申   入   書


科学技術庁長官 町村信孝 様

<これまでの経過>
 私達は貴庁に対し、東海村臨界事故の被曝評価等について、これまで2回の交渉と、8つの質問書を出してきました。しかし、質問書bU、bV、bWに対する回答が放置されたままでしたので、回答を得るため、11月10日、わざわざ東京に出向きました。国会開会中という多忙のなか、竹村泰子参議院議員も御同席の上、貴庁からは質問書bU、7に対する回答、貴庁と同席された核燃料サイクル開発機構からも説明を受けました。当日回答を得られませんでした質問書bWへの回答と、当日提供することを確認した調査事項については、1ヶ月以上経た現在も回答がありません。11月10日の回答と核燃サイクル機構の方の説明は、納得しがたいことも多く、核燃サイクル機構の方には再度御同席いただき、回答されるよう要請いたします。

<申入の趣旨>
 私達は、周辺住民等の被曝線量評価の基礎となっている国の資料・データに対し、大きな疑念をいだかざるをえません。
 これまで明らかになっただけでも、本米崎小学校での測定データが大幅に欠落していたこと、さらに16:28の小学校から200メートル地点での高い測定値が隠されていました。これは私達がデータを入手して、公開を要求してやっと、国が公表し認めたものです。
 さらに、中性子線等の測定データが余りにも少なすぎることに関しては、11月10日になって初めて、「中性子測定器は核燃サイクル機構が16:30頃にJCO事務棟2階に設置したが、プリンターとケーブルを忘れていたので連続データは夜中の1:58からしか存在しない」、また本米崎小学校での測定データについても「A車はプリンターの電源を入れていなかった」「B車は出力した連続データがあったが、大洗は東海に渡したといっているが見つからない」等々の驚くばかりのずさんな測定がなされていたことが明らかになりました。
 また、当日16:30頃に那珂研究所のMP1・MP2が示しているγ線のピークについては、その原因がまだ明らかではないと認めながら、他方、被曝評価としては評価する必要なしという貴庁の姿勢にいたっては、とうてい許されるものではありません。

 臨界被曝事故から1年以上がたち、わずか3ヶ月たらずでまとめられた「事故最終報告書」(1999年12月24日付)から1年になろうとしています。周辺住民の方々は、被曝による健康影響に対する不安に今も苦しめられています。このような不安に真摯に耳をかすこともなく、「50ミリシーベルト以下だから影響はない」という貴庁をはじめ専門家の態度によって、周辺住民はさらに一層不安と怒りを強めています。
 国の線量評価は大幅に過小評価されたものであり、そのやり直しを求めます。

 なお、18日は、11月10日の継続として、
 ・核燃サイクル機構が16:30頃に事務棟2階で行った中性子測定について
 ・本米崎小学校での測定状況について
 ・16:30頃のγ線のピークの原因について
 の問題等を中心に、詳しく御回答・御説明をお願いします。

申   入   事   項
1.質問書bWと11月10日に確認した調査事項に対する回答をすみやかに出すこと。

2.臨界事故に関するデータを全て公開すること。

3.被曝評価の基礎となった線量評価をやり直すこと。住民等の被曝評価をやり直すこと。
2000年12月14日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会
大阪市北区西天満4丁目3番3号 星光ビル1階
TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581



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