関係者各位 

NCC女性委員会の抗議声明をお送りいたします。 

NCC女性委員会
幹事 西原美香子

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沖縄米軍軍曹による女性への性暴力に対する抗議声明

 

 6月29日未明、沖縄県北谷町での米空軍軍曹によっておこされた女性への性暴力事件に対し、日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会は、米軍および日米両政府に対して強く抗議します。

 これまでどれだけの沖縄の女性たちが性暴力の被害を受けたことでしょうか。計り知れない心身の傷の痛みと恐怖の中で、「二度と被害者がでないように」と勇気をもって訴え続けている被害者の少女や女性たちがいます。また、性暴力にあいながらも声をあげることができず、今尚深い傷を背負いながら沈黙の中で生き続けている少女や女性たちもいます。そのような中で、またも米軍兵士による女性への性暴力事件が起き、私たちキリスト者女性は、被害を受けた女性や沖縄の女性たちと共に、深い悲しみ、憤りを覚えずにはいられません。 

 軍隊は、殺人と破壊と略奪の装置です。そのために兵士たちは、日々の訓練の中で人間のいのちの重みや人の痛みを感じる感性を奪われます。兵士に女性の人間としての尊厳を守ことなどできないのではないでしょうか。繰り返される事件そのものが軍隊の本質を明らかにしています。基地がある限り、沖縄の女性たちは、いつ何時米兵によって日常生活が打ち砕かれるかもしれないという恐怖の中で生きなければなりません。私たちは日常生活を平和のうちにおくる権利があります。しかし沖縄の女性たちは、ごく当たり前のこの権利さえ侵害され続けているのです。基地がある限り、女性への性暴力は決して後を絶つことはありません。 

 米軍および日米両政府は、沖縄県民をはじめ、これまでの数多くの被害者の叫びにどれほどの痛みをもって向き合い、真剣に聴いてきたのでしょうか。沖縄の女性たちの悲しみと怒りは、同じ状況にある全国の基地のある街、さらにはアジア各国の基地のある街の女性たちの悲しみと憤りとなって広がっています。もうこれ以上被害者を出すことを、女性たちはけっして許しません。

「日米安保条約」下で基地・軍隊の強化をはかり、米国有利の「地位協定」によって基地のある街の人々の人権を踏みにじり続ける米軍および日米両政府に対して、私たちキリスト者女性は抗議し、以下のことを強く求めます。

一.米軍ならびにアメリカ大統領は今回の性暴力事件に対して沖縄の人々へ深く謝罪すること。

一.被害にあった女性の心身のケアが十分に保障できるよう、具体的な施策をたてること。

一.不平等な日米地位協定を早急に見直し、改定すること。

一.米軍基地・軍隊の撤退に向けて、早急に日米両政府で協議をすすめること。

2001年7月6日
日本キリスト教協議会(NCC)女性委員会
委員長 松浦順子 

*この抗議声明は、内閣総理大臣、外務大臣、米国大統領宛送りました。


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