憲法20条3項)に真っ向から反対します。政府が同神宮と結合し、その祭神「天照大神」を、あたかも国のかみであるかのように扱うならば、それを国民に強制するような結果を生み出します。私たちはそのことを深く憂慮します。

 首相が靖国神社や伊勢神宮に参拝し、それを国民に強いるような結果を生じることは、国民主権、平和・基本的人権の侵害になります。私たちは、私たちキリスト者と国民全体の生命である基本的人権を守りぬくために、伊勢神宮・靖国神社と政府との結合をどこまでも反対します。同神宮への参拝をやめてくださるよう要請します。

2003年12月5日

日本キリスト教協議会(NCC)
靖国神社問題委員会
委員長 須賀誠二

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