核廃棄物は「地層処分するにも海外へ返還するにも適さない」
Nuclear waste 'not fit to dump or send overseas'

2005年9月15日 ホワイトヘブン・ニュース
デイビッド・シッダル記者

http://www.whitehaven-news.co.uk/news/viewarticle.aspx?c=397&id=282142


ホワイトヘブン・ニュースが入手したBNFLの内部文書によれば、高レベル核廃棄物のガラス固化体の最高3分の1は、地層処分するにも海外の顧客へ返還するにも十分安全ではない。

セラフィールドのガラス固化施設で作られる、高レベル廃棄物ガラス固化体は致死的な廃液を数千年間貯蔵することをより簡単にする、BNFLの唯一の手法である。

内部文書は次のように断言する。「ガラス固化体の最高3分の1は海外の顧客へ返還するに適さない。2002年1月現在、海外の顧客用に519個のガラス固化体が、それぞれ約400キログラムのガラス固化された廃棄物で満たされてきた。(検査された)266個のガラス固化体のうち254個が事務記録に欠陥があることが分かった。最も懸念されるのは、検査された171個のドラム缶のうち52個が工程仕様書に従っていないことが分かったことである。

ガラス固化体は非常に放射能が強いので、顧客が品質をチェックするためにそれらを開けることは到底できない。

しかし今週になってBNFLは、そのような問題は「過去のもの」であり、「2000年代初期にあった困難な時期の後には、10項目の改善計画をガラス固化施設は採択した」と述べた。

内部文書によれば、上級管理者は「申し立てられた主張の一部を認めない」。さらに、彼らは次のように述べる。認証機関ロイズ・レジスター社が海外の顧客に代わって監査役をし、「2004〜5年に、ガラス固化施設は記録的な478個のガラス固化体を作り出し、そのすべてがロイズ・レジスター社によって保証された。」

「ガラス固化施設の稼動期間にわたって、そこで作られたガラス固化体のおよそ20%はソープの海外顧客(ヨーロッパと日本)に返還されるであろう。海外に返還されるガラス固化体はすべて、厳しい品質保証顧客要求を満たしているであろうと確信している。」

ホワイトヘブン・ニュースが入手した内部文書は次のことをも明らかにする。ガラス固化は、どんな貯蔵所でも将来問題となるだろう可溶性の放射能の塊を作り出す。その塊は、ガラス状態にはなれなかった放射性の黄色い相の物質である。BNFLは反駁した:「我々の施設は黄色い相の物質が形成される可能性を減らすように運転されている−塊の形成が、深い地下貯蔵所での廃棄物の長期貯蔵に関して問題を起こすとは考えられない。」

その内部文書は、1997年にどのようにしてガラス固化施設から放射性のルテニウムガスが放出され、シースケール村中に微細なダストをまき散らすに至ったのかについての知見をBNFLは未だ完全なものにはしていたかった、ということも示している。BNFLはガラス固化施設のフィルタを通り過ぎて逃れていくルテニウムガスにどう対処するかの研究に数100万(ポンド)を費やした。

現在の廃液サイロから安全性の問題が発生するかも知れないので、廃液のガラス固化に関してBNFLは原子力施設検査局(NII)によって標的にされてきた。BNFLは今年525個のガラス固化体を、来年560個のガラス固化体を作り出さなければならない。これらの目標が達成されないと、NIIはソープでの再処理を停止させることになりうるであろう。

BNFLは今週この点を確認した。3本の生産ラインのうちの1つだけが現在ガラス固化施設で稼動している。

内部文書は次のことをも明らかにする。すなわち、なぜ記録では、ガラス固化施設に流れ込む高レベル廃液が、下流でガラス固化体として実際に出てくる量よりも多かったのか、BNFLはその理由を説明することをロイズ・レジスター社に保証しなければならなかった。

BNFLが直面している問題は、いくつかのサイロに満杯となっている高レベル放射性廃液をガラス固化施設がガラスに安全に変えることができないならば、そのときはNIIの命令で、結局はすべての再処理が停止させられるであろうということである。

漏れてきた内部文書は次のことをも示す。ガラス固化施設での生産と安全性のすべての問題は時々秘密の「闇(black file)」会議―そこでは記録は決して取られない―の議題になっている。しかし、会社は言う:「ガラス固化施設には、いかなる『秘密の闇会議』もない。しかしながら、議事録のない会議はいくつかある−しかし、(議事録がないのは)官僚的形式主義を避けるためで、秘密ではない。すべての正式に構成された会議には議事録があり、そして、説明の通知などがなされる。」