−International Journal of Cancer Volume 99, Issue 3, 2002. Pages:437-444に掲載された論文の概要部分の訳−


セラフィールドの男性放射線作業従事者の子ども達における
白血病と非ホジキンリンパ腫

Leukaemia and non-Hodgkin's lymphoma in children of male Sellafield radiation workers

ヘザー・O・ディキンソン、ルイス・パーカー



概要

 我々の目的は、(@)イギリス北西部カンブリアにあるセラフィールド核施設での男性の放射線労働者の子どもにおける白血病と非ホジキンリンパ腫の過剰リスク(A)受胎前の父親たちの被曝と、彼らのこどもの白血病及び非ホジキンリンパ腫のリスクとの間に線量反応関係があるか(B)観察された全ての関連が人口統計学上のファクターで説明できるかどうかを調べることであった。我々は、カンブリアにおける1950年から1991年までの普通出生に関するコーホート群の研究を行い、25歳になるまで、または1991年12月までを追跡し、男性の被曝労働者の子ども全9859人と、セラフィールドで働いていない男性の子ども25万6851人の、白血病と非ホジキンリンパ腫のリスクを比較した。被曝労働者の子ども達は、白血病と非ホジキンリンパ腫のリスクが、その他の子ども達に比べて高い。〔率比(RR)=1.9、95%信頼区間(CI)1.0−3.1 p=0.05〕 人口混合による補正は、セラフィールド近隣のシースケール村の過剰リスクを大きく減少させているが、他の場所ではほとんど影響がない。重要なことに、リスクは、受胎前の父親の外部被曝線量の総量にしたがって増加する。(率比100ミリシーベルト=1.6 95%信頼区間1.0−2.2 p=0.05)この線量反応は、人口混合による補正では減少しない。しかしながら、我々が調査した13人の被曝した患者の中には、すでに考察された10人が含まれている(ガードナー他、BMJ1990年300号、423−34ページ)が、我々はケースコントロール手法よりも、時間的また地理的境界を広く取ったコーホート群を用いて、彼らが報告しているように、受胎前の父親の被曝と子どもの白血病と非ホジキンリンパ腫のリスクには統計学的な関連があると確証した。受胎前の父親の被曝が、白血病と非ホジキンリンパ腫のリスクのファクターである可能性があり、この影響は、シースケール村に限定されているわけではない。



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