Not In Our Name
私たちの名の下に殺すな!
死刑はいらない 戦争もいらない
December 8, 2002
 北朝鮮拉致問題で、日本人は自分たちが被害者の立場にたったと思っています。たしかにこの問題においては、北朝鮮の国家犯罪は無条件に悪い。
 真相の解明を! 犯人の処罰を! 被害者に謝罪を! 国家による賠償を!
まさにその通りです。しかし、少し立ち止まって考えてみるなら、こうした正当な要求の声は、戦後50年にわたって、日本政府と日本人に対しても突きつけられてきたのです。
 大日本帝国という国の国家犯罪によって、ある日とつぜん拉致され、見知らぬ国で重労働に追われ、人間として扱われず、故郷や家族を思いながら、憤死した人たちの遺族からの声です。
 日本の犯罪と金正日の犯罪を天秤にかけようというのではありません。
 いま、北朝鮮の国家犯罪に対する怒りと、被害者を思う気持ちを、どうして同じように、すべての国家犯罪への怒りと被害者を思う気持ちに転じることができないのでしょうか?日本の国家犯罪の結果、異国を故郷とした人たちが、日本人なら誰でも当たり前に享受している政治的権利や生活権さえ与えられず、あるいは奪われていることに対して、あまりに無自覚だったことを思い起こすきっかけとしえないのでしょうか?
 他国への憎しみと自分たちの正当化だけを増幅させ、理性を麻痺させる扇動が幅をきかせているのは正常でしょうか?
 こうした政治扇動が、被害者の名前や、「国民」「国益」の名の下に正当化されるのを見過ごしている日本人とは何でしょうか?
 私の名前が、私たちの名前が、憎悪と殺戮と戦争と、抑圧された者へのさらなる攻撃を正当化することに使われるのを拒否します。
 国民の名前で正当化される、国家によるいっさいの殺人に反対します。
米軍はイラク攻撃をするな!
日朝国交の正常化を!
死刑廃止!終身刑導入反対!