決議文
―第4回韓国・在日・日本 NCC女性委員会連帯・交流会議を終えて―

 日韓NCC女性委員会の韓国・在日・日本のキリスト者女性は、2001年10月31日〜11月3日、韓国江原道ムンマクのオークバリーに於いて、「東アジアの平和と韓日女性の役割―新しい歴史を創造しよう(レビ記31:22)」という主題で、「第4回 韓国・在日・日本 NCC女性委員会連帯・交流会議」を開催しました。WCC(世界教会協議会)が提唱した「すべての暴力を克服する10年(2001〜2010年)」の最初の年に、韓国・在日・日本のキリスト者女性たちが、東アジアの暴力克服と平和の実現のために集ったことは、大きな意義があったといえるでしょう。

 私たちは、この会議で両国の活動報告と基調講演を通し、アメリカのMD(Missile Defense:ミサイル防衛)政策、テロリズムと報復戦争、日本の参戦法の国会通過と軍事大国への動向、小泉首相の靖国神社公式参拝と歴史歪曲教科書問題、朝鮮半島の分断等が、東アジアはもちろん、アジアの平和を脅かしていることを直視しました。

 また、聖書研究と討論を通し、「正義」という名目のもとに行われる戦争は、人間の傲慢による最大の暴力であり、いかなる理由があろうとも、私たちは決して許してはいけないことを確認しました。テロリズムと戦争は、神さまから与えられたいのちと人間の尊厳を冒し、女性と子どもをはじめとする社会的弱者に犠牲を強います。さらには軍事的対立を増幅し、暴力の悪循環を生み出します。私たちは東アジアに生きるキリスト者女性として、戦争とテロリズムに反対し、暴力によって苦難を受けているすべての人々のいのちを守り、平和を創造するために女性たちの連帯を強めていくことを確認しました。

ここに私たちは、平和のための働き人となるように招いてくださったイエス・キリストの召命に積極的に応え、私たちの立場を次のように表明します。

1.私たちは、テロリズムの犠牲となった人々を哀悼し、全世界で起こっているテロリズムと、アフガニス タンに対する報復戦争の終息を求めます。また、韓日両政府が米国の報復戦争に参与することに強く 反対します。

2.私たちは、米国の自国中心的なMD政策の放棄と、韓日両政府がこのMD政策に加担しないことを  求めます。

3.私たちは、基地周辺の住民の人権と生存権を侵害する米軍基地の早期撤退のために努力します。

4.私たちは、東アジアの平和を脅かす自衛隊派兵と日本の軍事大国化に反対し、軍国主義の象徴で  ある靖国神社への公式参拝に反対します。

5.私たちは、日本政府に対して、日本軍「慰安婦」問題をはじめとした過去の過ちに対する謝罪と補償  を実現するよう求めます。また、日韓両国の間で正しい歴史教育が行われるように努力します。

6.私たちは、朝鮮半島の平和のために朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)に対する経済的支援を続  け、韓国・北朝鮮・在日コリアン・日本のキリスト者女性たちの連帯と交流のために努力します。

7.私たちは、日本による植民地支配と朝鮮半島分断に起因する在日コリアンや北朝鮮からの亡命者、  また、グローバリゼーションによって増え続ける移住労働者の人権を守るために努力します。

8.私たちは、民族や人種に対する差別、他宗教に対する偏見を払拭し、多様性の中において調和のと  れた「生」を生きるように努力します。

9.私たちはすべての暴力の克服と、平和の実現のために、女性の神学的省察と霊性をわかちあい、   平和教育に力を注いでいきます。

2001年11月3日

韓国・在日・日本 NCC女性委員会
連帯・交流会議参加者一同

 

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