女性への暴力防止・法整備のための国連ハンドブック――政府・議員・市民団体・女性たち・男性たちに 

国際連合女性の地位向上部
角田由紀子/柳本祐加子:解説 原美奈子/山下梓:訳
矯風会ステップハウス:編

定価1800円+税  A5 168頁
ISBN4-8166-1105-6  C0032
奥付の初版発行年月:2011年03月
書店発売日:2011年04月10日
  
「朝日新聞」2011年11月10日(木)生活欄に紹介記事が出ました
【内容紹介】
本書は、女性への暴力防止法整備のために国連が作成した法律モデルの翻訳です。
女性への暴力を犯罪とし、被害者には、社会的公正と支援、保護と救済策を提供し、加害者には、起訴・処罰を勧告するものです。
各国政府は、2015年3月までに法整備をすることを義務付けられています。

 【著者プロフィール】

◎国際連合女性の地位向上部
国際連合事務局、経済社会局の一組織である。女性の地位委員会、ECOSOC(経済社会理事会)、そして国連総会のジェンダーの平等と女性のエンパワメントに向けた取り組みを支援。
◎角田由紀子 つのだ ゆきこ
1975年に弁護士登録。1986年以来、性暴力、セクシュアル・ハラスメント、ドメスティック・バイオレンスなどの事件を多く扱っている。
◎柳本祐加子 やなぎもと ゆかこ
中京大学法科大学院教員。サバイバーズ・ジャスティスNGOメンバー。女性の暴力被害者支援を講演などにより実施し、国際人権条約委員会へのロビー活動などを行う。
◎矯風会ステップハウス
女性がシェルターに避難した後、6カ月から1年間、生活再建のために利用する民間宿泊所。刊行物『女性たちが安心して生きられる社会を』(2005年)『自分でできる保護命令申立て・改訂版』(2010年)

【目次】
●女性への暴力防止・法整備のための国連ハンドブック
1 はじめに
2 国際的・地域的な法・政策について
3 女性への暴力防止法律モデル
4 女性への暴力に関する法案の起草にあたって踏むべき手順のチェックリスト
●私たちはここまできた    角田由紀子
   ●解説 国連の取り組みと日本の現状   柳本 祐加子
【あとがき】より

まえがき
女性は、世界のどこでも貧富の別なく、殴られ、売買され、レイプされ、殺されている。こうした人権侵害は、個々の女性にとって計り知れない被害と苦痛をもたらすのに加え、社会全体の骨組みをも引き裂きます。
でも世界はこれに対抗しようと動き出し、女性への暴力を喰いとめよう、という気運は世界的に高まってきました。
2008年.国連事務総長は、「UNiTE〜女性への暴力根絶に向けて」と銘打った数年間に亘る世界キャンペーンを立ち上げ、この惨禍をなくすため、すべての協働者に対して力を結集するよう呼びかけました。
このキャンペーンは法律のもつ力を認識しており、掲げた5つの目標の一つは、「すべての国が、2015年までに、国際人権基準に沿った形で、あらゆる形で起きる女性への暴力に取り組み、それらを罰する法律を採択し施行すること」です。
このたび、DAW/DESA 国際連合女性の地位向上部・経済社会局によって作成されたこの「女性への暴力に取り組む法整備のためのハンドブック」は、各国政府をはじめすべてのステークホルダー(利害を共有する個人や団体)が、女性を守る既存の法律を強化したり、新たな法律を策定したりする一助になるものです。
私は、このハンドブックの内容をおおいに推奨し、貴重な議論を重ね、このハンドブックの基盤となる報告書を提出してくださった専門家会議の皆さまに深く感謝します。
女性への暴力に取り組む法整備の枠組みモデルについての勧告は、被害者に社会的公正と支援、保護と救済策を提供し、加害者の責任を明確にするツールとしてたいへん役立つものです。勧告にともなうコメントでは、世界各国の法律の好事例に光を当てます。
過去20年以上に亘って、多くの国が女性への暴力防止に取り組む法律の採択や改正に力を尽くしてきました。法律によって、女性への暴力を犯罪化し、加害者を起訴・処罰し、被害者のエンパワメントと支援をし、予防を強化する事例も増えてきました。被害者は民事救済の利益も受けつつあります。
しかし、各国の法的枠組みの格差もいまだに顕著です。女性への暴力防止に向け、国際的な義務に沿った取り組みを怠っている国は、世界中にまだまだ多いのです。罪を問われない加害者が多すぎ、処罰されずに看過されるケースが後を断ちません。また女性が法的手続きの過程で、再被害に遭う事態も続いています。
包括的な法律こそが、全人的で効果的な対処法を提供できるのですが、こうした法律は、絶えず適正な運用とモニタリング(履行監視)を必要とし、問題解決のための適切な資源が提供されなければなりません。法の精神と規定を運用するにあたって、この分野に取り組む公務員その他の人材には、相応の技能と能力と感性が要求されます。法律は、教育、啓発、地域活動などと一体となった取り組みを周知し、差別的な固定観念や態度を改善し、政策立案に必要な調査と知識の構築を要求しなければなりません。
情報満載の「女性への暴力に取り組む法整備のためのハンドブック」は国連事務総長主導のキャンペーン、「UNiTE〜女性への暴力根絶に向けて」の目標実現に大きく貢献するでしょう。このハンドブックを、すべての政策立案者や関心のある個人に推奨します。

アシャ=ローズ・ミギロ
Asha-Rose Migiro
国際連合副事務総長

【関連書の紹介】
【関連書の紹介】
DVあなた自身を抱きしめて 山口のり子著 1700円 +税
デートDV 山口のり子著 1000円 +税
愛する、愛される 山口のり子 著 1200円+税
傷ついたあなたへ レジリエンス 1500円+税
大切な人を亡くした子どもたちを支える35の方法  レジリエンス 1500円+税
愛は傷つけない ノーラ・コーリ著 1700円+税
恋するまえに デートDVしない・されない10代のためのガイドブック バリー・レビィ著, 山口のり子訳, 小野リか訳 1500円+税