柏崎刈羽3号炉用データの異常



柏崎刈羽原発3号MOX燃料にもデータ不正の疑惑濃厚
 東電は、柏崎刈羽原発3号MOX燃料のペレット外径データについても、1ミクロンきざみのデータがあるにもかかわらず公表していません。公表しているのは、わざわざ4つのデータをたしあわせた4ミクロンきざみのデータのみです。このようにデータを加工すると、不正があった高浜4号のペレットデータも、グラフで表すと異常がないようになってしまいます。次のグラフは、高浜4号の実際のペレットデータ(1ミクロンきざみ)とそれを東電方式で4ミクロンデータに置き換えたものです。比べてみれば一目瞭然。不正の決め手となった、2つの山はきれいに消えてしまっています。
                        高浜4号炉のペレットデータのグラフ

 そこでこんどは、柏崎刈羽3号の公開されている4ミクロンキザミのデータから、元の1ミクロンきざみのデータを予測してグラフを書いてみました(手法は、福島T−3のグラフの作成方法と同じです)。4つのグラフを紹介しますが、それぞれ、正規分布とは異なる形をしています。
 東電は、1ミクロンキザミのデータを公開し、なぜグラフが異常な形になるのかを説明すべきです。
                       柏崎刈羽3号炉のペレットデータのグラフ

「データ不正がないことを示す立証責任ははない」と居直る東電
 福島T−3原発でのプルサーマルを阻止するために、福島地方裁判所でMOX燃料使用差止仮処分の裁判が闘われています。最大の争点は、BNFL事件を受けて、MOX燃料ペレット抜取検査でのデータ不正の有無についてです。
 東電は、12月26日、準備書面2を出してきました。その中で、「そもそも不正事実の不存在などという消極的事実について債務者(東電)が立証責任を負わないことは言うまでもない」と述べています。東電の姿勢は、@データ不正がないことを示す立証責任は東電側にはない。A不正疑惑がないのにベルゴニュークリア社にデータ公開など要求できない、というものです。MOX燃料を使用する当人が、データ不正の有無を明らかにする責任を全く放棄してしまったのです。こんなハレンチ極まりない姿勢を表明した東電に、MOXの使用、そのための輸送を許すわけには行きません。
 少なくとも東電は、MOX輸送前に、データを公開し、不正がないことを明らかにすべきです。



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