核兵器と核汚染は6500万人の死をもたらした
Nuclear weapons and pollution linked to 65 million deaths

2003年1月31日 インディペンデント
政治部副編集長 ポール・ウォー

http://www.independent.co.uk/story.jsp?story=374164



英国政府の顧問が率いる欧州科学委員会によると、1989年までの原子力エネルギーと核兵器開発計画とがもたらした汚染は、6500万人もの死亡原因になっているという。

欧州放射線リスク委員会(ECRR)によって昨日公表された研究は、原子力産業が人命に与える影響についてのこれまでの計算値は、大幅な過小評価になっていると主張している。

欧州放射線リスク委員会(ECRR)は自主的な30名の科学者からなる国際的組織であり、英国政府の放射線リスク委員会の一員であり劣化ウラン使用に関する国防省の顧問でもある、クリス・バズビー博士によって率いられている。

その研究結果は、英国政府に対して、彼らの原子力産業に対する支持を考え直すか、あるいは、全世界規模での数百万人もの人の死に対する責任を分かち合うかを、即座に問いただすものであった。

その報告は欧州委員会が昨日、原発の安全性、廃炉、そして放射性廃棄物の管理についての初めての全EU規模での基準を定める2つの新しい公的指令の草案を公表した時に現れた。

欧州放射線リスク委員会(ECRR)による、1998年にブリュッセルで立案されたその研究は、この5年間に進展したリスク評価モデルに基づいており、そして、放射線生物学やヒトの疫学調査における最近の発見から得られた証拠を利用している。1989年までの放射性放出物は、全世界で既に6500万人の死亡原因になったか、あるいは最終的にそうなるということが明らかになった。

それは癌の蔓延が、原子力エネルギーからの汚染と、1959年から1963年にかけて頂点に達した、世界的な大気圏内核実験の降下物による被ばくの結果であると結論している。その研究は、核実験がピークであった、1957年から1963年の間に青春期を過ごした婦人の乳ガンに見られた発生頻度といった証拠を引用している。

ルーカス博士は、「既存の分析では、小児白血病のような疾病に見られる、局地的に異常に高いレベルを説明できていないという事実は、核開発計画の賞賛されるべき安全性ではなくて、むしろその研究方法の反映なのである。」と述べた。

南東イングランドの緑の党の欧州議会議員である、キャロライン・ルーカスは、その数字は原子力論争に新たな緊急性を与えたと言う。「政府は原子力産業に対するその支持を直ちに見直すことを声明するか、さもなくば、この痛ましいが回避可能であった人命の損失にたいする道義上の、場合によっては法的な責任を果たさなくてはならない。」

欧州放射線リスク委員会(ECRR)の結論は、原子力産業の側に近づき過ぎたとして批判されてきていた、国際放射線防護委員会の伝統的なリスク計算の方法の妥当性の問題を俎上にのせるものである。

セラフィールドにある英国原子燃料公社(BNFL)サイトのような工場の周辺では、放射線が癌を集団発生させているという主張について、科学者達は激しく論争してきたが、アイルランドやスカンジナビア諸国は、そのリスクについてすでに長年にわたって訴えてきているのである。

ブリュッセルでは欧州委員会が、チェコ共和国のような病んだ原発を有する諸国がEUに加盟するようになる拡大の前に、原発の規格向上を目的とした公的指令に関する2つの提案を採択した。

英国はこれまでその提案に反対しており、何人かの政府高官は全EUの権力が英国の原子力産業に干渉するだろうと憂慮している。

その公的指令のひとつは、原子力の安全は「有効で十分な財政的手段」、維持管理規則の創設、そして廃炉基金の使用「抜きには保証され得ないものである」と述べている。