JCO臨界事故の被曝評価等に関する質問書(bS)


科学技術庁 原子力安全課 様
(御担当 水元様)

                                    2000年7月26日
                                         美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
                                     大阪市北区西天満4丁目3番3号 星光ビル1階
                                         TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581

 7月12日付けの質問書(No.3)に対する回答を7月18日に受け取りました。それに関連して、今回bSの質問書をお送りします。
 8月2日(水)までに、文書で御回答下さい。 

                         質   問   事   項

1.前回の回答によれば、一時滞在者の線量評価については、@事故が発生した瞬間にJCOの近くにいた場合とA事故が発生した瞬間から数秒後にJCOの近くにいた場合との二通りにわけて評価されています。
 (1)7名の方には、二通りの評価による被曝線量を通知しているのですか。
 (2)436名の住民・作業員の被曝線量の総和は1.6Svでしたが、これは、上記@、Aいずれの評価方法によるものですか。
 
2.中性子線の測定場所について、前回の回答では、「・・・・以外に測定した地点は事故調査委員会には報告されておりません」となっています。私達が質問したのは、合計54地点以外で測定された事実があるのかないのかについてです。この質問に対する回答にはなっていません。前回の回答は、「報告をうけていないが測定された可能性がある」ことすら示唆しています。報告されたかどうかではなく、この54地点以外の測定事実について再度回答してください。

3.本米崎のγ線連続定点測定について
 (1)9月30日17:11からの測定は、ほぼ10分間隔で行われています。しかし、それ以前については、あまりにも測定の間隔が離れすぎています。例えば、15:30の次は16:55と1時間25分も間隔があいています。なぜこのように大きく間隔があいているのですか。
 (2)13:55から翌日17:01の各測定値に対応する、測定場所が記入されていません。それぞれの測定値に対応する測定場所を公表してください。その場合、地図上で図示のうえ、事故現場から○○メートルという形で公表してください。
 (3)前回の回答の別添1によると、本米崎小学校での定点観測データは、10月1日17時1分までとなっています。しかし、事故調査委員会資料3-3-1号(および2-8-1号)では、9月30日18時41分以降のデータが公表されていません。データが公表されなかった理由を説明してください。
 (4)本米崎小学校での定点観測データでは、9月30日18時23分3.7μGy/h、19時51分4.4μGy/h等、前後の測定値と比較して、突出して高い線量率を記録している時刻があります。例えば19時51分4.4μGy/hの場合、前後の値に比べておおよそ約9倍も高い値となっています。なぜこのような突出して高い値が測定されたのか、原因を具体的に説明してください。

4.大気中放射性物質の測定結果の表について、
 (1)の中の「−」「*」は各々何を意味するのですか。
 (2)各核種の検出限界はいくらですか。

5.原研那珂東側道路の県の実測値がフィッティング式よりも大幅に高くなる問題について
 (1)本質問書添付の【資料A】は、貴庁が被曝線量計算に用いたフィッティング式(距離と線量当量率の関係式)の上に、茨城県が原研那珂東側道路での13ポイントで測定したガンマ線線量率の値(事故調査委員会資料3-3-1号)をプロットしたものです。見ての通り、フィッティング式に対して県の実測値は最大約80倍も高くなっています。県の実測値が大幅に高くなっている原因を具体的に説明してください。
 (2)またフィッティング式では、上記県の実測値は一切考慮に入れられていません。フィッティング式は実測値を正確に反映せず、過小評価になっていると考えますが、どうですか。そうでないとされるならば、その理由を説明してください。

6.住民・労働者436名の線量の総和は1.6人Sv、一時滞在者29名の線量の総和は0.044人Svという回答はすでにいただいております。しかし、防災関係者の評価が終わっていないとの理由で、ガン・白血病死のリスク計算の結果についての回答を未だいただいておりません。住民・労働者と一時滞在者が被ったリスクについて、以下の質問に「はい」か「いいえ」でお答えください。なお、「いいえ」の場合は、その理由も述べてください。
@住民・労働者と一時滞在者の合計は465名であり、その線量の総和は1.644人Svである。
                                                         (はい・いいえ)
A「健康管理検討委員会報告」の記述に従えば、リスクは1人Svあたり0.1人のガン・白血病死の危険となる。                                                           (はい・いいえ)
B以上@Aからは、住民・労働者と一時滞在者465名が東海臨界事故によって被ったリスクは、1.644人Sv×0.1=0.1644人のガン・白血病死の危険となる。                              (はい・いいえ)



以上。早急にご返答下さい。



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