抗議声明

  1. 12月6日、警視庁捜査二課は、株式会社住宅金融債権管理機構の告発に基づく強制執行妨害被疑事実により、当事務所の安田好弘弁護士を不当に逮捕すると共に、当事務所を20数名の捜査員によって約5時間半にも亘り日曜日夜間の強制捜索を強行しました。
     当事務所は、この暴挙に対して強く抗議すると共に、今後あらゆる手段を通じて、このような違法不当な捜査に対して、全力で闘って行く決意であります。

  2. 本件については、顧問不動産会社の「賃料隠し」云々の報道がなされておりますが、そのような事実は全くなく、安田弁護士の「発案・指示」による犯罪をもて云々されるがごときものは、絶対にありません(なお、中坊(株)住管社長は、安田弁護士の弁護士活動について何一つ知ってはいないにもかかわらず、「欲に駆られて・・云々」などと新聞紙上において誹謗していますが、このような安易な立論には、弁護士としての姿勢にも疑問を感じざるをえません。)
     また、弁護士を逮捕するという重大な捜査について、刑事訴訟法上、何らその要件も存しておりません。
     さらには、私達の再三の抗議にもかかわらず、重要な訴訟記録等を多数含む法律事務を、当該被疑事実の範囲を超えて捜索し、被疑事件とは全く関係のないことが明白な、当事務所の会計記録等を差押えた権力主義的な捜査に、組対法の先触れを見る思いであり強い怒りを覚えます。

  3. また本件不動産会社役員らを告発した(株)住管の姿勢についても、多大の疑問と怒りを禁じ得ません。同社については、その美名的報道にもかかわらず、業務内容の問題性について、近時批判も出されるに到っているところでありますが、そもそも同社発足前の事案であるにもかかわらず、しかも当事者からの民事事件としての解決の申出を一切受け付けようともせず、遮二無二刑事事件化を追求した姿勢については、ファシズム的なものすら感じさせられます。

  4. 当事務所はこのような違法不当な権力の攻撃に対しては徹底的に闘う所存であることをここに表明します。

1998年12月7日
港合同法律事務所
住所・電話番号(引用者により省略)