ウラニウム・メディカル・リサーチ・センターの
アフガニスタン劣化ウラン調査活動への
資金カンパのお願い



 12年前の湾岸戦争で使用され甚大な被害をもたらしている劣化ウラン兵器がアフガニスタン戦争で大量に使用された疑惑が明らかになってきました。カナダのウラニウム・メディカル・リサーチ・センター(UMRC)がアフガニスタンでの劣化ウラン試料の分析について緊急の寄付を呼びかけています。私たちはこの調査活動へのカンパを呼び掛けます。
 UMRCは昨年5月と9月の2回にわたってアフガニスタンでの医学的調査、聞き取りを行い、住民の尿などのサンプルと土壌のサンプルを集めました。予備的に行われたナンガハル州の分析結果は驚くべきものでした。尿を提供した全員からウラニウムが検出されたばかりか、1999年に検査した湾岸戦争参加兵士からの検出値の100倍から400倍という高濃度のウラニウム汚染が確認されたのです。この地域は洞窟破壊用の硬化目標攻撃用誘導爆弾の集中攻撃が行われた地域であり、この硬化目標用の兵器こそ新たに劣化ウランの使用が疑われている兵器なのです。確かに今のところ検出されているのは劣化ウランではなく「非劣化のウラン」(undepleted uranium)です。しかしこのウラニウムの出所は米軍の爆撃以外に考えられません。アメリカには湾岸戦争、旧ユーゴスラビアで大量の劣化ウランを使った前歴があります。疑われて当然です。劣化ウランの使用の有無、被害の発生についてアメリカが自分から明らかにしたことはありません。「軍事機密」と称して闇に葬り去ろうとするのを被害者の訴え、良心的科学者と平和運動家の取り組みなど運動の力が認めさせてきたのです。重大な疑惑であるからこそアメリカに対してその真否を問いたださなければなりません。
 UMRCの調査は極めて重要だと思います。それは、まず第1に、アメリカが劣化ウラン(場合によっては天然ウランかもしれません)を大量に使う戦争、新しい「核戦争」を行っている事実を明らかにするでしょう。人々を無差別に長期にわたって殺戮し続ける放射能兵器の利用も、そのエスカレートも絶対に許してはなりません。第2に、被害者であるアフガニスタンの人々のためにも、アメリカが使用した劣化ウランの被害の範囲と程度を明らかにするでしょう。それは戦争犯罪に対する補償要求の基礎になります。そして第3に、アメリカの新しい「核戦争」に加担し、軍事協力している「被爆国」日本政府への批判となるでしょう。
 彼らの調査は、米軍が事実上の「核戦争」を行うことなしには戦争ができない実態を暴き、米軍の戦争の非人間性、犯罪性を明らかにするものです。そして新しい「核戦争」の危険を暴き、それを通じて対イラク戦争に反対する運動、新しい核被害者をつくらない活動に寄与するでしょう。

1.私たちはこの調査に緊急の資金支援が必要だと考えます。1サンプル約12万円(1000ドル)という分析費用は個人ではなかなか対応が困難です。しかし、たとえ少額でも援助したいという声が集まり、劣化ウランの危険性の警告と一緒に日本中に広がっていくことが重要だと思います。そこで、諸個人、グループによる小口の寄付を広く呼びかけます。下記口座あてに送っていただければ、それをまとめて寄付として送付し、名前や人数もUMRCに伝えます。

2.日本国内でまだアフガニスタンへの劣化ウラン使用問題とUMRCの要請はあまり知られていません。できるだけたくさんの方に支持の声を上げていただき、支援の輪を広げていただくことが大切なことです。今後さらに多くの方に共同呼びかけ人に加わっていただきたいと思っています。参加いただける方は下記までご連絡ください。また、皆さんがさまざまな方法で関心をお持ちの方に働きかけて頂き、さらに運動を広げて頂くようにお願いします。

 郵便振込:00950−5−178725 「米戦争拡大と有事法制に反対する署名事務局」
        1口1000円、期間は2月末までとします。
        振り込み用紙には「劣化ウラン調査カンパ」と必ず書いてください。


共同呼びかけ人(2003年2月1日現在)
安倍陽子
石川逸子(詩人)
大河内秀人(特定非営利活動法人「パレスチナ子どものキャンペーン」常務理事・僧侶)
嘉指信雄(「劣化ウラン弾禁止を求めるグローバル・アソシエーション」共同代表)
川嶋京子(「湾岸戦争の子どもたち」写真展〜米国実行委員会)
きくちゆみ(グローバルピースキャンペーン)
小林一朗(環境・サイエンスライター)
小山英之(美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会代表)
志葉 玲(フリーランスジャーナリスト)
アイリーン・美緒子・スミス(グリーン・アクション代表)
ジャミーラ・高橋(アラブイスラームの子供たちを助ける会・代表)
田中 優(日本国際ボランティアセンター理事)
広河隆一(フォトジャーナリスト)
星川 淳(作家・翻訳家)
細井明美(テロ特措法・海外派兵は違憲市民訴訟の会 世話人)
前田 朗(東京造形大学教授・アフガニスタン国際戦犯民衆法廷共同代表)
蒔田直子
松田卓也(ASIAN SPARK)
松本真紀子
三輪 隆(ストップ!有事法制全国講師団)
森住 卓(写真家)
森瀧春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会・共同代表)
山田和尚
吉田正弘(アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局)

 「アメリカの戦争拡大と日本の有事法制に反対する署名事務局」が、このキャンペーンの事務を引き受けています。カンパ運動の状況報告や今後参加される共同呼びかけ人の発表、新しい情報の提供などは「署名事務局」のホームページ http://www.jca.apc.org/stopUSwar/UMRC/umrc.htmで行います。

(転載歓迎) 


署名事務局連絡先  大阪府松原市南新町3-3-28 阪南中央病院労組気付
              FAX 072-331-1919 090-5094-9483(事務局) e-mail stopuswar@jca.apc.org
              090-5016-3844(事務局・吉田正弘) e-mail masayo@silver.ocn.ne.jp

参考資料
ウラニウム・メディカル・リサーチ・センター
アフガニスタンのウラニウム汚染−−アフガニスタンの人々に代わっての緊急アピール(2003年1月) http://www.jca.apc.org/stopUSwar/Bushwar/umrc_appeal.htm
をご覧ください。