内閣総理大臣
小泉純一郎様

パレスチナ和平に努力を求める要望書

ひとたびは絶望的かと思われたパレスチナ問題で、和平交渉が再開されようとしています。繰り返される攻撃に命の危険を感じているパレスチナ人のみならず、絶えず極度の緊張にあるイスラエルの人々の中にも武力支配に疑問をもち和平を求める声が高まり、国際社会もこの悲惨な状態を放置できなくなってきたのです。 

私たち日本のキリスト者は、国際的なキリスト教のネットワークを通して入ってくるパレスチナの人々の悲痛な叫びと、平和を求めるイスラエルの人々の声を聞き、一刻も早くパレスチナの地に和平が訪れることを心から願い、日本政府がこのために精一杯の外交努力をするよう願うものです。

イスラエル建国以来半世紀になろうとする現在も、イスラエル建国によって発生した難民は国に戻ることも出来ず、占領地のパレスチナ人は日夜生命の危険を感じており、その絶望的な反撃に走らざるを得ない人々もいます。このことはその地域に住むイスラエル・パレスチナの両民族の安全を脅かすのみならず、世界平和を不安定に陥れる大きな要因となっています。パレスチナ問題が解決されない限り、いかなる軍事的努力も世界平和をもたらすことは出来ないと考えます。

パレスチナに行って気付くことは、パレスチナ人が日本に好意を持ち、大きな期待をかけていることです。それは日本が難民のために病院や学校を建て、難民支援活動に援助をしていることに対する感謝もありますが、かの地で日本が殺戮を行っていないことが大きな原因だと思います。

今、和平交渉が行われようとする時にあたり、日本政府がイスラエルとパレスチナの間にある根本的な問題の解決に外交努力をするよう心から願い、次のことを要望します。

  1. 日本政府はイスラエル・パレスチナの和平交渉を支援し、和平実現に努力すること。
  1. 今までになされた国連決議を守るようイスラエルに働きかけること。

 1. イスラエルがパレスチナを国として認め、占領地区から完全撤退するよう求めるこ と。

  1. パレスチナ難民の帰還実現のために働くこと。

                      2002年3月28日                             日本キリスト教協議会                             議 長 鈴木 伶子                       総幹事 大津 健一


つぎへ