報告書はセラフィールドの漏えい事故は再び起こりうると言う
Report says Sellafield leak could happen again

重大な核汚染についてBNFLの「自己満足」が非難される
BNFL 'complacency' blamed for major nuclear contamination


オリバー・モーガン 産業担当記者
オブザーバー紙 2005年7月3日


http://observer.guardian.co.uk/business/story/0,6903,1519761,00.html


セラフィールドにある英国核燃料公社のソープ再処理工場における放射能溶液の大量漏えいを強く非難する内部報告書は、管理は自己満足で、事故は8ヶ月間発見されなかったことを認めた。

報告書は、これまでの諸事故にもかかわらず、工場において「運転上の自己満足」があったことを認め、たとえ18の勧告が広範囲に実施されたとしても、「さらなる失敗が起こる著しい可能性」が残ると記している。

BNFLの子会社である英国原子力グループのセラフィールドの常務取締役バリー・スネルソンによって委託された34ページの報告書は、BNFLは分割されるべきと考える英国政府の人々に有利な情報を与えることになる。

先週、BNFLは原子炉設計事業部門のウエスチングハウスを売却することを決定した。また、政府高官たちは、BNFLの廃炉(デコミッショニング)・運転事業を行うBNGに提携会社もしくは新しい所有者がいなければ、将来、英国の施設の業務を獲得することはできないと考えている。

4月、セラフィールドと英国中の20以上の他の施設の所有権と管理が原子力廃止措置機関(NDA)に譲渡された。NDAは、これら施設の解体作業の契約と480億ポンドに相当する債務の責任を負っている。ソープ工場は漏えい発見以降、閉鎖されており、NDAの上層部は運転再開すべきでないと考えている。

報告書は、プルトニウムとウランを含む83,000リットル[83立方メートル]の放射性物質が内部区画へ漏えした事故を検討している。漏えいは2004年7月に始まっており、システムを通して記録された物質量に食い違いがあるという指示にもかかわらず、BNFLの安全保障部が今年3月17日までこの問題について電子メールを送っていなかったことを報告書は確認している。そして、それから運転管理が言及される4月15日まで、およそ1ヶ月かかっていた。

報告書は、ソープ工場が比較的新しい工場(1994年操業開始)のため、「運転上の自己満足」の文化がいきわたっていたと結論付けている。報告書はこう指摘している。「聞き取りされたすべてのスタッフの反応は、このスケールの物的喪失は漏えいによってはまず起こり得ないと彼らが信じていたということだった;事務処理上のエラーがあるにちがいないと信じていた」というものだった。続けてこの報告書は「新しいプラント文化は、ソープ組織内のあらゆるレベルに浸透している」そして、「漏えいは起こりうるし、実際に起こることを証明している以前の経験にもかかわらず、この文化が続いてきた」と述べている。

グリーンピースのジーン・マクソーリーは「報告書は、BNFLにはこの工場を運転する資格がないことを示している」と述べた。昨晩、BNFLからコメントはなかった。