新しいフランスの法規は原子力産業を軍事活動と同じく秘密にする
NEW FRENCH REGULATION MAKES NUCLEAR INDUSTRY AS SECRET AS MILITARY ACTIVITIES


NUCLEARMONITOR #595 2003年10月24日  WISE/NIRS



8月9日に、夏の「沈黙」を利用して、フランスの経済・金融・産業省は、物理的な防護と関係した情報、非常事態の計画、あるいは全ての「核物質」の輸送は、今後、国防のための秘密という特性を持ち、「禁止事項である」として攻撃されると規定する法令を公布した。

(595.5551)クリラッド−法令の条文は非常に短いが、その範囲は非常に大きい。実際に、その法によれば、ウラニウム、プルトニウム、トリウム、リチウム-6、重水素およびトリチウムのような、核分裂性か核分裂性に転換可能な、あるいは核融合可能な要素を含んでいる全ての物質が「核」と名付けられている。

したがって、全てのタイプの核燃料およびほとんどの核廃棄物が関係している。それゆえ、その秘密防護は、核燃料加工から再処理および貯蔵にまで広がる。ウラニウムの抽出だけが秘密から除外されている。しかし、フランスは今日ウラン鉱石の全てを輸入しているため、それは影響しない。

これらの物質の管理、制限、会計および輸送に関係する全ては、今後、非常事態計画の訓練や爆発装置の脆弱性と関連した全てのデータと同じように分類される。その禁止が全てのメディア、簡単な話の情報からコンピューター・ファイルまで全てに当てはまるとその法令は強調する。

そのため、ある簡単な法令が、判例なしに、表現の自由の制限および核の危険に関する情報への権利の制限を定める。民主的コントロールからはずれ、軍事活動のように扱われるのは、完全に民間の核の活動の側である。

フランスが既に機密事項を扱うデータの機密性を防護することを可能にする完全な法律上の手段を持っていることを知れば、この決定は理解しがたいものでさえある。

無法者が法を作る時
事実上、本当の目標は終局のテロリストではなく、国家やオペレーター[電力会社]が不穏だと判断したデータを公開するNGOや記者達である。実際、告発された法令は、アレバ−コジェマグループの要求によって書かれた;また、この要求をを満たすための彼らの性急さによって、当局は、申請されたものを超えてさえいた。

フランス国家の「偏見」[えこひいき]は著しい:そのため、放射性廃棄物に関する1991年の法に違反して、コジェマが、自らのラアーグのサイトに外国の核廃棄物を許可された期間よりはるかに長く山積みにする場合でも、制裁は不可能である。

なぜか?この法が公布されてから12年間は、適用の法令が作られてこなかったからだ!フランス当局は、アレバ−コジェマの不法行為を制裁できる条文を入念に作る時間がなかった、しかし、それを非難したNGOを黙らせるためにあるものを見つけるために今うまくやっている。

ひどく脅かされるNGO
実際に、この新しい命令に違反する人々や組織は、7年以内の投獄か10万ユーロ(約1270万円)の罰金という非常に重い刑罰を課されることになる。

数年前に、クリラッド研究所が使用済み燃料を運んだワゴンから出ている放射線をチェックした後、私たちは、彼らが知らずに受けた放射線に関して、鉄道員とユーザに警告した。この種の介入を再開することは、今では、非常に多くのコストがかかることになるだろう!

人は常に「危険の警告者」を黙らせることができる。しかし、私たちに強いられた「沈黙」は詐欺になるだろう:危険に関する情報を抑えることは、少しもその危険自身を抑えることにはならない。グリーンピースがChalons-sur-Saineの住民に、プルトニウムを運ぶトラックがその都市のまさに中心部を突き進むと警告するのを妨げたところで、この輸送の危険を消し去るわけではない。

さらに、放射性廃棄物の輸送を攻撃すると決めたテロリストが、彼らの目的を遂行するためにNGOからの情報を必要とすると、誰が信じるだろうか?法令の狙いは、テロリストからアレバ−コジェマを守ることではなく、市民の監視から守ることだ!

抵抗活動
「秘密防護」法令の公布に対し、クリラッドは、法令の廃止を要求し人々を動員するために、およそ40の団体、団体の連合およびジャーナリズムによって今行われている国民的な請願を組織した。フランス全土から何千もの署名が集められているように、それは動いているようだ。

さらに、最高行政裁判所は10月初めに取り消しを求める2つの訴えによって占有されている、一つは環境NGO(グリーンピース、クリラッドおよびWISEパリ)からで、もう一つはジャーナリストの保護グループ「Reporters sans Frontieres」(国境なき記者)と「Journalistes pour la Nature et l'Environnement」(自然と環境のためのジャーナリスト)からである。

フランス社会が強く早く反応することが重要である、なぜならその問題は、核の問題を超えてさらに進むからである。

民主主義国家では、当局は、情報への権利と国家安全の名で持ち出される制限事項との間の正しい均衡を保証しなければならない。過度で不正な制限が導入される場合、それらが一般の利益ではなく産業グループの特定の利益に応える場合、あるものは専制的なものに落ちていく・・そして専制は、フランス当局が抑制することを要求する報復と暴力を呼び起こす。


[この記事はCorinne Castanierによって書かれ、Valerie Huetによって翻訳された。放射線に関する独立の調査と情報のための委員会(CRIIRADクリラッド)は、チェルノブイリ汚染に関する公式の嘘に反対して1986年に結成されたフランスのNGOである。クリラッドは放射能測定を専門とする自らの研究所を持っている。]

参照:
(1) 核物質防護と統制の分野における国防秘密の防護と関係した法令は、2003年7月24日に署名され、2003年8月9日に共和国の官報で公布された。

CRIIRAD Web:www.criirad.com