BNGセラフィールドの放射能漏れで起訴へ
原子力検査官の要請でソープの閉鎖は継続
過失に対する告発でプラント売却に疑問符

ザ・ガーディアン 2006年4月20日木曜日
Paul Brown and Terry Macalister

http://business.guardian.co.uk/story/0,,1757011,00.html


英国原子力グループ(BNG)はセラフィールドにおける健康安全規制に違反したかどで起訴される模様であり、政府の売却計画に打撃を与える動きにある。

熱中性子炉酸化物燃料再処理工場(ソープ再処理工場)を1年前に停止させ、膨大な使用済み燃料がカンブリアの敷地内に積み上げられる結果を招いた事故に対して、過失の告発がなされようとしている。

健康安全局(HSE)は、ソープと広大なセラフィールド工場群を運転しているBNGに言及しようとしていないが、ある確かな情報筋は数日以内に公式な発表があるだろうとしている。
BNGは昨日の夜、HSE法務局がそのような事態を含めて検討していることについては承知しているが、同社としていかなる予想も持ち合わせていないと述べた。「起訴するとの決定はまだされておらず、有罪判決の現実的展望を与えるに十分な証拠があり、さらに、その訴訟が公共の利益に合致する、とHSEの法律担当官が確信した場合にのみ訴訟が起こされるだろうと我々は理解している。」と、述べた。

BNGは、同社がまもなく工場の再開計画実施を許可されるだろうといった自信にも言及した。「我々はこの夏にも工場を再開させる計画である、規制による許可とNDA(原子力廃止機構)による承認を受けなければならないが。」と、付け加えた。

このような楽観論にも関わらず、その再開の日取りは未定で、その工場施設再開が許可される以前に、HESの原子力施設検査官によって明確に突きつけられている一連の49項目からなる要請に対応しなければならない。

ソープはブリティッシュ・エナジー社(BE)が運転する全ての原子炉に加えて、数多くの海外プラントからの使用済み燃料を再処理する契約を抱えている。BEの原子力発電所から今も到着している燃料と同施設の閉鎖によって、セラフィールドには燃料を貯蔵する場所がなくなっているのである。起訴の引き金となったソープでの漏えいは公式には昨年の4月20日に検知されたが、その問題は明らかに9ヶ月間も継続していた。

同施設の精巧な計測器や測定装置が、最も危険な溶液であるとして知られている、大量の使用済み燃料溶解液が行方不明になっていたことを長い時間示していたので、HSEとしては起訴しなければならないという気持ちになったものと理解される。20トンのウランと160キログラムのプルトニウムを含んだこの溶液は、今では、同施設の巨大な密閉空間の床から回収されている。それは工場内のタンクに貯蔵されて、ソープが再開した時の再処理を待っている。

80立方メートルもの核燃料が溶けた硝酸溶液を工場内部に漏えいさせることになった、破断した配管は補修もされないままであるが、それはそれらの放射能強度があまりにも高く人が近づくことも出来ないからである。NDAはソープ閉鎖のコストを5千万ポンドであるとしたが、情報公開法に基づく資料の開示要請を拒否している。迫りつつある起訴を考えてのことであろう。

工場の即時の永久閉鎖はNDAや通商産業局によって認められていないが、それは海外顧客、大部分はスイスやドイツ、スウェーデンの海外顧客、からの使用済み燃料の再処理契約がいくつかまだ残っているからである。

海外の会社が所有する約700トンの照射燃料(使用済み核燃料)がセラフィールドの冷却プールにたまっており、それらは何年も前に再処理しなければならなかったものである。ソープに反対する者たちは、工場の再開は危険であると確信している、なぜならば、同じ事故が再び起こらないという保証はどこにもない、と彼らは考えているからである。

同社はそのようには考えておらず、運転再開を正当化するための安全性説明書を作り上げている。放射能の環境汚染に反対するカンブリア人の会のマーティン・フォーウッドは次のように述べた。「我々は経験のある原子力技術者からの忠告を得ており、2組目の配管が漏れ始めないなどと言うことは出来ないという結論に達した。双方の多くの配管は同様な量の腐食性の強い液体を運んできており、・・・もし1組が破損したとすれば、なぜ2組目もそうはならないのか?運転再開は安全を賭けたギャンブルである。」