目次
「ニイタカヤマノボルナ」
吉田司(ノンフィクションライター)
知覧と国立競技場
――国家による死者の剽窃と英雄伝説
違憲判決を「自らの責務」と考えた裁判長
――福岡地裁「靖国」違憲判決
靖国問題の本質
――靖国イデオロギーから訣別できない日本社会
違憲を見逃さなかった裁判官たち
――大阪高裁「靖国」違憲判決
靖国教と天皇制
――リベラル保守の元高裁判事への手紙
反戦ビラで逮捕?
――立川自衛隊宿舎イラク反戦ビラ入れ事件
追章
「いつつぼし」蒲南小2年文集・一九五三年
モンゴルの星と地平線
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【あとがき】より
「世界に聖くかよわんと結ぶ決意に力あり」 憲法施行間もない頃作られた、母校時習館高校の新校歌の一節である。同じく蒲郡中学校の校歌の中には、「祖国の再建 世界の平和」という一節もある。当時全国各地の学校で同旨の校歌が作られたのではないかと思う。 今、この時代精神を否定すべく改憲の動きが急ピッチで進められようとしている。敗戦の年に生れ、前記時代精神とともに歩んできた者としてはこのような動きには抗せざるを得ない。日本の近現代史を丸ごと肯定し、すべての戦争を自衛戦争だと広言してはばからない靖国神社へ首相が参拝するなど、正気の沙汰と思われない。これを肯定する「国民的人気」を有するとかいう若手政治家達の歴史認識の欠如には、驚くばかりである。 議論をなすにあたっては思考力、すなわち思考の資源が不可欠であるということをつくづく思う。蒙を啓くという「啓蒙」という語は僭越な響があり、日頃使っていないが、前記政治家達に関してはは別だ。彼らの蒙は啓かれなければならない。
本書に収録した文章は、憲法改悪、自衛隊海外派兵、靖国参拝、治安強監視社会の動きに抗し、戦後民主主義の再生のための運動の中で生れたものである。
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