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花咲き村 竹林プロジェクト

報告 花咲き村 園田安男

 

森づくりフォーラムがNPO法人となり、全国的な規模で、つまりは日本の森林の活性化を「参加」という旗で活動する方向を模索するようになりました。直接参加の森づくり活動は全国でも様々に行われていますが、互いに情報を交換したり、刺激しあえるような活動や事業の紹介をしていきたいと思っています。「団体紹介」コーナーはグループのトータルな活動紹介ですが、こちらは事業、プロジェクトの紹介であり、呼びかけというものにしようと思います。まずはお手軽なところで、花咲き村の放置竹林の整備プロジェクトの紹介です。

 

 5月の連休が終わると、新緑が一層輝きはじめ、目に鮮やかな山の風景を見ることになります。広葉樹の薄い緑、針葉樹の深い緑、そのまだら模様のなか、ちょっと黄ばんだ緑に占められた場所があります。竹林です。モウソウ竹です。竹の葉がはえ代わる、「竹の秋」と呼ばれる風景です。この季節、色の違いから山のあちこちに竹林が侵出している様が手に取るようにわかるのです。先日、NHKの番組でも紹介されていましたが、全国各地で手入れが追いつかない竹林が増えています。私たちの日の出町も例外ではありません。
◇放置竹林での活動
 それまで放置林を整備している活動をしていた花咲き村に、竹林もやってみないか、という声がかかったのは2年前ぐらいだったと思います。「とにかく、はびこってしょうがない、使いようがない、腐らない、こまっちまうだよ」と声ではじめました。
 作業を始めてわかったことは、木と違って伐るのにそれほどの危険が伴わず、比較的簡単であるということでした。危険なことは伐った竹が斜面を滑るので、上下作業を行わないのを徹底させることぐらいです。これなら、体験としてやってもおもしろいし、かつ、結果も見えるし、ということで主に体験活動として積極的に使っていました。あわせて、竹はちょっとした加工は誰でも出来ます。だから、お箸を作ったり、花器を作ったりして「おみやげ」にもなります。なかなか、森林ボランティア向きじゃありませんか。
◇伐った竹の処理
 この種の活動で最も頭が痛いのは、伐ったものの処理です。杉の間伐材など、たいがいが切り捨てにならざるを得ません。林道の側ならともかく、運び出すのは大変ですから。しかし、竹は人力で運び出せます。そして、たいがいが人家とそう離れたところにはありません。後は活用の方法です。
 チマチマと竹トンボを作るくらいじゃ、当然、はけない。やはり、ここは竹炭として活用するのがもっともお手軽であるという結論。幸いというか、花咲き村がボランティアに行っている日の出舎という福祉施設があり、ここは不況で仕事がなくなっているなかで、新しい仕事を探しているという。早速、竹炭を提案したら、すぐに取り組むことになりました。これで、竹林の所有者は喜び、作業をする森林ボランティアも喜び、竹を活用する福祉施設も喜ぶという、喜び三重奏の流れが出来ました。あとは、竹炭の消費者を確保することにです。これは、花咲き村のメンバーに職場やサークルでの販路を広げる努力をお願いしてます。森づくりフォーラムの方々もぜひ、職場などで売ってもらえませんか。1袋300円です。そして、喜び四重奏へ!
 今のネックは販路が充分でないということです。すると、竹を伐っても持って行きようがない、流れが止まってしまう、のです。さらに竹林整備を続けようとすると、また違う活用方法を見いださなければなりません。竹炭としての消費もそう多くは期待できそうもないので。誰か紙にする方法を知らないか。
◇所有者の協力
 よく、森林ボランティアではフィールドを確保するのが大変、といわれたりします。しかし、竹林の場合、やってほしいという声はたくさんあります。とにかく困っているのです。先程述べたように、竹の間伐はそれほどの技術を必要とするわけでもなく、みんなに喜ばれて、やりがいがある活動でもあります。そして、竹を活用できればさらにゆうことなし、です。おまけに、作業のお礼として春には「タケノコ採り放題の特典付き」と来ているのですから。
◇竹林プロジェクトの行くえ
 今、森林ボランティア活動は徐々に広がっていますが、社会的認知という点ではまだまだ、というところです。特に山村では。ここはひとつ、量で見えるようにするということがいるのではないかと考えています。この意味からも竹林プロジェクトはなかなか魅力的です。何せ目立ちますもの。そんでもって、ひとつひとつの竹林面積は小さいですから、少人数でも充分にひとつの場所をやり遂げることが出来ます。あなたも5〜6人の仲間を募ってやってみませんか。花咲き村はいつでも協力しますよ。七夕の竹がほしいという人も、竹馬を作りたいという人もおいで下さい。
◇タケノコ祭り
 地元の人たち、あるいはそうでない人たちにもこの活動を伝え、参加を呼びかける1年に1度の、いわゆる「収穫祭」的なイベントが5月の連休のタケノコ祭りです。1年間の活動の成果を楽しむというものです。今年は60人くらいで楽しみましたが、来年はまじめに大きくしようかと思っています。この話の続きはまた、いつの日か。

 これまでの活動の様子は紙面がなくて、紹介できませんが、ただ言えることはボランティアですから、「必要なところに、求める声」に引き寄せられるのです。
 ご協力いただける方は花咲き村まで連絡を。TEL:042-597-6242 FAX:042-588-7092。
ホームページもあるよ。

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