教科書に書かれなかった戦争48

靖国には行かない。
  戦争にも行かない

内田雅敏著

プロフィール
1945年、愛知県生まれ。1968年、早稲田大学法学部卒業。日弁連人権擁護委員会委員、日弁連接見交通権確立実行委員会委員長を経て、現在日弁連憲法委員会委員、東京弁護士会憲法問題協議会副委員長。弁護士としての通常業務の他に、花岡事件、香港軍票問題などの戦後補償請求裁判に取り組む。

主な著書:
『弁護士―“法の現場”の仕事人たち』(講談社現代新書)
『「戦後補償」を考える』(講談社現代新書)
『〈戦後の思考〉―人権・憲法・戦後補償』(れんが書房新社)
『憲法9条の復権』(樹花舎)『敗戦の年に生まれて』(太田出版)
『在日からの手紙』(姜尚中氏との共著 太田出版)
『憲法9条と専守防衛』(箕輪登氏との共著 梨の木舎)
『乗っ取り弁護士』(ちくま文庫)

定価1700円+税
A5判 170ページ 並製
ISBN4-8166-0601-7
C3031

紹介

◆行動派弁護士、内田雅敏の最新論集!
憲法改悪、自衛隊海外派兵、靖国参拝、治安強化、監視社会の動きに抗し、
平和・憲法九条・人権を守るために

★あなたは息子を靖国に祀られたいですか。若いあなたは靖国に祀られたいですか。憲法9条が改悪され、徴兵制がしかれれば、靖国に祀られるのはあなたの息子たちで、若いあなた自身です。国のために若い命を死においやリ、ヤスクニに祀るのはやめましょう。「靖国」を不戦争神社にし、桜の開花宣言場所にとどめることが相応しいことです

目次

「ニイタカヤマノボルナ」 
  吉田司(ノンフィクションライター)
知覧と国立競技場
   ――国家による死者の剽窃と英雄伝説
違憲判決を「自らの責務」と考えた裁判長
   ――福岡地裁「靖国」違憲判決
靖国問題の本質
   ――靖国イデオロギーから訣別できない日本社会
違憲を見逃さなかった裁判官たち
   ――大阪高裁「靖国」違憲判決
靖国教と天皇制
   ――リベラル保守の元高裁判事への手紙
反戦ビラで逮捕?
   ――立川自衛隊宿舎イラク反戦ビラ入れ事件

追章
「いつつぼし」蒲南小2年文集・一九五三年
モンゴルの星と地平線

【あとがき】より

「世界に聖くかよわんと結ぶ決意に力あり」
憲法施行間もない頃作られた、母校時習館高校の新校歌の一節である。同じく蒲郡中学校の校歌の中には、「祖国の再建 世界の平和」という一節もある。当時全国各地の学校で同旨の校歌が作られたのではないかと思う。
今、この時代精神を否定すべく改憲の動きが急ピッチで進められようとしている。敗戦の年に生れ、前記時代精神とともに歩んできた者としてはこのような動きには抗せざるを得ない。日本の近現代史を丸ごと肯定し、すべての戦争を自衛戦争だと広言してはばからない靖国神社へ首相が参拝するなど、正気の沙汰と思われない。これを肯定する「国民的人気」を有するとかいう若手政治家達の歴史認識の欠如には、驚くばかりである。
 議論をなすにあたっては思考力、すなわち思考の資源が不可欠であるということをつくづく思う。蒙を啓くという「啓蒙」という語は僭越な響があり、日頃使っていないが、前記政治家達に関してはは別だ。彼らの蒙は啓かれなければならない。
 本書に収録した文章は、憲法改悪、自衛隊海外派兵、靖国参拝、治安強監視社会の動きに抗し、戦後民主主義の再生のための運動の中で生れたものである。