内閣衆質一五五第一〇号
平成十四年十二月十日
内閣総理大臣 小 泉 純一郎
衆議院議長 綿 貫 民 輔 殿

衆議院議員北川れん子君提出
 関西電力の原子炉圧力容器上ぶた問題に関する質問に対し、別紙答弁書を送付する。


衆議院議員北川れん子君提出
関西電力の原子炉圧力容器上ぶた問題に関する質問に対する答弁書



一について
 平成十三年八月二十日、原子力安全・保安院において、関西電力株式会社(以下「関西電力」という。)と米国における原子炉容器上部ふた(以下「上部ふた」という。)の損傷事故について意見交換を行った際、国内の加圧水型原子炉を有する電力会社においては、平成三年のフランスのブジェー三号機での上部ふたの損傷事例を踏まえ、これまでに当該部位の検査を実施し問題が無いことを確認している旨の説明を関西電力から受けたが、関西電力の検査について説明を受けることは当該意見交換の主たる目的ではなかつたため、それ以上詳細な内容については確認しなかつた。
 今般、改めて関西電力から聴取したところ、関西電力として御指摘の「ひび割れやその兆候が一切なかったとは言ってない」との回答をした事実は無く、また、「問題となるような損傷はなかった」とは上部ふたの渦電流探傷検査の結果損傷は発見されなかったという趣旨であり、「問題となるような損傷」と「問題とならないような損傷」とを区別する趣旨ではなく、当該検査に使用した機器は回転式コイル等を使用し、深さ三ミリメートル程度以上のひび割れを検出することが可能なものであったとのことである。

二について
 お尋ねの関西電力による上部ふたの取替えに当たり、関西電力からは、取替え前の上部ふたにおける損傷の有無は報告されていない。上部ふたの取替えに係る工事計画については、電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号。以下「電事法」という。)第四十七条第三項の規定に基つき、取替え後の上部ふたが電事法第三十九条第一項の規定による技術基準に適合しているかなどを審査した上で認可したところであるが、取替えの理由は当該審査の対象とされておらず、取替え前の上部ふたにおける損傷の有無を改めて確認する特段の必要があるとは考えていない。

三について
 お尋ねの上部ふたを交換していない四基を含む加圧水型原子炉の上部ふたについては、電事法第五十四条の規定による定期検査(以下「定期検査」という。)における上部ふた等の漏えい検査(通常の運転時と同じ圧力下における原子炉冷却材の漏えいの有無を目視等で確認する検査をいう。以下同じ。)により安全上の問題が無いことを確かめていることから、それ以外の検査については事業者の自主的な対応に任せることが適当と考えている。
 なお、関西電力からは、現在、大飯発電所三号機及び四号機並びに高浜発電所三号機及び四号機の上部ふたについて渦電流探傷検査を実施するための準備を進めており、準備ができ次第、検査を実施する予定であると聞いている。

四について
 お尋ねの「耐圧漏洩検査」及び「外観検査」は、定期検査における上部ふた等の漏えい検査を指すものと考えるが、安全上問題となる貫通き裂は当該検査により確実に発見でき、また、原子炉冷却材の漏えいを検知する放射線モニタ等が運転中常時嫁働していることから、これを併せて考えれば検査方法に特段の問題があるとは考えていない。定期挨査については、電気事業法施行規則(平成七年通商産業省令第七十七号)第九十一条第二号に基づき、直近の定期検査が終了した日以降十三月を超えない時期に実施することとしている。
 なお、事業者が自主的に行う法令に基づかない自主点検における上部ふたの検査の実施頻度等については、事業者にゆだねられており、承知していない。

五について
 お尋ねの指示は、事業者が過去に実施した自主点検についての調査を指示するものであるが、当該調査の対象は現在使用中の機器等に係る自主点検に限定しているわけではなく、また、関西電力からは、既に取替え済みで現在使用していない機器等について過去実施した自主点検についても調査を行う予定であると聞いている。             

六について
 取替え後保存してある上部ふたの検査については、現時点において、検査を行うべき特段の理由がなく、また、検査の際に作業を行う者が相当の被ばくをすることが予想されるなどの問題が考えられることから、特に検査を行うことが必要とは考えていない。   
 なお、四国電力株式会社からは、御指摘の「取り替えた古い上ぶたも検査の対象とする」との予定はないと聞いている。



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